オイルマッサージは治療院以外でも多く取り入れられていますが、受けてみると残念に思うことが多いので、気付いた点について書いてみたいと思います。
1.オイルマッサージ
まず、マッサージという単語は、滑材を用いて肌に直接アプローチする方法で、求心性(心臓に向かって)で行うという意味になるので、オイルマッサージという言葉だと、「オイルでオイルなどを使った手技」となってしまうので、意味不明ですね。
一般の人はマッサージときくと、服の上から行う指圧やあん摩をイメージしてしまうので、営業用として用いられている単語ですけど、一般的な言葉になっていますね。
ちなみにマッサージという言葉を使用できるのは、あん摩マッサージ指圧師という国家資格を持っている人だけなので、資格などについて考えずに名前を付けている人は注意をしなければいけない単語です。
2.オイルマッサージの基本
滑材を用いて身体の表面を滑らせていくのが基本ですが、圧の加減も使い分けられることができるので、まずは軽擦・強擦を意識していくのが大切になります。
軽擦で行うと皮膚・皮下に対して行いやすいので、皮膚に対してや皮下静脈に対しての手技になりますね。マッサージの基本は身体の中心に向けて行うので、軽擦を行うことで、皮下静脈を圧迫しながら心臓に戻すというイメージで行うことになります。
強擦で行う場合は、筋肉に対する治療になるので、動作の改善や筋疲労を除去する上では効果的なやり方になりますね。
軽擦と強擦の使い分けとしては、軽擦をして表面を緩ませてから強擦を行うと、外から段々と中へ治療を行っていくことができるので、施術としてはやりやすいですし、受ける方も楽だと思います。
強擦は深部までほぐしたい場合や関節部になどに対して行うのがいいと思います。関節部は筋肉ではなく腱組織が多いですし、疲労もたまりやすい場所なので、しっかりとほぐしておくと後が楽ですね。ただし、組織が少ないので、痛みを感じ易い場所になるので、強擦でも方向と力加減は注意をしないといけないですね。
3.気持ちがいいオイルマッサージ
流していくのがオイルマッサージですが、途中で手を止めてしまうと、流されている感が少なくなり、すっきり感も感じにくいので、しっかりと流していくことが大切なので、最初から最後までしっかりと行っていくことが必要です。
例えば、背中に対して行う場合は、背中の中央部だけを流すように行うのではなく、肩関節の少し先、頚部、仙骨部、殿部まで流すようにしっかりと圧をかけ続けながら行う方がすっきりもしやすいですね。
オイルマッサージを受けることは少ないですが、下手だし、すっきりしないなと感じるのは、途中で手が止まってしまうものなので、関節をまたぐところまでは気を抜かずにしっかりと行うことが大切です。
イメージとしては、圧をかけ続けていき、関節を超えるところもしっかりと圧をかけ、関節を過ぎたところから圧を抜いていく感じですね。
オイルマッサージの指導や書籍などでは、手順や場所が重視されていますが、しっかりと終わりまでイメージをしながら行わないと、すっきり感が出にくいので、注意をしないといけないですね。
最近は、オイルマッサージ系は無資格で行っている人も多く、いつでもどこでも受けられる物なので、しっかりとした物でないと、結果が伴わないですし、継続して受けたいと思えないですしね。
オイルマッサージは気持ちがいい物ですが、効果も本当はある物なので、せっかく行うのであれば、身体のことをしっかりと勉強して、技術も向上させることが大切です。
4.まとめ
私はオイルマッサージをやることはほとんどないですが、身体を触るということでは、指圧・あん摩・鍼灸では同じなので、触る技術を高めることが技術の向上につながると思います。
鍼灸を中心でやりたいという人でも、身体の隅々まで触るオイルマッサージは、触診の勉強になることも多いので、一度は経験してみてもいいのではないでしょうか。