片頭痛の治療

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 片頭痛は頑固なものが多く、頭痛持ちとも言われて、日々の生活に支障が出て苦労をされている人が多いです。

 片頭痛と言うと、片側だけが痛い頭痛になりますが、血管との関係が大きいと言われているので、血管性片頭痛と言われることがあります。血管性以外の場合もありますが、血管によるものが多いということですね。

 

 血管性頭痛の中でも特に、昔から言われているのが、古典的片頭痛と言われる、前駆症状を伴う片頭痛になります。前駆症状は、片頭痛が出る前に、目の前が急にまぶしく感じる閃輝暗点(せんきあんてん))のことになります。

 

 この前駆症状を伴う片頭痛の場合は、前駆症状が出た後に、我慢できない程の強い片頭痛が生じてしまい、痛みで動けないだけではなく、嘔吐をしてしまう人がいます。そのため、こういった片頭痛を持っている人は、前駆症状を感じたら薬を飲んで片頭痛が出ないようにコントロールをしている人が多いです。

 

 患者さんの中には、この頭痛を持っている人がたまにみられますが、疲労が強く生じたときなどに発生しやすいので、疲れを感じたり、忙しくなったりしてきたら来院頻度をあげてもらうようにしています。

 

 治療を継続していると、片頭痛が生じないで過ごすことができるので、継続治療は本当に効果があると感じる疾患の一つですが、治療に通わないでも出なくなるまでは非常に時間がかかるものでもあります。

 

 片頭痛が強いということは、上実が強いと考えられるので、上に瀉法か下に補法を加えることが必要になります。簡単に言えば、上に刺激をするか、下に刺激をするかの話ですが、瀉だろうが補だろうが、鍼灸をすることは同じなので、治療では上下を使うのが大切だと言えます。

 

 上実は上に昇っているものを降ろす治療を加えることが必要なので、降ろす働きが強い、陽陵泉を使うのも重要なポイントになります。足の井穴を使うことで上に昇ったものがおりてくることがあるので、井穴が使われることもあります。

 

 身体の一番下に存在しているツボは湧泉なので、上実が強いときには、湧泉も効果的になります。湧泉はお灸で使われることが多い経穴になりますが、切皮痛と響きが強くでやすいですが、鍼を刺入することもできます。

 

 湧泉が効果的なのは片頭痛が強くて、下肢の冷えがあるようなときには非常に効果を発揮しやすいので、足の冷えを確認しておくことが大切になります。

 

 頭部局所の治療ということを考えた時には、頭部の血流障害が発生していると考えることが出来るので、頭部に鍼を行うことが大切ですが、片頭痛なので側頭部が重要なポイントになります。

 

 例えば、角孫は側頭部にある経穴の一つですが、角孫に水平刺を継続的に行うのも血管性片頭痛に効果的な治療方法になります。血管の走行を考えたら、側頭部の他の経穴も重要になってくるのですが、頭皮は薄いところなので、水平刺を使うことで治療効果を高めることが出来るのでお勧めです。

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