治療が楽しくて仕方がない

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 治療はなかなかよくならないときが多いので、治療をしていると辛く感じてしまうことが多いですが、治療が楽しくて仕方がない状態のときもありますね。

 感情の起伏のように、治療が辛いと楽しいを繰り返していることが多いのですが、楽しいと感じるときが長いというのは、自分の限界を超える状況ではなく、管理をしやすい状況なので、成長するためには、楽しくない状況を歓迎しないといけないですね。

 

 治療が楽しく感じているときは、治療をすると変化が出て、結果が出る時が多いですし、自分が予測した病態が合っていることが多いので、達成感が非常に強く出るので、何をしても思い通りになると感じることが多いです。

 

 治療が辛く感じるときは、何をしても結果が出ないときですし、治療を変えても、治療を考えてもなかなか結果に結びつかないので、どうしていいのか分からなくなってしまうことが多いですね。

 

 ただ、そうやって非常に悩んでいる状況の中で、考えつくしても手が出てこない状況になって初めて、あれをしてみようかと考えら得ることがあるので、考え抜くというのは治療技術の向上に取っては非常に大切になります。

 

 そういった状況を何回か越えていくと、今まで悩んでいたのが何だったのか、全く分からないときが出てきますが、これが成長ということなのでしょうね。人が歩けるようになるまでは生まれてから数年かかるのが当然ですし、転ぶという失敗をたくさん重ねて、ようや大人と同じように歩けるようになりますが、治療も同じように時間をかけて作っていくものだと思います。

 

 もちろん、身体の健康に関わることなので、歩く成長のように失敗を多くするのはいけないですし、そこまで大きな失敗はしていかないように教育されるのですけど、治療技術がどんどんと向上するというは、習う訳ではないので、自分で身に付けていかないといけないですね。

 

 治療を始めて数年は非常に楽しかったのですが、それ以降は、なかなか結果も伸びてこなくて、今思えば、辛い期間だったのではないかと思います。こんなことが言えるのは、ここ数年は治療が楽しいと感じることが多いですし、いろいろやってみたいという気持ちになってきたからなのでしょうね。

 

 最近は、何故治療が楽しく感じるのだろうかと考えていたのですが、触診技術が向上してきたので、刺激を加えると、症状に変化が出ていなくても、身体に微細な変化が出ているのが分かるようになってきたので、こっちからやったらどうだろうかと考えられるようになってきたからなのだろうと思います。

 

 触診技術が何故、向上したのかを考えたときに、数年前になかなか改善をしない患者さんがいたおかげだということに気付きました。その患者さんからしてみたら、改善をしているので、継続して治療を受けて頂いていたのですが、自分の中では変わっているという実感もなく、変化も出ていないなと感じていました。

 

そのときに同じような症状・所見の別の方を診ていたのですが、その方の治療を少し変えたら、変化が出るのが分かるようになり、最初の方にも試してみたら、少しは変化をしたというのが理解できました。

 

 変化は非常に微細だったのですが、手によく集中してみると、違いとして感じられ、違いがあるということは、今まで変わらないと思っていたのは変わるはずという気持ちになり、続けていくことで、自分が満足できる状態になっていきました。

 

 微細な変化が分かるようになると、それまで見ていた方の変化も違うと感じるようになり、治療を変えてみても、違いがよくわかるようになり、いろいろな治療が楽しく感じるようになっているので、最近は治療が楽しくて仕方がないのだろうと思います。

 

 牛歩のような歩みに感じていますが、それでも、続けていけば大きな変化になっていくので、今後がどのように成長をしていくのかが自分でも楽しみですね。また、変化が出なくて辛い時期がくるでしょうが、その時期こそが将来に伸びる力の時期だと思うので、今度は楽しめるようにしていきたいと思います。

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