置き鍼―円皮鍼と皮内鍼

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 鍼灸治療だと置き鍼(おきばり)をしますねという表現がありますが、これは円皮鍼や皮内鍼のことを指すことが多いです。

 円皮鍼・皮内鍼は治療効果の持続を狙って、皮膚に鍼を少し刺入した状態にする物です。鍼が身体に入っている状態になるのですが、入っていると言っても、非常に短いものなのですし、自然に深く入っていかないような構造になっています。

 

 円皮鍼や皮内鍼という言葉を使うと、患者さんが分からないので、イメージがしやすいようにいつからか、置き鍼と呼ぶようになったのだと思います。誰が言い始めたのかもわかりませんが、患者さんから置き鍼をしてと、言われることもあるので、円皮鍼・皮内鍼が置き鍼であると知らない鍼灸師も患者さんから教わることがあるでしょうね。

 

 円皮鍼・皮内鍼を置き鍼と呼ぶことが多いのではないかと思うのですが、鍼治療中に鍼を刺したままにして、身体に緩みが出たり、変化が生じたりするのを待つ置鍼(ちしん)・留鍼(りゅうしん)というやり方があるのですが、置鍼・留鍼を置き鍼という人もいるので、言葉の定義って難しいですよね。

 

 私は、鍼を置鍼したままにする場合は、「このまましばらくお待ちください」と言って、円皮鍼・皮内鍼の場合は「シールの鍼をしますね」と使い分けているので、置き鍼という言葉は日常では使っていませんが、患者さんの中で置き鍼と表現をする人の場合は、合わせて置き鍼という言葉を使うようにしています。

 

 円皮鍼・皮内鍼を使う場合に、置き鍼でもいいのですが、シールの鍼の方がイメージとして分かりやすいのではないかと思いますし、慣れてきたらシールという単語で済むので、置き鍼の4文字より、シールの2文字の方が少なくていいですよね。

 

 4文字と2文字では言うのにほとんど違いがないので、結論としてはどうでもいいことでしたね。

 

 置き鍼である円皮鍼・皮内鍼は身体の隅々まで使っていくことができるので便利な物なので、鍼灸師によっては置き鍼を多く使う人もいると思います。私が使う時には2~3個程度のことが多いのですが、美容鍼として使うのであれば、シワ、クマに使っていくことになるので、かなりの数を使うのではないかと思います。

 

 円皮鍼・皮内鍼は鍼灸師が使う物は鍼が出ていますが、鍼が出ていないタイプの物もあるので、そちらは一般の人に取っては使いやすいと思います。

 

 鍼灸師に取ってもよく使用する物なのですが、円皮鍼・皮内鍼は高いことが多いので、何を使うか悩む人が多いかもしれないですが、私は今のところセイリン製のパイオネックスがいいと思うので、継続して使用しています。鍼の違いもあるのでしょうけど、肌荒れがあれにくいし、丈夫なので愛用をしている状態ですね。

 

 パイオネックスは鍼の長さの違いによって製品が分かれているのですが、鍼が長いタイプはチクチク感じ易いですね。私は関節部に使っていくことも多いのですが、関節部に鍼が長いタイプを使っていくと、チクチクと感じてしまうことが多いので、鍼の長さが0.6mmか0.3mmを使うことが多いですね。

 

 円皮鍼・皮内鍼はツボ持続的効果を狙って使用することもありますが、痛みがある場合には、痛みのある場所に貼付をすると、痛みが消えることもあるので、局所に使っていくことも多いですね。

 

 経絡の走行、筋肉の走行・付着部位を狙って使っていくこともできるので、その方の症状によって使い分けています。肌がピーンと張っているようなところに貼付すると、楽に感じることも多いですし、効果も高いので、そういった場所を狙って貼付をしていくこともあります。

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