鍼灸と漢方をAIで解明する

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 機械技術の発達は非常に速いですし、AIの研究もされ続けているので、いつの日か、鍼灸と漢方はAIで解明され、処方や治療も行われていく可能性があるのではないでしょうか。そんなことは不可能と思う人もいるでしょうが、不可能を可能にしてきたのが人類ですし、可能性としては大きいのではないでしょうか。

 飛行機がなかった時代に、空を飛ぶことを夢見る人は多く、その夢は成功しています。空にある月に行ってみたいという夢はかないました。もちろん、科学技術が発達しても深まだまだ出来ていないことはありますが、データを集積し、分析することは比較的容易にできるようになってきています。

 

 現代医学は設備、薬を作るのに莫大な費用がかかり、国や企業、個人が支払って成り立っていますが、利用するのが多ければ、研究開発にお金が回らなくなってしまうので、利用する頻度が低下し、研究開発に進む方が医療の発達に繋がっていきます。

 

 鍼灸や漢方は、鍼は金属があって加工すれば終わりですし、漢方は天年由来の物がほとんどで、新規に開発する必要がないので、費用としては現代医学と比べれば割安になりますよね。ということで、先進諸国では、鍼灸や漢方の研究が行われ、使える物は利用して、医療費を削減し、研究開発に向っているのではないでしょうか。

 

 日本でも漢方を処方する医師の力量によって違いが生じてしまわないように漢方処方にAIを組み合わせるという考え方がありますし、ベンチャービジネスとしての動きも出てきているので、簡易的な物であれば、すぐに実現可能なのではないでしょうか。

 

 本格的な運用を行っていくためには、データベースを強固にしていかなければいけないので、今まで処方された内容や、患者情報を入れていく必要があるので時間がかかりそうですね。ただ、物事は思いもよらぬところから一気に伸展する可能性があるので、データベースを作りながら進化していく形が作れれば、より早期の運用に繋がっていくのではないでしょうか。

 

 鍼灸は知識だけではなく、鍼を扱う技術も関わるので、AIなどの機械で行うことは難しいと考えるかもしれませんが、本当に不可能なのかは一つ一つ分析してみると分かっていきます。知識は機械の方が優れていると言えますが、応用となると人の方がリードしていますが、今後の発達でどうなっていくのかは不明です。

 

 鍼を行うのは、皮膚表面なのか、刺入なのかによって変わっていきますが、皮膚表面に行うのであれば、触って診断して、鍼を行っていくので、肌の弾力を的確に数値化し、鍼と押手の触れ方、圧力を計測してデータベース化すれば可能なのではないでしょうか。

 

 例えば、接触鍼が非常に高度な人が、肌弾力が3の人には3の力をかけているということがわかれば、触れている面積と感覚を同じにしたら、同じような効果が生じるのではないでしょうか。ツボの選び方が難しいということになるでしょうが、治療者によって癖が出るので、利用するツボは全てではなく、限られた物のなかで行うことも多いでしょうから、それぐらいの数だったら、対応できるのではないでしょうか。

 

 もちろん、触れて判断するという日本鍼灸のやり方だと、機械で全身を触れていかなければいけないので、難しいかもしれませんが、知識を強く利用して最適な場所を考えるというパターンを入れれば対応できる範囲なのではないでしょうか。

 

 刺入だともっと難しいという話しもあるかもしれませんが、現在は、エコーでの鍼灸もあるので、一つの治療法、一人の人間にフォーカスを当てていけば、その人がその深さで鍼を止めた理由も見つかる可能性があるのではないでしょうか。

 

 人だと感覚を研ぎ澄ましてやらなければいけないですが、画像をベースにして行っていけば、名人までは至らなくても、上手は刺入を大量に作ることは可能ですね。

 

 もちろん、開発するためには、お金が必要になってくるので、鍼灸業界でそこまでお金をかけて進出してくる人がいるかと言えば、そうでもないだろうというところですが、研究などは海外の方が発達しやすいでしょうし、医療費が激減する可能性があるのであれば、利用する可能性はあるでしょうね。

 

 医療費が激減するということは、この疾患、この症状にはどれぐらい効果があるというのが実証されないと難しいでしょうが、鍼灸師がこれには絶対に効くというのを研究として行って実証されたら、運用開始という方向もありでしょうね。

 

 鍼灸治療では、患者さんと長く一緒にいる時間も大切という話しがありますが、中国での鍼灸では、対話する時間は短いですし、機械でも安心というのが普及したら、余程の人でない限り、機械でもいいという人も出てくるのでしょうね。

 

 どこまで可能なのかは分かりませんが、機械技術の発達は速いので、あっという間に進むかもしれないですし、思ったよりも進まない可能性もありますね。

 

 ただ、その前にそれだけの巨額のお金をかけて鍼灸業界に入るかなという疑問もあるのですよね。金銭や人材が大きく動くのは、その業界が伸びる、稼げるから入ってくるので、伸びて欲しいから入ってきて欲しいですが、それはそれで大変になりそうで、何とも悩ましいところですね。

 

 人と人の触れ合いが無くなるというのは寂しいですが、今も店頭購入からネットでの購入、店舗では無人レジが出てきていますし、そういう状況になったら慣れるのかもしれないですね。もちろん、専門的な人は残るとは思うので、全てがいきなり変化してなくなる訳ではないでしょうが、こういった未来を考えておくのも必要なのかもしれないですね。

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