どのメーカーの鍼がいいか?

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 治療で使用する鍼は自分の仲間であり、大切な道具なので、鍼灸師は道具にこだわる人も多いでしょうが、どのメーカーの鍼がいいのでしょうか。

 どのメーカーの鍼がいいかということは、技術と感覚がベースになるので、自分の技術と感覚を考えながら選んだ方がいいと思います。

 

 鍼を選ぶ基準としては、鍼の扱いやすさだと思いますが、刺すために用いていくので、刺しやすさも一つの基準になります。刺しやすさは技術と関係しやすいので、身体の抵抗に合わせて力を加減でき、正確にまっすぐに鍼を押していけるのであれば、押していく感覚の好みでしょうね。

 

 鍼はコシと表現されるような、鍼自体の硬さもあるので、同じ太さの鍼でも、メーカーによって硬い・軟らかいと感じるコシがあるので、押しやすい硬さを選ぶのがいいと思います。同じメーカーだけ使用しているのであれば、太さを変えれば硬さが違いますが、メーカーによっては大きく変わるので、触ってみなければ分からないですね。

 

 学生時代であれば、新しい鍼は教員や同級生が教えてくれることがあるでしょうが、卒業すると情報が入りにくくなるので、新しい鍼が出ても気付かないことがあるので、雑誌や販売サイトなどを見て情報を手に入れるといいでしょうね。

 

 ただ、いろいろな道具を触って自分に合うのを探すのも一つなのですが、技術の向上のためには、自分が慣れた物を作ってしまうのも大切なので、習熟してきたらあまり変えない方がいいと思います。

 

 同じ材質でもメーカーによって違うし、同じメーカーでも鍼の形状が違うと刺入していく感覚も変わるので、初心者のうちはやりやすい物を探すためにいろいろな物を触れた方がいいでしょうね。

 

 一つの鍼に習熟した人の場合は、いろいろな鍼を触れていくと、感覚的に違うのもわかるし、刺入していく時の感じ方の違いも理解できるようになるので、いろいろな鍼を使用してみると、元の鍼での分かりやすさが増える感じがあると思います。

 

 学会などに行くと、サンプルの鍼をもらえることがあるので、そういう場合はもらってみて、試してみるといいですね。参加できなくて試すことができないのであれば、普段、発注をするときに一箱違うのを入れてみて試していくのもいいと思います。

 

 ステンレス鍼と銀鍼は銀鍼の方が刺入しにくく柔らかいので、技術が向上しやすく、刺入してくときの感覚が得られていいという話もありますが、道具の発達は現代の恩恵でもあるので、恩恵は十分に享受していくのもいいのではないでしょうか。

 

 私は国産の鍼メーカーをメインで愛用していますが、値段が他と比べて高いのですよね。それでも使っている理由としては、慣れているので分かりやすいからという理由なので、特別な理由はないです。

 

 ただ、他のメーカーの鍼も使用しているので、いろいろな鍼を使用しています。銀鍼は使用することはないですが、思い出したように使ってみることはあります。ただ、久しぶりに使ってみると、学生の時の方が奇麗に刺入できたのではないかと思うことが多いですね。

 

 普段、ステンレス鍼を使用しているとステンレス鍼の硬さに手が慣れてしまっているので、銀鍼はぐにゃぐにゃしてやりにくいのですよね。それなのに、何故、銀鍼を使ってみるかと言えば、いろいろな経験を入れてみたいというところです。

 

 私は日本の鍼も使用していますが、中国鍼も使用するので、中国鍼の場合は特にこだわりがないのです。ただ、慣れた方が扱いやすいので、同じメーカーの鍼を使用しています。

 

 どんな鍼を使用するかはコストの面からも考える必要があるので、整骨院など多くの患者さんを安価で治療していく場合には、安い鍼を使用することが多いので、それで慣れていくのもいいと思いますね。

 

 訪問とかだったら、一本一本開けるのは面倒ですし、ゴミも多く出るでしょうから、何本かまとめて入っているタイプだとゴミは少ないし、荷物も減るので便利ですね。

 

 以前は灸頭鍼を多用していたので、灸頭鍼を行う前提で鍼を選んでいたので、メーカーもいろいろ使っていましたが、最近は灸頭鍼を行うことが減ってきたので、あまり気にしなくなりました。

 

 鍼のタイプとしては、鍼柄が長めの方が扱いやすくていいのですけど、種類が少ないので、使うことが減ってきました。鍼柄が長いタイプを使ったことがない方は、長めの物があったら使用してみると面白いと思いますよ。

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