お腹がシクシク痛む原因と対処法―東洋医学で考える隠痛

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 お腹が痛くなるのは、誰もが一度は経験したことがあると思いますが、何となくシクシクとした痛みが続くと不快ですし、不安になりますよね。

 お腹が激しく痛い訳ではないけど、何となくシクシクと突かれているような軽い痛みが続き、便秘や下痢も生じていると身体の中で何が起きているのか不安にもなりますし、何よりも不快なので何とかしたいところですよね。

 

1.お腹の痛みで注意をすること

 お腹の痛みは、内臓から発生することがあるので、長く腹痛が続くようだと何かの病気が進行している可能性があるので、一度、病院で診てもらう方がいいと思います。

 

 強い腹痛、痛みがどんどんと強くなる、歩くとお腹に響く、お腹を押したときより手が離したときの方が痛い、吐血、黒い便が出たという場合には、内臓の疾患が発生している可能性があるので、すぐに病院で診察を受けた方がいいですね。

 

 下腹部に長く続いている状態だと生殖器の問題と関係していることがあります。腹部の痛みだと胃がんも考えられますが、初期症状が少ないので、不快感が続く場合には、診察を受けておく方がいいと思います。

 

2.お腹がシクシク痛む原因

 お腹がシクシクした痛みが出る原因としてよく言われやすいのが、過敏性腸症候群になります。これはストレスが原因になることが多く、便秘や下痢が生じたり、交代性に生じたりする特徴があります。

 

 過敏性腸症候群はIBSとも言われるので、名前は見たことがある人もいるのではないでしょうか。過敏性腸症候群はシクシクとした痛みが生じることがありますが、ストレス、強い腹痛、便秘、下痢が生じることがあるので、痛みの強さから病院を受診する人が多いのではないでしょうか。

 

 他には胃炎、潰瘍でも生じやすいので、強い痛み、痛みが強くなるというようなときには、病院で診てもらった方がいいと思います。

 

3.お腹がシクシクする痛みと東洋医学

 東洋医学では痛みの状況によって身体の状態を推測していくことが多いのですが、我慢できる程度で、シクシクしとした痛みが持続するようだと隠痛(いんつう)と考えていくことが多いです。

 

 東洋医学では気血が循環しているのが正常な状態ですが、気血の循環が悪くなってしまうと、循環が悪いところに痛みが生じるという不通則痛(ふつうそくつう)・不栄則痛(ふえいそくつう)という考え方があるので隠痛は気血が少なくなって循環が悪くなってしまった状態として考えていきます。

 

 例えば、腹痛ではなくても仕事などで疲れきってしまって、何となく頭が痛いような感じがする場合は、疲労によって気血が消耗してしまったために、頭部への気血の循環が不足をしてしまい、隠痛が生じたと考えていきます。

 

 お腹がシクシクする痛みの場合も、痛みが強くなってこないようであれば、隠痛として考えていくのですが、隠痛は気血の不足という状態である虚と関係していると考えていくので、身体の持っている力を回復させることが大切になります。

 

 痛みが我慢できないぐらい強くなるような状態だと、隠痛という虚証の痛みではなく、実証の痛みの状態になってくるので、東洋医学では痛みの状態や程度の情報も大切になります。

 

 隠痛は身体の持っている力が不足をしている状態と考えていくので、お腹がシクシクとするような痛みの原因は東洋医学では疲労と関係しているので、発生する原因としては仕事で忙しかった、疲れが抜けていない、飲食が乱れていてお腹に負担をかけた可能性があります。

 

4.隠痛に対する対処法

 隠痛は身体が疲れている状態で発生しやすいので、忙しい・疲労がたまっている場合はしっかりと休むことで軽減していくことになります。飲食の乱れによって、お腹に負担をかけていたのであれば、おかゆや野菜スープを中心としてお腹に負担をかけない食事を心がけることが必要ですね。

 

 大きな病気がなく隠痛が発生しているようであれば、日々の生活を改善していくだけでも変化をしていきやすいのですが、低温火傷に注意をしながら肌着のお腹、腰の辺りにカイロを貼ったり、湯たんぽでお腹や腰を温めたりするとシクシクとした痛みが軽減することが多いです。

 

 ストレスによって疲労が抜けにくく、のぼせにくい人であれば頭部にホットタオルを置くと、リラックスしやすいので身体を休めやすくなります。

 

 冷えによって気血の循環が悪くなりやすいと考えていくので、お風呂にゆっくりと入って、身体を温めていくのもいいですね。

 

 シクシクとした痛みは食事をすると軽減するという人もいるでしょうが、その場合もお腹に負担をかけない食事を心掛ける必要があります。

 

5.隠痛と鍼灸治療

 隠痛が生じている場合は、お腹と関係しやすい脾胃の働きが低下をしていると考えていくので、脾胃に関係する経絡を使って治療していくことになります。代表的なツボであれば足三里や三陰交ですね。

 

 脾胃の働きを整えていくためには、背中にある胃の六つ灸も効果的なので、背部の治療も心掛ける必要があります。

 

 鍼を用いて治療していくのもいいですが、早くよくなるために、自宅でお灸をしてもらうのも普段の治療の助けになっていいと思います。

 

 鍼灸治療は継続していくと、お腹の調子も改善していきやすいので、お腹が不調になりやすい人は、鍼灸治療も考えてみてはいかがでしょうか。

 

6.まとめ

 シクシクとした隠痛は不快感が続くので、早くよくなりたいという人も多いでしょうが、身体が疲れているというサインでもあるので、しっかりと身体を休息して改善していくのが大切になります。

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