頭部への手技と鍼灸

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 頭部はツボの数も多い場所であり、治療効果が高いと言われることが多いので、頭部への鍼灸や手技は必ず行うと言う人も多いのではないでしょうか。

 私は、鍼灸の場合は、必要に応じて使っていくことが多いですが、手技の場合は頭部への指圧を使っていくことが多いです。全ての人に使っていくわけではないのですが、頚部の硬さが強い人、神経が高ぶっている人に使っていくことが多いですね。

 

 頭部への指圧は圧を強くかけると痛みが発生してしまうので、圧は軽めで骨をじっくりと圧迫するようなイメージで使っていくことが多いです。頚部を触れて硬さが強い場合は、そのまま刺激をすると痛みを強く感じてしまうことが多いので、頭部への指圧を行ってから頚部を触るようにしています。

 

 頭部へ指圧を施すと、頚部の硬さが弛む感じになることが多いですし、前頭部の髪の生え際、側頭部で耳の付近、後頭部で目や鼻の反対側を重視して行うことが多いです。

 

顔色が悪い、前頚部が硬いというときには、前頭部の生え際を使い、側頚部が硬いときには耳の付近、後頭部が硬いときには後頭部を使うことが多いので、硬い場所と触れる場所は関係があると思っています。

 

 神経が高ぶっているような人だと頭頂部もかなり効果的になるので、頭頂部を使っていくことがあります。頭頂部は足厥陰経が走行をしている部分にもなるので、肝の働きと関係をしやすいのでしょうね。

 

 鍼灸を使っていく場合では、頭部に浮腫みが強いような人はお灸、皮膚の可動性が低く硬い人には鍼がいいという話が多く、実際に使ってみても、確かに効果がいいので、その通りで使っています。

 

 頭部のお灸は髪があるので、技術的には難しいところの一つなのですが、頭部に浮腫んだ感じがあり、めまいがあるような人だと、すっきりする感じが出ることが多いのではないかと思います。

 

 お灸をするとその部分の髪が焦げてしまうので、説明をして、それでもいいと言う人にしかやっていないですね。精神的に落ち込んでいる人、元気が出ない人にも効果的だとは思っているのですが、これは脾の働きである昇清が低下をしている場合と関係をしやすいので、気陥の病証が発生をしているかどうかがポイントになると思います。

 

 元気な方でも頭部にお灸をすると顔色がよくなることが多いので、養生としても良さそうなのですけど、のぼせ易い人は、お灸によってのぼせてしまうことがあるので注意が必要ですね。

 

 鍼は頭皮が硬い人に使うことが多いのですが、精神的に疲れやすい人、考え過ぎる人は硬くなりやすいような印象があります。考えすぎは脾と関係をしやすく、昇清が低下をしてしまって濁気が阻滞することにより、痰湿が停滞し、浮腫みになることが多いので、その場合は、頭皮の浮腫みがあるのでお灸になってしまいますね。

 

 お灸が使えない人には鍼をするしかないので、鍼を使う頻度の方がお灸よりは多いですね。鍼を刺入していく場合は、切皮置鍼だけでも効果があるのですが、少し斜刺・水平刺の方向にして、数mmだけ刺入をすることも多いですね。

 

 頭部は細かく触れていくと、線上になっている硬結があるので、線上の硬結に対して鍼を並べていくように刺鍼していくことが多いので、1~3本よりも5~8本使っていくことが多いですね。

 

 1本の長い鍼を水平刺の要領で刺入をしていくという方法もあるのですが、手間がかかる割に、複数の鍼を刺入するのと変わらない印象なので、数本を使っていくことの方が多いですね。

 

 頭部への鍼は抜き忘れが発生をしやすいところなので、使った鍼の本数は確認しておくことが重要になります。

 

 頭部の緊張が取れると、顔色が良くなることが多いですし、顔色がよくなるということは、顔の皮膚の状態にも変化が表れやすいので、美容を考えた施術でも頭部への刺鍼を使うことが多いです。

 

 自分が疲れたなというときには、頭部に鍼を刺鍼しておくとすっきりすることが多いですし、置鍼も長く出来るので、良く使う方法なのですが、しっかりと時間管理もしていないので、長時間過ぎて、逆に頭痛が発生をしてしまうという失敗も何度かしています。

 

 こういった経験があるので、長く行うのは注意が必要だなというのがよく分かっています。

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