身体の動作と臓の問題―五労と五臓

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 身体を傷つけるものとして、労逸という表現があります。労逸は労倦と安逸に分けられ、動き過ぎと休みすぎに関しての話しが出てきます。

 労逸は労倦と安逸は脾の働きを低下させやすいものとして捉えることが多いのですが、これは肌肉と大きく関係します。肌肉は身体のサイズと考えられるのですが、他には、四肢と関係をすると言われています。

 

 例えば、手足が太くなるのは運動(トレーニング)が増えたので、肌肉が増えると言えるのですが、過ぎれば、だんだんと細くなってしまいます。運動をしなければ、手足がやせ細るのは当たり前だと思いますが、これは加齢とともに顕著になります。

 

 こういった点が労逸と脾の働きが関係をしやすいということなのですが、特定の動作は身体の機能を偏って消耗してしまうので、いろいろな動作と臓を対応させ、生活習慣から臓の異常を推測することが可能になります。

 

 五労と呼ばれるのは、以下のものであり、各臓の働きを低下させるとしています。

  • 久行:歩きすぎ
  • 久視:見すぎ
  • 久坐:座りすぎ
  • 久臥:横になりすぎ
  • 久立:立ちすぎ

 歩きすぎるということは、筋を良く使うということで、筋に関係する肝の働きの低下をきたしやすいと考えられます。筋を滋養するのは血の働きでもあるので、歩きすぎれば肝血にも影響が及びます。

 

 見すぎるというのは視作業と考えられるのですが、視力は血と大きく関係しやすいので、視作業が多いと、血の消耗につながり、心血の消耗になってしまいます。現在だと、パソコン、スマホと視作業が多いので、働いている方は久視が影響しやすいと考えられます。

 

 座りすぎということは、運動が減るということなので、安逸とも呼べ、身体の運動を行っていないので、手足がやせ細ってしまい、肌肉が低下したと考え、脾の働きを障害してしまいます。

 

 横になるというのは寝た状態が長いということですが、寝た状態が長いと、気を生成する働きも低下し、身体運動と関わる宗気を用いないので、不足してしまいがちになるので、気の消耗が起きやすく、肺の働きを障害してしまいます。

 

 立ちすぎると、立つのには骨の力が必要になるので、立ち仕事は骨を消耗し、骨を栄養する髄も消耗してしまい、腎の働きを障害してしまいます。

 

 これは非常に東洋医学の考え方をするときにいいものになります。視作業をしている人はサラリーマンには多いので、血を消耗してしまい、心の障害が発生している可能性が高いので、不眠が生じてしまうことがあります。

 

 通常の考え方だと、頭と身体の労働バランスの失調で不眠になると考えられますが、五労の知識で考えると心血の不足から不眠が生じていると考えることができ、他の治療で変化をしなかったときに、治療法を考えることができます。

 

 サラリーマンだと、他には、久坐として運動不足が大きく関係しやすい、肌肉の低下があるので、そういった方には、脾胃の働きを向上させることが大切ではないかと考えることができます。

 

 肉体労働が多い方は、久行が発生している可能性もあるのですが、サラリーマンの営業で歩きまわっている人が該当すると考えられます。

 

 久立は、接客業、飲食業に多く、腎の働きが障害されやすいので、腎と関係しやすい腰がだるい、腰が何となく痛いという腎の腰痛と関係することがあります。久立が多い方の下肢は、皮膚も張っていることが多いですが、腎と関係する湧泉や足底を治療することで大きく改善することがあります。

 

 五労と傷つけるものを覚えるときは、五主・五体で金だけ違うというのを注意するといいですね。

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