桔梗湯(ききょうとう)

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 桔梗湯はのどの痛みに対して用いられていくことが多いので、風邪、扁桃の炎症のときのも使用されることが多い漢方薬になります。

 風邪(かぜ)をひいたときに、熱が出るだけではなく、のどに痛みを感じた経験がある人は多いのではないでしょうか。のどの痛みは発熱がないときでも何となく、のどが痛いと感じることも多いでしょうから、ほとんどの人が経験をしたことがあると思います。

 

 のどには、扁桃というリンパ組織があり、口から侵入してきたウイルスや細菌から身体を守る働きがあります。働きが活発になると、炎症が生じ、扁桃炎と呼ばれる状態になり、のどの痛みが出てくることがあります。

 

1.桔梗湯と風邪(かぜ)

 のどの痛みに対する漢方薬として使われやすいのが「桔梗湯(ききょうとう)」と呼ばれる漢方薬になります。のどの痛みは風邪とも関係をしやすいので、風邪の症状と対応して使われている漢方薬があるので簡単に紹介をしておきます。利用する場合は、医師・薬剤師・登録販売者に相談をして決めるのが安心です。

 

  • 風邪(かぜ)のひきはじめは「葛根湯(かっこんとう)」
  • 花粉症や風邪(かぜ)による鼻症状は「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」
  • さむけ、ふしぶしの痛みが強くなったら「麻黄湯(まおうとう)」
  • たんが切れにくく、から咳には「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」

 

2.桔梗湯に含まれる生薬(しょうやく)

 桔梗湯は「桔梗(ききょう)」と「甘草(かんぞう)」という2つの生薬によって成り立っています。桔梗はキキョウ科のキキョウの根を乾燥させたもので、咳を止める、痰を取る、膿みを出す作用があるとされています。韓国ではキキョウの根をキムチなどにして食べる習慣があります。

 

 甘草はマメ科カンゾウ属植物の根や根茎を乾燥させたものになります。甘草は漢字の通り、甘味を持つもので、身体の緊張状態を抑え、痛みやケイレンを抑えたり、咳を止めたりする働きがあると考えられています。また、お腹を整える働きがあるので、腹部系の症状にも使われることがあります。

 

 甘草は手足のだるさとしびれ、こわばり、マヒ、動悸、高血圧、むくみ、カリウム喪失を生じる偽アルドステロン症を起こすことがあるので、服用量には注意が必要です。甘草や風邪薬、胃腸薬、肝臓の病気に使用される薬にはグリチルリチンを含むので、薬の服用量はしっかりと管理する必要があります。甘草は甘味があるので食品添加物として加えられることがあるので、健康食品も飲まれている方は添加物表示を見ておいた方がいいですね。

 

3.桔梗湯のタイプ

 桔梗湯は医師の処方箋をもらって調剤薬局で購入することができますが、ドラッグストアでも購入することができます。飲み合わせによっては効果が強くでたり、弱くなったりしますし、桔梗湯には甘草が含まれるため、副作用が生じるおそれもあるので、医師・薬剤師・登録販売者に相談をして購入するのがいいと思います。

 

 桔梗湯のタイプとしては、顆粒タイプだけではなく、トローチタイプや内服の物もあります。漢方薬は食後ではなく、食前や食間(食事と食事の間の空腹の時間)に服用するものが多いですね。

 

 

4.桔梗湯の使い方

 東洋医学では体質を重視するので、虚弱体質(虚証)、体力旺盛(実証)によって処方を分けていくのですが、桔梗湯はどちらの人でも使いやすい傾向があります。桔梗湯は昔の文献の中にも記載があるので、長く使われている漢方薬の一つです。

 

 桔梗湯はのどの痛みに対応しやすい漢方薬なので、風邪や調子が悪くて、のどに痛みが生じる方には使やいのではないかと思いますし、のどの調子が悪くなりやすい人はいいのではないでしょうか。もちろん、利用する場合は、医師・薬剤師・登録販売者に相談する方がいいですね。

 

5.桔梗湯と東洋医学

 桔梗は苦・辛味があり、と関係をしやすいと言われています。桔梗は上へ持ちあがる働きがあるとも言われているので、のぼせ易い人が使っていくと、のぼせがひどくなってしまうので、身体の陰が不足をしている陰虚による咳嗽には使わないことになります。

 

 陰虚による咳嗽の特徴は、夜の咳、から咳になるので、のどの痛みがあっても、桔梗湯は適さないので注意が必要ですね。のどの痛みに桔梗湯がいいと言っても、東洋医学の体質を判定しておかないと悪化をしてしまうことがあります。

 

 甘は甘味があり、身体を緩めて調和をさせる働きがあるので、お腹の調子を整えながら、身体の緊張を緩和させる働きがあります。

 

6.桔梗湯と鍼灸

 のどの痛みがあるときには、鍼灸治療では肺経・大腸経の井穴が使いやすいです。手のひらを開いてテーブルに置いた状態で、母指の爪の根元で内側の角のところが少商(しょうしょう)で、示指の爪の根元で内側の角のところが商陽(しょうよう)になるので、のどの痛みが出ている側の少商・商陽は圧痛が生じやすい傾向にあります。自分で行う場合は、指で揉むのがいいですね。

 

 のどには経が走行しているので、内くるぶしの下にある照海(しょうかい)も効果的になるので、足から治療をすることもあります。

 

 のどや風邪(かぜ)は肺と関係をしやすいので、肺に関係する経穴も使っていくことが多いですね。

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