不妊治療を中心にしている鍼灸院も増えてきていますが、普通の鍼灸院でも不妊治療を行っている人達も多いとは思います。

　不妊治療は、毎月結果が出るもので、駄目だったら、自分という人間は駄目なのではないだろうかと落ち込んでしまう場合もありますし、夫婦間でも出来ないと言うストレスから、喧嘩になってしまうこともあるので、カウンセリングも併用していく方がいいと思います。

　鍼灸師で不妊カウンセラーの資格を取得して、治療と同時にカウンセリングをしている人もいるでしょうが、カウンセリングは心、心理、精神は非常にあやふやなものであり、大きくずれてしまうと、その時だけではなく、その人の人生全てに影響をしてしまうので、非常に注意が必要な物になります。

　私自身は、心理系の書籍を読むこともあり、心と身体について考えることもありますが、心理領域に踏み込むことはほとんどありません。これは自分のスタンスとして、得意分野は何かを考えたときに、「鍼灸が得意分野」で「他は知っている」という程度だと自己分析をしているためになります。

　心理的な悩みが強いときには、話しは聞きますが、カウンセリングも必要だと思ったら、専門のところに行った方がいいとお勧めすることが多いです。鍼灸治療では、患者さんと長い間、接触をしていることになるので、治療中の会話が重要になり、治療中でもカウンセリング効果があるのは認識していますが、目指しているのは、身体が楽になったので、心理的な問題などが解消されたというところなので、心理的な問題を解決することで身体の問題が解決するのは、自分の職域ではないですし、専門的に学習をしている訳ではないので、専門家ではないということですね。

　不妊でのカウンセリングの知識は無い状態になってしまうと、大きく傷つけてしまうことがあるので、知識として何を話す方がいいのかは知っておくことは大切になると思いますね。カウンセリングは対話が重要になってくるので、相性の問題も強く生じることも多いようですね。

　不妊治療では、治療をしたら絶対に子どもが授かるという保証が出来ないので、結果が見えない怖さに向っていくことになるので、不安がまずあります。誰でも不安な状況で、しかも結果がよくなかったら、どんどんと焦りも生まれてくるので、不妊治療を望む方は焦りの気持ちを持っていることが多いです。

　結婚をして数年すると、周囲の方も悪気がない訳ではないですが、「お子さんは？」と聞かれることが多いでしょうし、そうなると、自分がダメなのではないかと落ち込むことになってしまうことも多いです。

　不妊治療では、通院も身体の都合で決めることになるので、職場との関係性も考慮しないといけないので、心理的負担に感じてしまうことがあるでしょうし、周囲が「また」という発言をしたとしたら、駄目出しをされている気持ちになってしまうので、落ち込んでしまうこともあると思います。

　後から結婚した人達が子どもを妊娠したという報告をするときもあるので、そういったときに、また自分がダメだと嫌悪してしまうこともあります。女性もストレスを強く感じてしまうこともあるでしょうしけど、男性側も自分がダメなのではないかと感じてしまうことがありますし、夫婦ともにストレスが貯まってしまうと、お互いに当ってしまうことがあるので、精神状態は重要になります。

　私もいい年齢になってきているので、同級生の中でも不妊治療をしている、不妊治療をしていたという人に会いますが、不妊治療を続けるのは、金銭的に辛いだけではなく、精神的にも辛いという話しを聞くことが多いですね。

　友人たちと頻繁に連絡を取り合っている訳ではないので、久しぶりに会ったら、結婚をしていて、不妊治療をしたけど、もう止めてしまったと結論を話されることがあります。

　不妊治療で子どもが出来なかった友人は、自分達のやりたいことをやっていこうという話しになっていると、楽しい生活をしているようですが、不妊治療で疲れてしまって、その後に離婚をしてしまったという人もいるので、不妊治療は本当に大変なことなのだろうと思います。

　カウンセリングを使って、心のケアをすることも重要ですが、それだけではなく、夫婦としてリラックスを出来るような生活ケアを日常の中で取り入れていくことも大切だと思いますね。治療に来ている方であれば、夫婦でお互いにお灸をしながら、のんびりする時間は大切な時間になることがあるので、お勧めする方法の一つですね。

　身体をしっかりと見て、お灸をしている間は二人でのんびりしないといけない状態になるので、いろいろな話しを出来るというメリットがありますね。もちろん、年齢的にも身体の不調が出ていることもあるでしょうから、お互いにお灸をすることで、より健康にもなりますしね。