治療が終わった後の指導で、患者さんにストレッチを勧めることも多いでしょうが、ストレッチは身体に取って本当にいいのでしょうか。患者さんと話をしていて、いいか・悪いかという話になったので、その内容を整理してみたいと思います。
1.ストレッチとは
ストレッチは、筋肉を伸ばす動作であり、硬くなってしまった筋肉を伸ばすことによって緩めると考えて行うので、スポーツの現場、治療で多く使われている方法になります。
筋肉は、イメージとしてはゴムのようなもので、鍛えればゴムが強くなるので、筋力があがります。縮めたままだとゴムが硬くなってしまうので、伸ばしたり、縮ませたりしていれば、ゴムは強度と柔軟性を持つことができると考えています。
2.ストレッチは身体に悪い
ストレッチ自体は、筋肉を緩ませる方法として使われることがあるのですが、ストレッチが悪いという話も数年ごとに出てくる話になります。
何故、そういった話が出てくるかと言えば、筋肉が緩まってしまえば、運動しようとするときに、すぐに筋力を発揮することが出来ないので、パフォーマンスが下がると言われます。
そのため、スポーツを専門的に行う場合は、アップによって筋肉もしっかりと温めてから伸ばしやすい状態を作り、筋肉を緩めるストレッチを行うのですが、身体も冷え、筋肉も緩んでしまうので、もう一度アップをして身体を温め、筋肉の緊張を高める必要があります。
トッププロであれば、アップ、ストレッチ、アップと行って、さらに動作強度を段々とあげていくことによって、筋肉の緊張を高めてから100%の力を発揮していくので、運動をしようとすると非常に時間がかかります。
学校スポーツや趣味のスポーツであれば、運動するまでの時間で1時間取るのは大変なので、ここまで行わないことが多いです。このアップをもう一度する時間を取るのが大変だということで、ストレッチが邪魔になってしまうという考え方も理解は出来ますが、私の感想としては、ストレッチは入れた方がいいと思っています。
もし、ストレッチやアップの時間を短縮せざるを得ないのであれば、行うストレッチの種目を減らすのがいいのではないかと思います。丁寧なストレッチは就寝前に行うようにすれば、運動時間を短縮しなくて済むのでお勧めです。
ただ、一人でストレッチをするよりは、人に行ってもらう方がよく伸びるので、本当はペアストレッチを長くする方がいいですね。
鍼灸治療でも終わった後は、だるくなってしまうことがあるのですが、その場合は軽くストレッチを加えてあげると、動きやくなることもあります。
3.ラジオ体操は身体にいいのか
ラジオ体操を行っている患者さんもいますが、運動習慣が他にない方は、続けていれば効果も出てきていいと思うのですが、反動をつけるような動作が多いので、筋肉や関節を痛めやすいので、本当は、すこしずつ行うようにしていった方がいいと思います。
ラジオ体操は第1~3までありますが、段々と運動強度があがっていきます。通常は第1で十分だと思います。身体に取っては、突然の刺激は悪くなることがあるので、やるのであれば継続が大切になります。
4.私のストレッチ
私は運動を遊び程度で運動をすることがあるのですが、その場合は、軽くストレッチをしてから、運動を少しずつ始めてだんだんと強度を高めるようにしています。
学生時代のように激しいスポーツをすることがないので、本当に少しずつ運動強度を高くしていって、70%程度の運動強度にするようにしています。100%まで使って運動をすると、疲れや爽快感はあるのですが、仕事に影響してしまいますからね。
寝る前にストレッチを行うこともあるのですが、風呂あがりで筋肉が十分温まった状態で行うことが多いです。運動で身体を温めてストレッチをする時間がないので、風呂あがりを使うようにしています。
本格的にストレッチを行うと、1時間かかってしまうこともあるので、その時の体調や時間に合わせて行っています。