治療をしていると、どうしても来られない人や遠方の人のために、鍼灸院を紹介してくださいと言われることがありますが、おすすめするのは非常に難しいところがあります。

　鍼灸院は一人で開業している人が多く、独自のスタイルのことが多いので、どういったやり方や考え方をしているのかが外から分からないことが多いので、遠方に関しては紹介するのが難しいことが多いです。

　流派や学会に所属をしていて、全国の先生と交流を取っている場合は、自分の知り合いの先生のところというように紹介をできるでしょうが、それでも全国の市区町村全ての先生が来ている訳ではないでしょうし、なかなか情報を得るのが難しいことがあります。

　この質問の難しさは、「美味しい飮食店はどこですか？」という質問と同じぐらい難しいところがあります。自分が知っている範囲は限られるし、ネットや書籍を見て、知っていても、行ったことがなければ、保障することは難しいですよね。

　いい治療院・いい病院とまとまっているものは、本当にいい物を載せている場合もあるでしょうが、広告費を取って載せている場合や知り合いだからという理由で載せられている場合があるので、「良さ」が分からないですね。

　私が紹介する場合は、何となくやっていることを知っている先生や業界で有名と言われる先生の名前をあげることがありますが、それでも合うか合わないかが分からないので、自分が見た人以外は紹介するのは難しい傾向があります。

　鍼を刺されるのが非常に苦手な方は、鍼を沢山刺すところは治療効果よりも苦痛のことが多いでしょうし、沢山鍼を刺されたいという人が刺されないところに行って、満足感が低くなってしまうと、その治療院の評判も悪くなってしまうので、簡単に紹介できないことが多いです。

　鍼灸と言っても、道具が沢山あり、治療方法が人によって変わってしまうので、紹介するのが難しいと伝えることが多いです。飮食店のように和食・中華・イタリアンという分かりやすい表記であれば伝わるかもしれませんが、鍼灸だと「鍼灸」以外に形容するのが難しいですしね。

　たまに紹介することがありますが、その場合は、症状を伺って、自分が知っている先生がいる場合にだけ紹介します。結局、知っているところしか紹介することが出来ないので、治療者の人脈次第になってしまうことが多いですね。

　患者さんから言われたりしたら、その地域の治療院をインターネットで検索をして調べることがありますが、その際に注意をしている点があるので、そこを見てもらうようにしています。

　鍼灸院なのか鍼灸整骨院なのかによって変わることがあるので、鍼灸院を求めるのであれば、鍼灸整骨院ではなく、鍼灸院にした方がいいと伝えています。鍼灸院のホームページがあった場合は、その治療院で働いている人の略歴は見た方がいいので、略歴をみて、働いてきた経験や患者さんの声を見てもらって、どのような治療が得意そうなのかを考えてもらうようにしています。

　細かいところが分からないのは当然なので、首肩コリが多ければ、運動器に強いところで、婦人科や内科症状についての記載があれば、消化器系などにも対応できると考えてもらうようにしてもらっています。

　ブログがあればブログを少し見るだけでも、会話のときに話す内容が想像できるので、ブログも見てもらうように話します。後は、電話で一度、治療について相談をしてもらったときの対応で決めてもらいます。

鍼灸院の場合は、一人で経営していることが多いので、治療しながら電話対応になるので、長くは相談できなくても、「この症状の治療はしてもらえますか？」という質問をするのがいいと思います。電話対応であまりにもずさんな対応だと、治療でも出ることがあるので、電話で少し話すというのも重要だと伝えています。