伝統とは、昔から伝わってきた、有形・無形のしきたり、傾向、風習、儀式、思想のことです。
東洋医学は、昔から行われていた医学体系であり、伝統医学と表現をされているので、鍼灸師は伝統と強い関係があると言えます。
伝統って何なのだろうとふと思ったので、自分なりの伝統感を書いてみたいと思います。伝統は昔から伝わってきたものであると同時に昔に作られたものであり、変化を受容してきたものなので、現在も伝統の中にあると考える方が適切なのではないかと思います。
以前とは状況が変わったところもあり、そのままでは足らないところは、現在の観点から変容していきますが、何が変わったのかというのはしっかりとまとめていくことが、今後の伝統にも繋がっていくので、変わっているところに関してはまとめておくのがいいのではないかと思います。
そんな伝統の中に生きている我々がすべきことは、受け継ぐだけではなく、変容を加え、次世代に渡すことが伝統に関わる姿勢なのかなと思います。
大層なことを言っているようですが、日々の積み重ねが伝統という物であり、自然と受け渡されるので、何かをしなければいけないというのは無いのではないかと思います。
過去の人達が精一杯努力をして、日々を過ごした結果として鍼灸師という資格が残り、保険適応を行える動きになっているので、日々の積み重ねが伝統という物に繋がっていくのだと思います。
日本鍼灸だとか、日本の伝統鍼灸というのも、過去の物だけではなく、今後に繋がっていくというのを意識すると、今の鍼灸も日本の伝統鍼灸と言うことが出来ると思いますね。
歴史を重ねていくことで伝統になるのであれば、今ある物が将来に残るのであれば伝統に繋がる物であり、伝統であると考えていけるのではないかと思います。
患者さんへの説明で伝統的な医学であるので、使われてきている経緯があるという話しをすることがあるのですが、では伝統とは何かということは自分でもよく分からなかったのですよね。
難しく考えていくことはいくらでも出来ると思いますが、伝統に生きる姿勢というのを簡略化してしまえば、今を集中して生きるということでいいような気がしているのですよね。
形に拘ってしまえば、中身がない物になりますし、中身だけを重視すれば、形がないので、変に拘らずに、自分のやっていることが次世代や未来に繋がると考えるのがシンプルだろうなというところですね。