漢方薬は東洋医学の証や臓腑、気血津液についての知識がないといけないですし、漢方薬の方剤は、いくつかの生薬によって成り立つので、一つ一つの生薬と方剤も理解していかないといけないので、しっかり理解するまで大変ですよね。
私自身も漢方は独学で勉強している状態ですが、同じ生薬なのに、方剤になると違いが出てきたり、似たような方剤が多く、どのように理解するのか困惑している状態です。
しかも、全部暗記しないと理解するのが大変ときているので、漢方薬を微調整しながら利用されている方は、本当に凄いなと思っています。まだまだ勉強途中の段階ですが、漢方薬って、こんな感じなのかなというイメージがついたので、ブログにまとめてみたいと思います。
東洋医学では陰陽論という二つに分ける考え方があり、東洋医学で重要な気血津液も陰は血と津液、陽は気と分類することができます。陰陽論はさらに細分化することができるので、血の虚実、津液の虚実、気の虚実と分けていくことができます。
鍼灸だと気に対して、血に対してと治療を考えていくことが多いのではないかと思いますが、漢方の方剤で見ていくと、気という陽に対する治療でも血や津液という陰に対する治療が含まれていることが多いです。
陰陽は一つで成立つのではなく、陰と陽が混ざり合って存在していると考えていくもので、人の身体も陰陽から成り立っているので、陽だけ、陰だけにならないのは当然なのでしょうね。
そこに虚実の概念も組み合わさってくるので、例えば、陽は瀉して、陰を補うというような構成になっているイメージがあります。気である陽は陰を機能させますが、血や津液である陰は陽に栄養を与えるので、身体の状態と相互の関係をみていきながら、処方として構成されているのは、凄いなと単純に思いますね。
何かが効果があるか、効果がないかを確認するには、何度か試行錯誤が必要ですし、漢方薬はいくつかの生薬の組合せになるので、試行回数は莫大だと思うのですが、どうやって決めたのかが気になります。
長い歴史を経て決定したにしても、何故、それを選んで、何故、組み合わせようと思ったのでしょうかね。単一であれば、簡便で試行もしやすく利用しやすかったと思うのですけど、複合処方ですからね。
漢方を勉強し始めた最初の段階では、読みにくい漢字でイメージもつかなかったのですが、何回も見ていくうちに、名前が当たり前になってきて、どんな感じで効果が出るのかというイメージが出来るようになったので、気血津液、陰陽を中心に考えられるのではないかと思いました。
さらに身体には外と内という分け方もあるので、外側の方で作用しやすい物、内側の方で作用しやすい物として考えていくと、外側に作用しやすいものは、風邪や皮膚症状、内側の方で作用しやすい物は、内科系疾患として考えていくこともできるのではないでしょうか。
実際に漢方薬では解表剤という言葉を利用しているので、外側・内側という考え方があるのでしょうね。外側中心の解表剤でも外の働きを活発にさせながら、内側から栄養を与えて外の働きを活発にさせるという組み方がされているのですよね。
他には陰陽は臓腑を分けて考えることが出来るので、陰は臓、陽は腑なので、臓に対する働きが強い物、腑に対する働きが強い物として分けていくことができます。
こうなってくると、気血津液の虚実、臓腑、臓腑の虚実などを複合的に決定して、一つの漢方薬に辿りつくので、複合的な理解がないと、漢方薬を理解するのは難しいのではないでしょうかね。
私自身はブログを書くようになって、東洋医学を一から復習していくことになったので、イメージ化がしやすい状態でしたが、鍼灸学校を卒業してから理解しようと思うと、忘れていくことも多いので、かなり大変なのではないかと思いました。
一般の方で漢方や薬膳をやりたいと言う人は、東洋医学を一から勉強して、生薬や食材について理解し、繋げていかないといけないので、本当に大変だろうなと思います。
東洋医学を使うために理解するには、気血津液について、臓腑についての2点が重要で、他の部分は必要に応じて理解を深めていくのもいいのではないでしょうか。診察も脈診や腹診がありますが、問診でも対応できるので、まずは問診を強めていきながら、脈診や腹診の学習でもいいような気がします。
問診は、患者さんが正確に話してくれないことが多いですし、普段の身体の状態を意識していないことが多いので、情報を取ることが大変ですが、ふとした会話から情報が得られることがあるので、治療中は世間話も大切ですが、身体に関する質問は、色々な方向から投げかけていくことが大切なのでしょうね。