「治療」カテゴリーアーカイブ

鍼灸治療はどのぐらいの間隔で受ければいいか

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 鍼灸治療は東洋医学で考えるというのが前提でもあるし、一般の方からすれば、身体がどう変化するのか全く想像できないので、治療はどれぐらいの頻度で受ければいいのかが分からないものだと思います。

 

 私自身も患者さんから、どのぐらいの頻度、どのぐらいの時間で治療を受ければいいかという話しをされるのですが、その方の状況やこちらの状況によっても変わるので最適な答えは出すのが難しいのですが、私なりの治療計画を元に話しをしています。

 

 例えば、急性期のものであれば、治療を受ける頻度は高い方がいいので、毎日でも治療はした方がいいとも言えます。軽い刺激でも継続して治療を行うことによって身体の状態は多きく変化していくことがあります。

 

 私自身も自分に治療を行うのですが、自分の治療はやはり面倒になってしまい、しっかり行うことがないので、時間を見つけては、自分に手を加えるようにしています。

 

 風邪をひいたときは、寒気がしたら、大椎を温めて、外関に鍼を刺して、熱が上がってきたら、大椎だけではなく、合谷を使うことがあります。外関は陽維脈と関係し、風邪の状態には効果が高い場所になります。

 

 けど、風邪をひいたら何もする気がなくて、そのまま寝てしまうこともありますけどね。

 

 自分に余裕があるか、友人などの手が借りられるときは、風邪のときなどは、1日に何度も治療を受けることがあります。発熱しづらいのであれば治療で発熱をさせ、発熱が強くなれば、発熱を抑えて、だるさが残っていれば、だるさを取ってというように頻度をあげて、症状に対応するようにします。

 

 そんなに細かくツボを使い分けるかといえば、使い分けた方がいいのはもちろんですが、私自身は合谷、大椎、曲池、外関、三陽絡、風池、風門、肺兪などでの対処が多いです。

 

 背中は必殺のカイロがあるので、寝ているときも刺激ができるので重宝しているのですが、低温火傷のリスクがあるので、とにかく注意をした方がいいです。私自身は、低温火傷になったことがないので、貼ったままにしてしまうことがあるのですが、熱く感じたらはずしてしまうようにしています。

 

 ぎっくり腰も、一日でも何度も治療するのがいいのですが、こちら側が治療できるかという状況もあるし、患者さんも来院する時間を作るのも大変ですし、金銭的にも負担になるので、その辺りは、治療者と患者さんとの相談になっていくかと思います。

 

 内臓の病や長い疾患に関しては、治療間隔はせまく、頻度もあげた方がいいのですが、先ほどのように時間・金銭の問題があるので、治療者と患者さんでよく相談をするのが重要になります。

 

 私も気を付けなければと思ってはいるのですが、患者さんへの指導に関しては、身体のことは分からないことが多いので、出来るだけ丁寧に説明をするように心がけています。

 

 例えば、1週間に1回だと3か月かかるのが、1週間に3回だと2週間ぐらいに変わるというように頻度については説明するようにしています。主訴の改善でよくなったとしても、たまには顏を出して下さいという話しもするのですが、痛くなったときのみ治療を受けるという人もいますね。

 

 毎回、痛くなる前に来てくださいという話しをするのですが、「わかっていはいるけどできません」と言われるので、ちょっとした小言ぐらいにしておいています。

 

 私自身もしっかりと自分の身体を管理出来ている訳ではないですし、歯医者に行けば同じことを言われますしね。

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簡単な病気の治し方

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 東洋医学を学習すると複雑なことも考えられるようになるという幻想もあるのですが、技術もないといけないし、患者さんとの人間関係も構築しないといけないし、勉強するだけでは続かないものでもあります。 続きを読む 簡単な病気の治し方

