中国鍼は鍼も太いですし、片手で操作をする物なので、痛いという印象を持つ人が多いでしょうし、私も痛い物だと思っていましたが、中国鍼を扱う技術があると痛みを感じにくくなります。
中国鍼自体はあまり使ってこなかったのですが、中国鍼の扱いが上手い人に何か所か鍼をしてもらったことがあるのですが、その時は痛みを感じるものはなかったです。ちょっと触れたなという程度の感覚と、ちくっとしたような気がするという程度しか感じなかったので、中国鍼は道具なので、やはり使える技術があると、痛みを感じないのだと思いました。
扱い慣れていなければ、痛みを感じさせてしまいやすいのは、日本の鍼も同様なので、結局は技術が重要だなと思ったので、自分なりに中国鍼を扱ってみる練習をしていたのですが、痛みを感じないようなやり方はこうではないかと感じることがありました。
中国鍼は片手で扱わないといけないので、片手で上手に鍼を操作できるかどうかというのが重要なので、最初は指の動きをイメージして手を動かせるように訓練をしました。母指と示指で鍼をつまんで、一気に押し入れるスピードが必要なので、スピードをつけて出来るように練習をしました。
中国鍼を痛くなく刺すために大切なのは、鍼の置き方が重要だと感じました。鍼を刺入する場所に鍼を触れてから切皮・刺入を行っていくのですが、この触れた瞬間にチクッとした痛みを感じているようであれば、その後はずっと痛いことが多いので、鍼を皮膚に触れて痛みが出ないかが重要だと思います。
尖った物を身体に触れるので痛いのが当たり前だと思ってはいたのですが、そっと鍼を皮膚に触れていくと、チクッとした痛みを感じないときがあります。もし、痛みを感じてしまう場合は触れるスピードが早い、そっと触れていかずに雑に触れたときに発生をしやすいというのが分かりました。
そんなことを言ってもいきなり触れていくしかないから難しいという場合は、まず鍼を斜め30°の状態で体表に触れていくと、痛みを感じにくいのではないかと思いました。斜めの状態では鍼の側面しか身体に触れていないので、触られているという程度の感覚が先に身体に入力をされていくので、その状態から鍼を起こしていき、鍼尖を当てるようにすると、痛みを感じにくいことが多かったです。
鍼尖を体表に触れていくと同時に圧をかけていくので、鍼が皮膚面に対して直角になったときには、鍼尖で皮膚を押している状態になっていることが大切だと思います。この状態で痛みが出ていなければ、切皮・刺入スピードさえあれば後は簡単に入れていくことができます。
皮膚がたるんだ状態では、切皮をしようとして力を入れても、肌の弾力によって沈むだけになってしまうので、鍼尖でしっかりと皮膚を押して張力を出しておくことが大切です。
鍼管を使った場合でも、鍼管をしっかりと押し当てれば、その場所の皮膚に張力が生まれてくるので、切皮痛が出にくくなるので、原理としては同じだと思います。
中国鍼を扱っている動画などを見てみると、切皮をするときに何度が入れるような動作をすることがありますが、これは前述の内容を応用したものではないかと思います。
鍼尖を肌に押し当てて、肌に張力を発揮させた状態で切皮を行うのは鍼の基本ですが、張力が十分でないときに、軽く刺入する動作をすると肌の弾力性によって沈んでしまい、切皮ができないことがあります。
この状態では、肌の弾力性によって戻ってくる力があるので、その力に対抗をするように切皮の動作を行うと、鍼を刺入しようとする内向きの力と、肌が外に戻ろうとする力がぶつかるので切皮をしようとする力を肌の弾力が助けてくれるので、このやり方も理にかなったやり方だと思います。
ただ、手を見ていると、基本的には一度で切皮をしているようなのですが、切皮をしようとして肌の張力が足らなくて、切皮を出来なかったときに、瞬時に変えているのかなとも思います。または、そういう状況があるし、鍼を刺入するには、最初はスピードと力が必要なので、2回の切皮動作を行うのが普通として行っている場合もあるのかなと思います。
中国鍼の扱いは一瞬で終わってしまうので、切皮が早いという印象があるのですが、動作を分析すると、痛みを少なく扱えるのではないかと思っています。私は中国鍼の扱いはこうやって理解をしているのですが、中国鍼でも日本製であれば鍼管がセットになっていることが多いので、中国鍼でも鍼管を使ってしまいますけどね。