技術の伝え方

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 患者さんの話しで

「スポーツを習うのも、いい人とダメな人がいて、いい人に当ると技術が向上するのですよね。」

という話しをされ、そこから技術の伝え方はどうすればいいのかという話しになりました。

 鍼灸も技術職ですが、後輩などに伝えるときに、どう伝えていいのか悩むことが多いです。いろいろな方に教わるときも、その時の集中力や悩みと関係するのでしょうが、すごく入ってくるときと、全く入ってこないときがあります。

 

 いろいろな話しをしていて、伝え方が上手な人と伝え方が下手な人に分かれるのは事実だと思いました。伝え方が下手な人が鍼灸師としてダメかと言えば、そういう訳ではなく、指導に向かないのかもしれないと思います。

 

 伝え方が上手な人でも、指導が得意・実践が得意と分かれていると思います。指導が得意な人は、技術の指導者として適しているでしょうし、実践が得意な人は実践の場(スポーツならば高レベルの選手)と指導とどちらにも対応できるので、仕事が多くなっていくと思います。

 

 それぞれの分野に突き抜ける人もいますが、全部の分野に秀でる人もいるので、そういった人は本当に凄いなと思います。そういった方は、自分はできていないということを話すこともあるのですが、どのような頭の構造をしているのか気になることがあります。

 

 多分、そういった方は、難しく考えるのではなく、その時にやらなければいけない本質も捉えて、一つに絞ってから、周りに足していくのかと思います。

 

 文章のイメージで言えば、結論があって、そこから文章を展開していく形だと思います。そう考えると、論文型とも言えますね。論文はたまたま発見したということもあるでしょうが、「こうではないか?」というのを立証していくことが中心になるので、結論を決めてから派生するのは論文型と考えられます。

 

 まれに小説型の人もいますね。結論が分からないけど、何か引きつけられる感じがあり、ついて行ってしまう場合は小説型になると考えられます。

 

 どちらのパターンも伝える側にはいますが、どちらが好きというのは人の好みによって変わりますね。

 

 論文型の伝えるのが上手な人は、相手に伝えたいことが最小限なので、受けている側も入りやすいので分かりやすい状態になるのではないかと思います。かわって、小説型の人は、伝えるときに感情を上手く刺激をして興味が続くようにすることで、受けている側が楽しいという気持ちになり、分かろうとすることで分かりやすい状態になるのではないかと思います。

 

 凝り固まった考えで、それをただ押し込むのは、入っていきづらいのですが、どうしても同一のことをさせようとするときは、押し込み型の指導をしてしまいがちになるのだと思います。

 

 患者さんに何かを伝えるときに、ついつい専門用語が多くなってしまいがちなので、相手に合わせて、分かりやすく話をできるようになりたいと思います。そのためには、相手の知識などを確認しながら、伝わる言葉を選ぶのも大切だと最近は感じています。

 

 最近は、いろいろな患者さんと話しをさせて頂くことで、相手の話している敬語などが自分にも見に付いていくのも感じるので、相手の話し方も学ぶのが大切だなと思っています。

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