美容鍼灸の話だとよく出てくるのはリフトアップ、小顔という単語なのではないでしょうか。実際のところはどうなのかについて考えてみたいと思います。
1.小顔になるとは?
効果の話の前に小顔になるということを考えてみたいと思います。小顔になるということはまずは顔についての話を知らないといけないですね。
顔は頭蓋骨によって出来ていますが、頭蓋骨は全部で22個の骨によって出来ています。顔の表面には筋肉、血管、神経が走行していますが、頭蓋骨の表面を覆っている状態になっています。
顔を触れてもらうと分かると思いますが、少し押すだけで骨があるのがわかりますよね。頬のあたりは深く押せると思うので、この付近だけは皮膚のすぐ下に骨がないというのが分かると思いますが、全体としては皮の下がすぐに骨があるのが分かると思います。
小顔になるということはサイズの変化を伴うという印象を持つ人が多いと思いますが、これだけ骨が中心のところが急に大きさが変わることがあるのでしょうか?もし、顔の周径に大きな違いが生じるのであれば、骨の融解でも伴っているのでしょうか?
小顔ということでは、整体などで矯正効果の効果に対する広告として「小顔矯正」「小顔コース」が多く表示されていましたが、2016年6月に消費者庁から、合理的根拠がないのに表示をしないようにと「小顔サービス」を提供する一部の業者に措置命令が出ていましたね。
内容としては景品表示法の優良誤認に当たるということですが、具体的には「実際のものよりも著しく優良であると示している」のが問題ということです。優良誤認を消費者庁で確認すると以下のような具体例が示されています。
具体的には、商品・サービスの品質を、実際よりも優れていると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのに、あたかも優れているかのように偽って宣伝する行為が優良誤認表示に該当します。
2.美容鍼灸と小顔
世の中に小顔という言葉はたくさんありますが、本当に小顔になれるのでしょうか?
小顔になるということを考えたときに、先ほど書いたように、簡単に変わる訳ではないので、一般的に言われている小顔は、「見た目が変わったように見える」になるのでしょうね。
何故、小顔に見えるようになったかを考えてみると、現代医学的に鍼を考えるのであれば、侵害刺激になるので、侵害刺激を受けることにより、新陳代謝が活発になると考えられているので、浮腫みが改善していくからかもしれないですね。
美容鍼灸は顔面に対して刺激を行うことになるので、皮膚の血流改善が図られてくることによって、皮膚に血色が出てくることで、見え方に違いが生じているのかもしれないですね。
鍼灸を行うと筋肉が弛むので、顔の緊張していた筋肉が弛むことで、小顔に見える状態になっているのだろうと考えられます。
美容鍼灸として片側の顔だけを行うと、左右の顔が違うように見えるのですが、浮腫みと筋肉の張りが変化をしたことで、違いが生じているのだろうと思います。
3.美容鍼灸の持続時間
美容鍼灸を受けてみると、多くの人が直後に見え方に大きな変化が生じたと感じることが多いですが、見え方が変わるのが浮腫みの解消と筋肉の緩みだとすると、数時間~数日で元に戻ることが多いのではないかと思います。
持続時間に違いがあるのは、刺激量、技術、受ける人の感受性によって違うので、どれぐらい持つのかということに関して断言するのは難しいと思います。
鍼灸の効果の話では、直後効果、累積効果を考えていくことができるので、1回であれば累積の効果を期待するのは難しいでしょうね。
累積効果は治療をしているとよくあることなのですが、鍼治療を継続したことによって体調がよくなった、お腹の調子がよくなったという体質に変化を感じることがあるので、美容鍼灸でも累積の効果があると思います。
例えば、鍼灸を顔面に継続した刺激をすることで、顔に浮腫みが生じにくくなる、顔の筋肉の疲労回復が早くなるという状態になれば、持続時間も伸びやすくなるのではないかと思います。
筋肉は骨に付着をしているので、骨に持続的に刺激をしている状態になるので、筋肉が弛んだ状態続くのであれば、骨への刺激が少なくなるので、付着部位に変化が生じるという可能性は否定できないですが、変化が生じたとしても微細なので、どこまで効果として言えるかは分からないですね。
4.まとめ
私は美容鍼灸を専門に行っている訳ではないので、詳細には分かりませんが、普通の鍼灸治療と考えて持続するように累積効果を考えるのであれば、最初のうちは数日おきに行って、段々と期間を空けるようにする方がいいのではないかと思います。
または1週間に1回、10日に1回行ってみて、前回からの戻り具合をみて、治療頻度を調整していくのがいいのではないかと思いますね。
東洋医学的な視点に関しては書いていなかったのですが、今度は東洋医学で考える美容鍼灸についても書いてみたいと思います。