めまいの原因―脾胃と湿

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 めまいの原因は腎でも説明しましたが、脾胃や湿によっても発生することがあります。

 脾の働きは頭顔面部に栄養を送る働きがあり(昇清)、顔面部の栄養が低下をしてしまえば、頭顔面部に不具合が生じますが、症状としてめまいが起こることがあります。

 

 脾の働きがあることによって、栄養が送られると同時にゴミが取り除くことができるので、脾の昇清は輸送の役割があります。行きは栄養を送って、帰りはゴミを運ぶと考えてもらうとちょうどいいので、脾の昇清が低下をしてしまうと、不具合が多く生じることになります。

 

 脾の昇清が低下すると、気陥という状態になりますが、めまい、慢性の下痢、よく眠くなる、胃下垂、脱肛、子宮脱が発生してしまうと言われます。この場合のめまいは、立ち上がったときや立っていると悪化をするので、腎と考えやすく、鑑別するのは難しいのですが、腎のように支えている根底とは違うので、立ち上がることはできます。

 

 食後に悪化をしやすいので、一日の中でも変化が生じる可能性が高いので、1日や1週間の中でめまいの状態が変わるのかどうかで考えることができます。複合した状態で発生しやすいのは、脾の昇清が働いていて、濁気を降ろすことができても、胃の通降の働きが悪ければ降りてきた濁気を体外に排出することが出来ないので、濁気が阻滞をしてしまってめまいが生じることがあります。

 

 この場合は胃の弱さによって生じるめまいですが、多くは排便によって軽減することが多いので、胃の働きを強めることが重要になります。

 

 脾の昇清が問題になっているのであれば、百会を用いていくことによって、脾の昇清を強めることができますし、胃の問題の場合は、胃の六つ灸や足三里・上巨虚・下巨虚を使うことによって、胃・大腸・小腸を治療することができますし、胃と関係をする上脘・中脘・下脘をまとめて使うことができます。

 

 これ以外に関係をしていくのが湿についても知らないといけないのですが、湿は停滞するだけでも重だるさを生じてしまい、気血のめぐりが悪くなることが多いので、頭部付近に阻滞してしまえば、頭部の栄養が悪くなるので、めまいになることもあります。

 

 湿の働きは重濁・粘滞・下注性と言われますが、さらに脾の働きを損傷しやすいので、脂っこいものを食べ過ぎてしまったときなどは、湿を取り入れたのと同じことになるので、脾の働きを低下させてしまいます。

 

 脾の昇清が低下をしてしまえば、眠気やめまいが生じることがあります。食後に眠くなるのであれば、脾の働きを食事によって低下をさせてしまっていると考えることができます。

 

 病能としては、湿によって発生と言えるのですが、湿だけではなく脾の働きも低下をしてしまっているので、湿を取り除くことが必要になります。脾の昇清を高めれば、頭部に清陽を昇らせ、濁気を降ろすことが出来るので、百会を使うことができます。

 

 頭部がむくんでいる人に対しては百会に灸が効果的だと言われますが、昇清を高めていくことによって濁気を降ろすことによって効果を発揮すると考えられます。

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