お腹の刺絡

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 先日、お腹が痛くなり、鍼をしようか、お灸をしようか悩んでいたのですが、せっかくだからお腹に刺絡をしたらどうなるのかなと思ってやってみました。

 お恥ずかしい話ですが、お腹が痛くなった原因は多分、食べ過ぎです。患者さんには食べ過ぎはよくないという話を散々していて、普段はあんまり多く食べないようにしているのですが、ちょっと食べたかったのですよ。

 

 特別に好物だったという訳でもなく、人と食事をしていた訳ではないのですが、何となく食べ過ぎてしまいました。食事をしているときは感じなかったのですが、しばらく時間が経って、お腹が張っているなという程度だったのですが、夕方になったら、だんだんと張りが強くなってきて、夕飯は少ししか食べられなかったです。

 

 夕飯が終わった直後からお腹の張りが強くて、辛いなという感じになり、お腹が痛くなってきたのですが、排泄をしたい訳ではなく、ガスが貯まっている訳ではなく、とにかく詰まっているような感じでしたね。

 

 こういうときは、背中に吸角をするか、足三里にお灸をするか、腹部に鍼をするのかが定番だったのですが、違うことも試してみたいという気持ちになり、刺絡を選択しました。そうです、本当にたまにですが、食べ過ぎるということはたまにあるので、いろいろと実験もしています。

 

 どの辺りにつまりが発生をしていて、辛さがあるのかを確認したところ、上脘付近が一番張っている感じがあり、痛み自体は天枢ぐらいに強いので、原因は上脘付近なのかなと思いましたね。

 

 天枢は痛みで、原因は上脘と自分で判断をしたので、治療するべきポイントは上脘にしました。とかっこよく言ってみましたが、単純にお腹に刺絡をしたことがなかったので、やってみたかったというのが正しい回答です。

 

 痛みや辛さが出た時は、鍼灸での治療効果を体感できるチャンスなので、いろいろと試さないともったいないですよね。わざと悪くなるようなことをして実験することはありませんよ。

 

 刺絡をするのにどうしようかと思ったのですが、どうせお風呂に入るから、その前に三稜鍼で上脘に刺絡をして身体を洗ってしまえばいいのかなと思ったので、お風呂に入る直前にやってみました。

 

 三稜鍼は深く刺すことはせずに、皮膚に引っ掛かる程度の刺激しかしていないのですが、皮膚が少し切れて血がにじむ程度でしたね。ささくれを取って血が出ることがありますが、その量の半分以下でした。

 

 刺絡をした直後は、本当に少しだけ変わったかなというくらいだったのですが、その後はどんどんと痛みが抜けていくのを感じました。時間としては痛みが完全に消えるまでにかかった時間は40分ぐらいだったと思います。

 

 次の日も痛みが出なかったのですが、ちょっと重いような気がするけど、夕飯は少しだったので、逆にお腹が凄く空いたという気持ちになりました。

 

 こういうときに、鍼をすると、腹部や胃経・脾経に鍼をして置鍼をして、落ち着かせることが多いのですが、その場合だと、時間がかかってしまうので、動きながら改善できるのは凄いなと感じました。

 

 お灸もいいのですけど、身体の前面にやる場合は、身体を少し丸めないといけないので、腹痛の程度によっては、お灸をするのが辛いときもあるので、刺絡は手軽でいいなと思いましたね。

 

 本当は背部に鍼灸をしてもらう方が私には合うのですけど、自分ではなかなか難しいので、なかなか出来ないのですよね。ちなみに、こうやって身体の不調がでたら、やったことがあることをしたり、やったことないことをしたりすることで、鍼灸の使い方や効果を自分で実感することが多いです。

 

 すぐによくなることもあれば、大失敗をしてしまうこともあります。以前は、膝が少し痛いなと思って、硬いところがあったから集中的に緩めてみたら大きくバランスを崩してしまったのか、次の日に歩けないぐらいの痛みに変わってしまったこともあります。あの時は、バランスを戻すのに数日かかったと思います。

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