望診で色の違いを診る

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 望診は生命力があるかどうかの神気を診るものでもありますが、色の違いを見分けるものでもあるので、木が青、火が赤、土が黄、金が白、水が黒になるので、五色の違いを見分けることが大切になります。

 望診は神気と五色、形態、動きを診ていくことが大切なのですが、舌診に関する内容と書籍の方が多いですよね。中国の本を見てみるといろいろとあるみたいなのですが、日本語の本ではあまりないようですね。そこで、今回は望診の色を診ることについて書いていきたいと思います。

 

1.五色

 
五色
五臓

 五色は五行に分類をされているので、五臓にも対応しているので、顔色が青ならば肝の問題として考えていくことができます。五色は色の違いになってくるのですが、何人かの人を見比べていかないと分からないので、五色の診断は自分の中に五色に基準を持っておく必要があります。

 

 何人かの患者さんが同時にいるようであれば、どの色の傾向があるかを見比べていくことができるのでしょうが、五色がそろった状態で、微妙な色の方がきて、誰と似たような色なのか身比べていかないといけないので、普段の生活で人の色を見ておくのがいいですね。

 

 電車、町中で人が多いところであれば、多くの人の顔色を見ていくことができるので、その中で特徴的な人の色を目で覚えておくことが診察に役立ちます。

 

 五色は五臓と対応するだけではなく、身体の状態を考えていくこともできるので、それぞれの色が持つ特徴を覚えておくことが必要になります。

 

 例えば、寒い時には顔が蒼白になってしまうことがありますし、血行が悪い時、具合が悪い時にも蒼白に見えてくるので、青は寒、痛、血瘀がある可能性が高いです。

 

 外気温が高いとき、体温が高いときには顔がほてってきまし、運動をして身体が温まると血行がよくなるので、顔色が赤くなるので、赤は熱がある可能性が高いです。

 

 肌の色は若干黄色があるので、疲れてきて血色が悪くなると、肌の色が中心に出てきやすいです。水の流れが悪くなってしまった場合にも気血の流れが悪くなり、黄色になることがあります。熱がある場合は赤・黄色として見ていくことが多いので、黄は虚、痰湿、熱がある可能性が高いです。

 

 疲れてくると、血色を失ってしまうので、蒼白になってしまいますが、青があるというよりも白が出てくることもあり、寒い時も青、白、紫の色が出てくることがあるので、白は虚、寒がある可能性があります。

 

 冷えてくると、青、白、紫になっていきますが、本当に冷え過ぎると黒っぽくなってしまいますし、痛みが強い場合も同様に青、紫、黒と変化をしていくことがあります。血行が悪くなっても発生するので、黒は寒、痛、血瘀がある可能性があります。

 

 こうやって五色と関係しやすい身体の状態を知っておくことで、臓腑の色としてだけではなく、身体の状態を推測していくことができます。

 

2.部位によって色の違いを見分ける

 五色は顔の色の変化を診ていくとこにもなりますが慣れていないと分からないものなので、顔色を診ていくのは、他の部位と色を見比べることで顔色の五色の違いを見比べる力になります。

 

 例えば、手掌は血行が盛んな部位になるので、冷えていなければ赤色を帯びていることが多いので、手の赤と顔色を比べれば、赤色と同じか違うかの鑑別をしていくことができます。足先が冷えて仕方がない人だったら、足底付近の色が青、黒、紫に近い色をしていることが多いので、足先と比較することで顔色が何色に近いのかを考えていくことができます。

 

 同じ人であれば、基本の肌色は変わらないので、特徴的な部位と見比べることで、顔の五色を推測していくことができるので、他の部位と比較をしながら診ていくのもお勧めですね。

 

 

3.顔面の五臓配当と五色

 顔面部は額が心、鼻付近が脾、右頬が肺、左頬が肝、顎が腎と関係をしていくと考えていくので、顔の配当と色を組み合わせて考えていくことができます。ただし、この方法は顔の中での色の違いになるので、五色をまずは見比べられるようになる必要があります。

 

 例えば、鼻のところに赤みを帯びてきているのであれば、脾と関係をする部位なので、脾胃に問題があるのではないかと考えていくことができまし、顎のあたりの色が悪いようだと、腎の働きが悪くなっているのではないかと考えることができます。

 

 五色の特徴と合わせていくと、鼻のところに赤みがあるようであれば、脾胃に熱の問題が生じているのではないかと考えていくことができるし、顎のあたりの色が悪いようであれば、腎陽の不足が発生をしているのではないかと考えていくこともできます。

 

 顔の中での色の違いに関しては、すぐに見分けられるものではないですが、最初のうちは特徴的だなと思う場合に、顔面の五臓配当と五色を合わせて考えていくと、望診として有効になりますね。

 

4.まとめ

 色を見分けるというのは、難しいことでもありますが、毎回注意をして見ていくようにすると、違いがあるなと気づくこともあるので、見続けるというのも意味があるので、日々の治療の中で、治療前後の顔色をしっかり見るようにするといいですよ。

 

 治療前後で顔をしっかり見るのは、信頼関係に取っても大切なので、顔をみて挨拶をするついでに色を診るようにしてみてください。

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