東洋医学の治療は陰陽の調整

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 東洋医学の治療は陰陽の調整になりますが、寒熱バランスの調整という意味になることがありますが、全体の調整という意味にもなります。

 陰陽という概念は全ての物事を二つに分けるという考えかたにもなるので、対立する2つの物を陰と陽で分類していくことが可能です。

 

 東洋医学では、身体の状態について、寒熱、気血、停滞・活動、虚実という単語で捉えることが多いですが、これらの用語は全て対立しているので、陰と陽に分けて考えることができます。

 

 寒熱はいろいろなところで言われているので、寒が陰、熱が陽になるので、陰陽の調節は寒熱の調整という意味で使われることが多いですね。東洋医学の弁証では陰虚・陽虚という言葉も多く出てきますし、冷え・ほてりは発生しやすい症状とも言えるので、寒熱の調整は陰陽の調整と置き換えることができます。

 

 気血は陰陽で分けると、気が陽、血が陰になり、気血の障害が進行すると陰陽の障害に繋がってしまうので、気血の調整は陰陽の調整を行うことにも繋がるので、陰陽の調整には気血の調整という意味を持つことにもなると思います。

 

 気血から陰陽の問題が発生するというのは、書籍の中では当たり前のように出てくるのですが、説明としては少ないので、理解が追い付いていない人もいるのではないでしょうか。

 

 身体の症状が進行したり、停滞したり、体調の改善、体調の低下も突き詰めて考えれば、身体のリズムの変化によって生じていると考えていけば、停滞・活動も陰陽として考えていくこともできます。停滞は陰、活動は陽と考えていけば、体調を整えることも、症状を改善させることも全て陰陽の調整と言う表現でもいいと思います。

 

 東洋医学の治療は、虚実を判別して補瀉を行うことが重要になってくるのですが、虚実も対立する言葉になるので、虚は陰、実は陽と表現をしていくことが出来るので、虚実・補瀉は陰陽の調整を行っているという表現になります。

 

 陰陽の調整と言うと、おおざっぱで適当な感じがしやすいところでもあるのですが、目の前にいる方の身体の状態を分類していくことが、病能の理解にも繋がっていくので、陰陽という2つに分けるというのは非常に大切なことになります。

 

 陰陽の調節を行うというのであれば、身体の状態をしっかりと分類しておくことができなければ、陰と陽のどちらの調整を行った方がいいのかと決定していくことができないので、簡単な用語なようで、難しい用語でもあると思います。

 

 冷えている、ほてりがあるという状態であれば、寒熱の鑑別をしやすいと思いますが、その中には実は、寒熱が中心ではなく、気滞や血瘀の場合もあるので、そのときには単純な寒熱だけで考えていると、本質を見逃してしまうことにもなるので、鑑別が非常に大切なところではないかと思っています。

 

 このような文章を書いたのも、最近はブログを書くことで復習している状態になるのですが、「陰陽の調節」をみるたびに「へー」という気持ちだったので、反省をして、「陰陽の調節」ってどのような意味なのかしっかりと考えてみました。

 

 しっかり考えてみたら、本当に出来るものなのかなという一抹の不安だけが残った状態ですね。単純な言葉を深く考えて迷路にはまってしまうということもあるので、実はただの迷路なのかもしれないですが、治療の中で、状態を把握していくというのは大切なので、しっかりと考えていかないといけないなと思いました。

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