治療の中でどうやってお灸を使うのかは分からないことが多いですが、お灸に関する流派で有名なのは深谷灸法になります。鍼灸の勉強をしたいと話しをすると勧められるものの一つだと思います。
深谷灸法は、深谷伊三郎先生によって作られたものになるのですが、特効穴だけではなく、お灸を行うのに必要な「灸法の基本10項」があるのも特徴です。一般的には竹筒を使う治療法として言われることもあります。
書籍としては、古典解説書の『名家灸選釈義』と『お灸で病気を治した話』(こちらはシリーズ)が有名で、後者は学会などに行くと販売されていることがあります。『名家灸選』は一元流鍼灸術のホームページから見ることができます。
「名家灸選」一元流鍼灸術
他にお灸について知るのに『家伝灸物語』がありますが、こちらは読み物として読むのも楽しいと思います。他には基礎から学べる『図説深谷灸法』があるので、こちらの書籍もお勧めです。
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お灸の基本に関しては、治療に臨むための姿勢もあるので、治療はどのようにすればよいのかを考えるきっかけになると思います。
灸法の基本10項目
- 経穴は効くものではなく、効かすものである。
- 成書の経穴部位は方角を示すのみ。
- 経穴は移動する。
- 名穴を駆使して効果を挙げよ。
- 少穴で効果を挙げるべきである。
- 反応の無い穴は効き目が少ない。(効き目の出ないものは出すようにする。)
- そこが悪いからと、そこへすえても効果は無い。
- 名穴であっても、ただそれだけに効くのではない。
- 灸炷の大小壮数は患者の体質に合わせよ。(熱くないところは熱くなるまですえる。)
- 経穴は手際よく取穴せよ。
竹筒を使う方法は、お灸を消すと表現されることもあるのですが、実際は竹筒を皮膚に強く押し当てると、赤く反応が出るところがあるので、身体の診断に使い、お灸が皮膚に到達するときに、緩和をする道具に使うものです。
基本は焼ききりのお灸なので熱いし火傷をするのですが、竹筒を上手く使うことによって、灸熱が緩和されるので、心地よく行うこともできます。
深谷灸法の講習会は、「灸法臨床研究会」で行っていて、講習会の案内もあります。深谷灸に関する書籍などは「三景」で購入することができます。