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鍼灸の上手い下手はあるか

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 当たり前のことになるかもしれませんが、鍼灸が上手いか下手かというのは受ける側からすれば気になるところになりますが、鍼灸の上手い下手と考えると「鍼が痛い・痛くない」「効果がある・ない」ということで判定することが多いと思いますが、これが正解とは言えない場合があります。 続きを読む 鍼灸の上手い下手はあるか

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鍼治療で用いる鍼の本数

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 卒業して現場に出て、自分で治療を行うようになると、今までの学習と違い、形や時間に合わすのではなく、患者さんの症状や望む結果に合わせて治療を行うので、どうやっていいのかに悩むことが多いですが、その悩みの一つとして鍼の本数があると思います。 続きを読む 鍼治療で用いる鍼の本数

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鍼灸師の手汗の止め方―発汗の治療

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 学校に入学して、鍼灸の実技練習をしていると、クラスの中で数名は手汗が気になるという話がでることがあります。私が学生の頃も、クラスの数名は手汗がひどくて練習できないという話があり、私自身も手汗が気になりました。 続きを読む 鍼灸師の手汗の止め方―発汗の治療

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大腿骨骨折後の感覚と鍼灸治療

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 鍼灸治療では保険で訪問することも増えているようですが、訪問で多い疾患は脳血管疾患の後遺症や大腿骨骨折後の方が多いようです。私自身も脳血管疾患の後遺症や大腿骨骨折の方の治療をすることがあるのですが、大腿骨骨折後の患者さんから言われた言葉があります。

 

「股関節が冷たい」

 治療をするまえに、こんな言葉をもらったことがあります。股関節の置換を行うと、屈曲・内旋が危険になるので運動制限がありますが、構造的には問題がなく、動ける状態になっていると思いますが、感覚的には異物だと感じているのだなと思いました。

 

 大腿骨頭部から血流が入ってきているのですが、股関節の置換を行ったことにより、その部位に血流が流れていないことで感じているのかなとも思いました。ただ、人工関節も身体の内部にあり、体温で温められているはずですが、流れているものとの違いがあるのだと思いました。

 

 この状態を東洋医学から考えていくと、骨の中には髄が入っているとし、骨を栄養する働きがありますが、人工関節になることによって、骨の栄養が不足し、冷えという感覚が発生しているのではないかと思いました。

 

 股関節の置換術を受けた方は、痛みや動きが完全になることはないのですが、治療をすると痛みや冷えの改善がみられ、施術前後で動作の改善もあるので、治療は受けておくと、関節可動域の低下が生じづらくなるので、患者さんにも案内をしています。

 

 施術に関しては、全身状態を把握して行う方法以外では、私の中では数パターンを使い分けるか、まとめて使うという方法で行っています。

流注を使って施術

骨ということで腎

髄ということで懸鍾

 

 流注を用いる場合は、辛い部位を伺って、前・横・後で分け、前なら胃経、横なら胆経、後ろなら膀胱経を中心に治療を行います。置換術を受けている方は、下腿のだるさや冷え、その他の症状を訴える場合もあるので、足背部を使っています。

 

 骨ということで腎というのは、年齢的なものもあるし、骨が弱くて骨折したのであれば、腎を治療しないといけないと考え、湧泉や太渓を使うことが多いです。骨で骨会の大杼もいいのですが、私自身はまだ凄い効果があったという実感がないので、湧泉から治療を加えることが多いです。

 

 骨は髄が栄養を与えるので、髄から治療を行うと効果的かと考え、懸鍾を使っていることが多いのですが、先ほどの流注の治療ということで、胆経として考えることも出来るので、使う頻度が高いです。

 

 手技で対応するということもあると思いますが、その際は、足底・足背からアプローチをして、懸鍾に進むことが多いです。治療を行っていくと、股関節が温まるという話しもあるので、硬結の変化だけではなく、感覚として違いも出たかを確認しながら施術をしています。

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腰痛治療のポイント

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 鍼灸治療では腰痛の治療でということで来院される方が多いですが、現場に出てすぐの時って、どうやって治療をすればすぐによくなるのかと悩みますね。ぎっくり腰は3回で治せるようにならないといけないとも言われますね。 続きを読む 腰痛治療のポイント

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鍼治療は痛いか?

