尿の漏れと鍼灸治療

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 小さい時は、排尿調節を行う働きが未成熟な状態になってくるので、尿が漏れるという状況になりやすいですし、高齢になると排尿調節を行う働きが低下をしてしまうので、尿が漏れるという状況が発生をしやすくなります。

 生殖機能の発達は東洋医学では、腎の働きによって調節をされているものであり、年と共に充実するので、排尿調節を行えるようになり、高齢になると、腎の働きが低下をしてしまうので、尿が漏れるという状態になってしまいます。

 

 現代医学的にはいくつかの分類があります。お腹は空洞になっていて、お腹に力が入る状態になると、中が圧迫をされてしまうので、尿がもれてしまう腹圧性尿失禁。尿がしたいのに我慢できなくてもれてしまう切迫性尿失禁。自分でとめることが出来ないために出てしまう溢流性尿失禁(いつりゅうせい)。身体を動かすことができないためにトイレまでいけずに漏れてしまう機能性尿失禁。

 

 いろいろな分類がありますが、原因疾患があることで発生するとこが多いですし、男性であれば前立腺の異常によって、尿漏れが発生をしてしまうことがあります。女性の場合は出産後に尿が漏れやすい状態になってしまうことがありますが、時間とともによくなっていくことが多いです。

 

 ちょっとしたことで尿が漏れてしまうようだと、悩みになってしまうので、困っている方がいると思います。例えば、男性・女性でも腹圧をかけると尿がもれてしまうことや、排尿後に尿が漏れてしまうことがあります。

 

 現代医学的に病気の発見が出来なければ、筋肉を鍛えるということになるので、骨盤底筋トレーニングが行って下さいという指導を受けることが多くなると思います。どういったトレーニングかの詳細をいろいろと書いてあるところがありますが、結論から言えば、陰部を締めるように力を入れるトレーニングをしていくということになります。

 

 陰部の方へ力を入れるときには、排泄で力を入れる方が意識をしやすいのですが、これだと反対になってしまうので、体感できるまでは注意して行うことが必要になります。排泄は自分で鍛えられる筋肉と鍛えられない筋肉によって支えられているので、鍛えられるところは、普段から意識をしておくことが重要になると思います。

 

 骨盤底筋トレーニングに関して最初は寝た姿勢や床に座った姿勢を勧めているところもありますが、尿漏れが酷い人は、トイレでトレーニングをしていった方が漏れてしまっても対処しやすいと思います。

 

 東洋医学で考えていくときには、ふとしたときに漏れてしまう、怖いときに漏れてしまうというような状況であれば、腎の働きと関係をしていると考えていくので、腎に対する治療をしていくことが必要になります。

 

 専門的な治療は鍼灸を使って行っていくのですが、個人で出来ることは、低温火傷に注意をしながら、下腹部を温めていくことが大切になるので、自宅でお灸をしていくのがいいと思います。お灸は持っていないと出来ないので、電子レンジを使って蒸しタオルを作って下腹部に置くことや湯たんぽを使っていくのもいいと思います。出かけているときにはカイロを使って下腹部や仙骨のところを温めておくのもいいのですけど、低温火傷に注意をしないといけないですね。カイロは熱すぎるというのであれば、腹巻もお勧めの方法ですね。

 

 笑ったときに尿が漏れてしまうのは、七情の働きによります。人には七情という怒喜思悲憂恐驚という感情があるのですが、感情の起伏によって尿が漏れてしまう場合でも恐・驚の場合は腎の問題として考えていきます。

 

 笑うというのは感情としては喜と考えていくことが出来るのですが、喜という感情は身体の機能を緩めていく働きがあるので、緩むことによって尿が漏れてしまうと考えられます。

 

 そういった方の場合は、心を治療しないといけないので、排尿で腎と考えて治療をしても改善していく可能性が低くなってしまいます。心を治療するのであれば、内関を使っていくのも簡便でいいでしょうね。冬の時期であれば、洋服で隠れてしまうので、前腕で日に焼けない側の中央で、手関節から上5㎝程度のところにあるので、円皮鍼(円皮鍼と皮内鍼の使い方)でも貼っておくと持続的な効果が発揮できる可能性がありますね。鍼灸師が行うのであれば鍼が付いているのがいいでしょうが、自分でやるのであれば、鍼がついていないタイプの方がやりやすいと思いますよ。

 

 尿が漏れると言うことは、身体の中の物を出さないように押さえておく力が弱くなってしまっているので、身体を緩ませる作用が甘さにあると考えていくので、甘い物を控えた方がいいと思います。

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