鍼治療は患者さんのために行っていると思いますが、本当は誰のために行っているのでしょうか。
鍼治療をするということは、患者さんのためであり、症状を軽減するためになるのは当たり前ですが、本当にその通りなのでしょうか。
治療の経験が短いときには、いろいろ効くのではないかと思って、いろいろとやりたいことが出てくるでしょうし、治療の技術が向上して、自分なりの治療が出来てきたときには、自分なりのやり方で対処すると思いますが、誰のためなのでしょうか。
自分が仕入れた知識・経験があるからこそ、治療効果を考えることができるでしょうし、治療全体の刺激量の調節も出来ますが、それは本当に患者さんのためなのでしょうか。
何故、こんなことを書いていくのかというと、治療の経験が出てきたことで、ここで治療を止めた方がいいと思うこともありますが、その治療を制約しているのは、自分自身や時間で制約をかけているのではないかと思ったからです。
治療は治療効果を狙って行うのが当然なのですが、スタイルが出来ると、結果を求めるためにがむしゃらになっているよりも、スタイルを守るための治療になっているような気がするのですよね。
スタイルがあるということは、そこから経験が生まれるし、次はどうしたらいいのかを積み重ねていくことができるので、治療後に悪化をさせないためにも重要でしょうし、大切だというのは分るのですが、ふと本当にそれでいいのかと思ってしまったのですよね。
物事には陰陽という両面があり、いいという部分と悪いという部分があるのが当然なので、自分の考え次第だから、どちらでもいいというのもわかるのですが、初心者の時の方が、治療にがむしゃらだったのかもしれないなという気持ちもあります。
私自身は、これだというやり方や手法がある訳ではないですが、それでも自分の中で治療の手順があるので、分からないときや安定しているときは、型のような治療になりやすく、さらにもっとよくする、予防するというのにがむしゃらになってもいいのではないのかとも思うのですよね。
たまに、自分の治療って、本当は何のためだろうかと振り返ることがあるのですが、今回は、何となくブログに吐き出してみました。