美容鍼灸について考える

Pocket

 美容鍼灸は美容鍼とも言われていて、ハリウッド俳優が行っている美容法ということで人気が出て、普及をしたものになります。美容にも効果があるということで、人気が出て、多くの治療室にも取り入れられています。

・美容の仕事と鍼灸師

 美容鍼灸をやりたいために、鍼灸師の資格を取得する人も増えているという話しを聞くことがありますが、鍼灸師を取得してから美容に目覚めるという人も多くいるようです。鍼灸師の仕事と美容関係の仕事は関連することもあるのですが、業務では違いも多いので、その辺りをしっかりと把握しておくことは大切なのではないかと思います。

 

 美容だと、エステティシャンが有名ですが、対応(接遇)・気遣いなどは鍼灸院とは違うことが多いです。例えば、鍼灸院では患者さんと呼びますが、美容だとクライアントやお客様と呼んでいますし、説明が細かいことも多く、タオルの使い方・触り方でも違うと言われます。

 

 タオルのかけかたは、鍼灸院だと上半身・下半身・顔にかけることがありますが、美容だと、ターバンのように髪をまとめるやり方が主流ですし、タオルのめくり方もゆっくりで丁寧なことが多いです。

 

 触り方は、顔はそっと触れるということが言われるのですが、鍼灸師もしっかりと技術を身に付けていれば、そっと触れることが出来るようになるのですが、どうしてもツボという1点に集中することが多いために手の使い方が面を意識することが弱く、受けて側からすると雑に感じることもあると思います。

 

 こういった違いを生み出すのは、まずは金額の違いというところも多いです。金額は払ってもらう金額でもあるのですが、経費の違いも大きいです。美容はコーヒーショップで言えば、サードプレイスを重視するスタバと同じように空間の提供が重要になるので、かかる経費も多いために、単価が高いことが多いです。

 

 経営方針にもよるでしょうが、経費が高いということは、それだけ売上もあげなければいけないので、単価も上げる努力をしないといけないですし、ノルマがあるところもあります。当たり前なのですが、これを理解していなくて、美容方面で仕事をするとノルマが辛いという人もいるので、どういう仕事内容なのかをよく考えておくといいと思います。

 

ただ鍼灸をするだけではなく、顧客に感動を与えることが必要です。本来は、全ての仕事で感動を与えることは必要なのですが、単価も違うので、重要さも大きくなります。

 

・美容鍼灸は効果があるのか

 これは、効果があると言えます。まず、美容だけではなく鍼灸師に会ってもらうと、鍼灸を自分で行っている人は、血色がいいことが多いです。美容鍼灸だと顔に鍼をすることが多いのですが、鍼を行った部位は血行がよくなるので、効果が美容でも効果がみられます。

 

 鍼灸師でも顔に鍼をしていない人もいますが、血色がいいのは東洋医学の考えからすれば当然なことになります。顔や肌というのを考えたときに、肌は東洋医学では皮毛と言われ、肺との関係が密接なので肺を強めることによって肌の状態はよくなります。

 肌の栄養状態をよくするためには、血が重要になるので、血の生成を行う脾、血の働きに関わる肝と心も加えることが大切で、血を補っていく働きが精にあるので、腎・脾も重要になります。

 ということは肌を考えたときに、肝・心・脾・肺・腎という臓が全て関わることになります。全部を使うという方法もあるでしょうし、その人が肺の働きが悪く、肌の調子が悪くなっているのであれば、五臓の中でも肺を行っていくと効果が大きくなると考えられるので、顔に鍼をしていない鍼灸師でも美容に大きく貢献することになります。

 

 肌をよくするためには、やはり身体の状態をよくしないといけないというのが前提になりますね。

 

・美容鍼灸はリスクがあるのか

 美容ということを考えたときに、見た目をよくするということが前提になるので、内出血をすれば、見た目が悪くなってしまうために、内出血は大きなリスクになります。通常の治療の中では内出血がリスクとして大きくなることはないのですが美容では大きなリスクになります。

 

 美容鍼灸では顔面部に多くの鍼を刺すことになるので、リスクがあがるとも言えます。内出血を起こさないということで話しを聞くことがあるのですが、物事には100%は存在することがないので、顔面部に多く鍼を刺せば、内出血リスクは高まると考える方が自然ではないかと思います。

 

 そこで、顔面部の鍼は最小限ややらずに、頭部や頚部を中心に施術をするというのは最もで、私自身も美容で鍼を加えるのであれば、顔面部以外を中心にすると思います。もちろん、シワに対処するのは局所の方がいいかもしれないと考えるので、顔面部もはずせないですけどね。

 

・美容鍼灸の今後の展望

 鍼灸治療はいろいろなものに効果があるという利点があるのですが、受ける側からすれば逆に何に効果があるのかが分かりづらいというのはあると思いますが、美容鍼灸という1点での広告は受ける側には分かりやすくていいと思います。

 

 美容鍼灸に通われている人でも、美容だけではなく、身体を整えた方がいいというのが分かれば、美容という視点ではなく、身体のメンテナンスについて鍼灸を行うことにもなるので、鍼灸師側からすれば通ってもらえる、受ける側からすれば身体の調子がよくなるというメリットがあると思いますし、美容が中心ではなく通うというのもあると思います。

 

 美容鍼灸を例えるなら、携帯電話などの商品とすることもできます。どういうことかと言えば、携帯電話も当初は高くて大きかったものが、普及と様々な会社が参入することにより低価格になり、多機能になっていっているので、同じような状態になるはずです。

 

 これはビジネス用語でいえば、コモディティ化という現象で、大きく普及し価格低下を起こすことを言います。鍼灸が広く普及するということで言えば、いいことでもありますが、価格・商品競争になるので、何かで違いを見出すことが大切になってくると思います。

 

 現在も美容鍼灸だけではなく、他との組合せも行われており、美容鍼灸の商品が多角化してきています。

・高価格の美容鍼灸

・低価格の美容鍼灸

・身体の治療と美容鍼灸

・鍼を多く刺す美容鍼灸

・鍼を少なく刺す美容鍼灸

・顔面部の鍼が少ない美容鍼灸

・フェイシャルを加える美容鍼灸

・鍼通電を加える美容鍼灸

・温熱療法を加える美容鍼灸

・刮痧など他の商品を加える美容鍼灸

と分類することもできるし、さらに組合せることが可能なので、バリエーションは増えていくと思います。

 

 鍼灸関係では多いのですが、院長のスキル・人間性が高く、それ以外のスタッフが育たない・育てられないということで多店舗化することが少ない傾向にありますが、美容鍼灸部門に様々な人達が加わることによって、今後はチェーン化するところも多くなるかもしれませんね。実際に、店舗を増やすというところもあるみたいですしね。

 

 エステティシャンから鍼灸師になる人も増えてきているようなので、エステティシャンを経験しているような人だと美容の産業に強いですし、多店舗を経験している人もいるので、変わっていくことになるのではないかと思っています。

Pocket