運動器疾患でも東洋医学治療を行う

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 鍼灸の勉強をすると東洋医学の治療を行いたいという方が多いですが、実際に使おうとしたときに、どうやって考え組み立てていいのかを悩む人も多ですが、運動器疾患では簡単に東洋医学を使うことができます。

 一番、簡単な方法は経絡(経筋)を使う方法で痛みがある部位に関係する経絡上のツボを使うと出来ます。使うツボは原穴と統一してしまえば、非常に簡単になります。一つの経絡で物足りなければ表裏・同名(手の陽明と足の陽明)は使うことが出来るので、応用することができます。

 

少し知識を加えると経筋の疾患には滎兪穴を使うことができます。慢性なら絡穴、急性なら郄穴とするだけでも治療パターンが作成できますよ。より細かく見るなら書籍があります。

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 それでもよくならないのであれば、痹証を考えることが出来ます。痹証は、行痹(風痹)、痛痹(寒痹)、着痹(湿痹)、熱痹と分けて考えることが出来ます。痹証は痛みとしびれが主体になるのですが、症状によって4分類します。

  • 行痹:遊走の疼痛
  • 痛痹:強烈な痛み、冷えると悪化
  • 着痹:しびれがある痛みで再発しやすい、雨天時に悪化
  • 熱痹:発赤、腫脹、熱感、疼痛

 

 痛みの状態によって痹証の分類をすることができたら、今度は、風・寒・湿・熱に対しての治療を加えれば、立派な東洋医学の治療が完成です。

  • 行痹: 風がつくツボを使う、肺・大腸経
  • 痛痹:命門、関元、腎経
  • 着痹: 陰陵泉、豊隆、脾経
  • 熱痹:大椎、合谷、大腸経

 

と行うと、経脈以外の治療をすることが出来るので、経絡上の治療だけではなかなか改善しない人に対して、痹証の概念を取り入れると運動器疾患でも治療の幅が広がります。

 

 運動器疾患でも例えば、各臓から発生するものもありますが、それを判断するためには、四診のスキルの向上も必要ですし、知識と経験を積み重ねないといけないので、それまでの間は、経絡・痹証で対応しておくと、運動器疾患への対処に仕方にパターンが作れるので、治療をするときでも何をすればいいのか悩み過ぎることがなくなります。

 

 私自身も卒業してすぐに、東洋医学を使いこなすのが難しくて、最初は経絡上の知識のみで治療を行っていました。国家試験を取得しても、資格はゴールではなくスタートラインなので、そこからの研鑽を重ねていくことが大切なのですよね。

 

 経絡での対処以外に何が出来るかということで、痹証を使うようにもなったのですが、手の疾患でも足、足の疾患でも手を使うことが出来るようになりましたし、体幹の経穴を考えることも出来たので、経絡・痹証の知識から治療を行うだけでも治療技術を向上させることができます。

 

 技術が上がると単純な治療でも幅広い効果が出てくるので、初心者の段階では自分の持っている知識と技術をフル活用して、今後に備えるためにも経絡・痹証は使っていくといいと思います。

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