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鍼灸を受けたことない人から質問をされる場合、

「鍼って痛くない?」 続きを読む 鍼治療は痛いか?

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鍼灸はクセになる?

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鍼灸で治療をしていると、たまに患者さんから

「鍼灸を受けるとクセになるから止めた方がいいと言われたことがある」

という話を伺うことがあります。 続きを読む 鍼灸はクセになる?

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鍼灸治療の適応疾患

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鍼灸の治療で適応疾患と言われても、一般の方からしたら、痛みには効きそうだけど、何に効果があるのか分かりずらいというところでしょうか。

 

鍼灸を使った治療は、中国では約2000年前から行われていたと考えられ、日本でも約1400年ぐらい続いています。そんな時代に現代医学はもちろんなかったので、現代医学が広まるまでは、身体の全ての症状に対して、鍼灸や漢方、按摩(マッサージ)での治療が行われていたので、全ての疾患に対応していました。

 

現代医学が広まってからも現代医学で苦手な分野で鍼灸が強いということろも分かってきたので、WHO(世界保健機構)が鍼灸の適応というのを発表しています。

 

鍼灸師によってはこれも効く、あれも効くというように得意なところもあるので、鍼灸師に聞いても行っていることが違く、わかりずらいという話をされることがあります。

 

鍼灸がどんな疾患に効果があるかを分かりやすく言ってしまえば、

・筋肉の痛み

・神経痛

・関節の痛み

・何となく調子が悪いの続く

が中心と捉えてもらうといいです。もちろん、筋肉や神経が切れたというのは、東洋医学よりも現代医学の方がつなげることも出来るので、現代医学に行く内容です。

 

何となく調子が悪いというのは、お腹の調子が悪い、排便・排泄がちょっと気になる、頭痛がしやすい、眼精疲労、生理痛などがあります。大きな病気がなくて、疲労などが関係しやすいものは対処しやすいと思います。

 

首、肩こり、腰痛は多くの方が利用していますが、内臓のちょっとした不調にも効果があるので、体調維持や体質改善にはお勧めですね。

 

私自身も日々、お腹に灸したり、疲れているところに鍼をしたりして体調維持に努めています。私自身が倒れてしまったら、患者さんの治療が出来なくなるので、メンテナンスは行うようにしています。

 

自分の身体で気になることがあり、鍼灸に興味を持ったのなら、一度、近所の鍼灸院や鍼灸師に電話や相談をしてみることをお勧めします。鍼灸師の中でも、学生時代にいろいろ習ったけど、卒業してからは、肩こり・腰痛しか対処していないという人もいるし、内科系などは苦手という人もいるので、確認してから治療を受けるのがいいと思います。

 

よくなっていくかは電話だけでは判断しかねるので、一度、診察をしてもらうことも必要になる場合もあります。治療だけではなく、そういった対応が出来るかどうかを尋ねてみるのもいいし、治療院でも治療はしないけど、身体の相談と治療計画の話だけを行うメニューがあってもいいのかもしれませんね。

 

治療経験を積み重ねると、得意な疾患が出てくることも多いので、その鍼灸師の特性を聞いてみることが大切になります。私自身も最初は治療を行える疾患が少なかったのですが、治療経験を積むことによって、治療が行える疾患が増えていっていますしね。

 

経験を積むには、自分の身体の不調は自分でメンテナンスを行っていくことが大切なので、自分に対しても鍼や灸を使っていくことが大切だと思います。

 

技術の向上は自分にやっていくことでも磨かれていくし、自分で感じた感覚が患者さんでも感じるのかというのを尋ねていくことによって、身体がどのように変化していくかを理解できるようになると思います。

 

私自身は鍼灸はそれほど好きではなかったですが、今は日々のメンテナンスにも使っているので、自分の身体になくてはならないものになっていますしね。

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