慣れるまでは混同しやすくて、意味不明になりがちなのが、気の種類と気の作用ですが、慣れてくると身体の状態を把握しやすく、気という単語だけで身体の状態を把握して説明できるようになります。
・推動作用と気の種類
推動作用が低下すると、気血の循環が悪くなり生命現象が低下をするので、推動作用の低下は原気の不足が生じたことと同じ内容も出てきます。宗気は呼吸、発生、血の運行とも関係するので、推動作用が低下すれば、血の運行が悪くなることはもちろん、呼吸を行うという活動(気が動くことによって生命活動が成立つ)も低下します。
衛気は身体を守る働きがあるので、警備員のように身体を巡回して守っている働きがあるので、推動作用が低下するとこの巡回という動きが低下するので、衛気の働きが低下したのと同じ状態になります。
営気は血の運行と関係するので、推動作用が低下すれば、気血の循環低下も起こすので、営気の障害とも関係します。
・温煦作用と気の種類
温煦作用は身体を温める働きですが、原気は生命現象ということで生きているというのは体温があるということなので、温煦作用が低下すると原気が不足したと言えます。衛気は身体を外部環境から守ることによって体温維持しているとも考えられるので、温煦の低下は衛気の不足が生じるといえます。
温煦作用と関係しやすいのは、原気と衛気になりますが、体温があるから生きているという話しになれば、生命と関わっている宗気・営気とも関係があるとも言えます。
・防御作用と気の種類
防御作用は身体を守る働きになるので、気の種類で言えば、衛気との関係が密接と言えます。防御作用は身体が環境適応できるだけの強さを持つということから考えれば、防御作用が低下すれば、生命力が低下したと考えることが出来るので原気・宗気・営気が不足するとも言えます。
・固摂作用と気の種類
固摂作用は身体の中から漏れないようにする働きということで、固摂作用が低下すれば生命力という力を留めておけないということで、原気の不足や宗気、衛気の不足が生じるといえます。営気は血の運行に大きく関与しているので、固摂との関係が密接とも言えますが、衛気にある発汗作用は身体の中の水分調節に関与するので衛気との関係が密接とも言えます。
・気化作用と気の種類
気化作用は気血津液精などが変化していくことや、身体の中の生理的な変化(水分が尿や汗に変わる)ということから考えれば、精が変化する原気との関係が密接でもあり、体内にある気を発生という音に変えるというのと関わるとも言え、営気が栄養を与えるということは変化を起こしているとも言えるので営気とも関わり、衛気は発汗にも関わるので気化作用とも言えます。
・まとめ
こうやって考えると、身体の機能を気の作用として捉え、では何が不足・問題になっているかというときに、気の種類で考えていくのが気の種類と作用のまとめになります。上記に書いた内容だと煩雑すぎるので関係を国家試験のように簡単にしてしまえば、
・推動作用の低下:営気
・温煦作用の低下:原気、衛気
・防御作用の低下:衛気
・固摂作用の低下:衛気
・気化作用の低下:原気、衛気
とすることも出来ると思います。この気の種類と作用は病気の症状に関して理解していく際には必要になります。
例えば、「小児の夜尿症」であれば、固摂作用の低下がみられていると考え、小児なのでまだ原気が十分ではないので原気を強めるというように、気の種類と作用と分けて考えることが出来ます。
私自身も最初は意味不明でしたが、何度も繰り返して読んでみて理解できるようになったので、段々と理解できるようになればいいのだと思います。