五行の色体表を応用すると治療に役立ちます

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 五行の色体表は国家試験を受ける学生に取っては、面白みも少ないので拷問のように感じるのかもしれませんが、色体表は治療に応用できるので覚えておいて損はないと思います。

 私は、国家試験前は色体表をある程度は覚えていましたが、卒業したら、ほぼ忘れてしまっていたのですが、何度も見て、勉強をし直したりするうちに、「色体表ってすごいのでは?」という気持ちになりました。

 

 例えば、湿度が高い季節は好きではないということは、その方は、湿にやられやすいので、土が弱い性質の人だと考えていくことが出来るので、臓では脾の働きが低下をしやすいのではないかと考えていくことができます。

 

 脾の働きが弱いということは、甘い物を摂取するのも薬膳としては効果的なのでしょうが、現代社会では甘い物は豊富にあり、食べ過ぎる傾向があるので、甘い物を食べ過ぎてしまっているのではないかと考えていくことができますよね。

 

 土の五華・五官は、唇・口になるので、そういった方は口内炎が生じてしまったり、唇が乾燥して切れてしまったりすることがあるかもしれないので、望診や問診で確認をしていくことが可能になります。

 

 話し方は、五行の色体表では、五声が関係をするので、土の五声は歌になるので、歌うように明るいような話し方をするようであれば、脾の人だと考えていくことが出来るので、聞診で話し方を聞いていくのも大切になりますね。

 

 五変では噦になるのですが、噦は吃逆(呃逆)であり、しゃっくりの意味があるので、しゃっくりをしやすいのではないかと普段の生活を尋ねて行くことが出来ますね。五有余では経溲不利(けいしゅふり)と言う状態になっているのですが、これは月経や二便の異常が発生をしているということなので、月経・二便の異常があるかどうかを確認することができますね。

 

 感情は五志であり、土の五志は思になるので、悩みやすい、考えやすい傾向があるのではないかと考えられます。

 

 湿度が高いと調子が悪いという一言から、精神的な性質まで想像をして質問をしていったら患者さんの方が、何でそんなことまで尋ねられるのだろうと思うでしょうが、大きく外れない傾向もあるので、当っていると思って不思議に思う人も出てくるのではないでしょうか。

 

 土の五労は久坐と言われていて、久坐があると肌肉を傷つけてしまい、脾の働きを低下させてしまうので、仕事は座り仕事の可能性が高いのではないかと考えていくことが出来るので、仕事や生活のことまで色体表で考えていくことが出来ます。

 

 五色では黄色になるので、肌の色は黄色の傾向があるのではないかと見ていくことができるので、色体表を応用することで治療に役立つ知識として使っていくことが出来るので、学生の方で色体表を覚えたのであれば、その知識を使うように心がけていくといいと思いますよ。

 

 と言っても、大体は国家試験までは覚えていても、その後は知識が落ちていって、何が書いてあったのかを忘れてしまうことの方が多いのでしょうけどね。国家試験を受ける方は、まだ知識が入っている状態でしょうし、知識が落ちて行かないようにしてもらうといいと思いますよ。

 

 既に卒業している人は、色体表を忘れてしまっている人が多いでしょうし、これからまた覚えなおすのは大変でしょうけど、臨床をしていれば、患者さんの状態に対してのイメージがあるので、学生のときよりは身に付きやすいのではないかと思います。

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