低周波鍼通電療法の使い方と効果

Pocket

 低周波鍼通電療法は、電気鍼、パルスと略されることも多いですが、整骨院などでは鍼治療のメインとして活躍していることが多いのではないかと思います。

 鍼灸院でもパルスを中心に施術をしている人もいるでしょうし、ここぞというときにだけ使うという人もいるでしょうが、多くの鍼灸師が買ってみようかなと思う道具の一つだと思いますね。

 

 以前の私はパルスをあまり使っていなかったのですが、だんだんと使うことも出てきて、現在はたまに使う程度ですが、便利な道具だなと思っています。自分の身体の治療でパルスを使うことも多いですね。

 

 使うきっかけになったのは、酷い坐骨神経痛の方の治療をしていたのですが、なかなかよくならないので、いろいろな治療を試していたのですが、パルスを使った途端に急激に変化をしていったので、坐骨神経痛にはパルスを使うようになりました。ちなみに、私は低周波鍼通電療法だと長いのでパルスと呼んでいます。

 

 それ以降、パルスの方が他の治療よりも効果的な物があるのではないかと思い、使っているのですが、筋肉を緩ませる、すっきり感を出す、やられた感を出すというようなときに使うことが増えてきました。

 

 筋肉を緩ませるのには、トリガーポイントを使う方法もありますし、臓腑経絡の考え方を使って緩ませる方法もあるのですが、その筋肉を直接刺激するのは簡便な方法なので、これは緩めたいと思う時には使うことが多いですね。

 

 パルスの場合は、ピンポイントに触れていなくても、体内に電流が流れることで、筋肉の収縮運動が起こるので、大きくずれていない限りは通電に合わせて筋肉が動くことが多いです。

 

 筋肉の走行を考えて刺入を行わないと、目的の筋肉を動かすことができないので、体表解剖学をしっかりと学ぶ上でも役に立つものなのかなと思いますね。

 

 パルスの使い方は非常に簡単なので、目的とする場所に鍼を刺入し、パルスのクリックを付けるというだけなのですが、慣れないうちは、筋肉の躍動がみられないので、刺入し直すことも多く、治療に入るまで時間がかかることが多いと思います。

 

 パルス治療器では、いろいろな刺激のパターンがあり、使い分ける人もいるでしょうけど、その人が心地よいと感じる程度の刺激であれば、効果は大きく変わらないのではないかと思っています。

 

 パルスの扱いに特化をすれば、刺激パターンを変えることで治療効果が変わるというのもわかるのかもしれないですが、今のところは、術者のイメージ、好きなパターンというのが多いような気がしています。

 

 使っている人の話を聞くと、治療対象としているのは、麻痺、神経痛、筋肉疲労に使っている人も多かったのですが、婦人科があれば腰仙部、腹部疾患があれば背腰部に行うという人もいるので、自律神経の働きや経絡を使って行っている人もいるようですね。

 

 結論から言えば、使い方は自由なので、どういう使い方をするのかは自分自身で決めていけるので、自分の治療を助ける道具だと思うと、使いやすいのではないでしょうか。

 

 パルスを使う時には、ケーブルが必要ですし、パルスを置くスペースも確保しないといけないので、治療のときに動作に影響をしていくので、ある程度は使い慣れておく方が、いざというときにもスムーズに使用出来ると思いますね。

 

 私は自分に使っていくときは下腿に使うことが多いですね。というか下腿ぐらいしか自分の身体にパルスは出来ないですね。

 

 足が疲れたなと感じたときに、お灸や鍼をすることがあるのですが、お灸は手間がかかるし、鍼だと集中してやらないといけないので、パルスを適当に付けて放置するということをよくやりますね。

 

 パルスは電極を付けて実行するまでは時間がかかりますが、10分程度での刺激でもしっかりと下腿を刺激された感じが残り、その後も楽なので、使い勝手がいいですね。

 

 以前は、鍼の刺激、パルスの刺激は好きではなかったのですが、何度も実験と練習をしているうちに慣れてきたし、好きになってきたので、今日は何となくパルスの気分だなというノリでやっています。

 

 下腿に連続して行っていたら、大腿部の筋肉の緩みが出るようになり、その後も持続するようになったので、継続したら継続した効果が出るのだなと実感をしました。

 

 パルスを使っているときは、筋肉が動くので、鍼が曲がってしまうことがありますから、使用する番手は3番以上にしておいた方がいいと思います。筋肉の躍動によって、鍼が体内に入ったり、抜けたりしてしまうことがあるので、刺入部位と深さには注意をしておくことが必要です。

 

 電気が表層に伝っているときには表面がピリピリとしている感じが生じてしまうことがありますし、あまりにも強い刺激だと、その後に刺激として強く残ってしまうことがあるので、相手がほどよいと感じる程度にしておくことが大切だと思いますよ。

Pocket