鍼灸の治療をするときにシャーレを使うことが多いですが、鍼管はできるだけ少なくしておくとミスが起きにくくなります。
学生時代に友人がシャーレを使っているのを見て、使った鍼管をシャーレに置くと、鍼を取るに時間がかかりますし、鍼を取ろうとして鍼管が邪魔ですぐに取れないと、鍼をどかしたり、鍼管をどかしたりするので、その時に、鍼が指先にひっかかってしまうことやシャーレから鍼が落ちてしまうことがあります。
現場で使用するのはディスポーザブルのことが多いですが、ディスポーザブルの鍼を使うたびに鍼管を置いておくと、どんどんと鍼管が増えて危険性が増してしまいます。必要であれば一つだけ残して捨ててしまうことが大切ですし、私は、鍼管付の鍼を1本だし、後はシャーレに使う鍼だけを出して、シャーレから鍼を取って片手挿管をしてから鍼を使うようにしています。
こういったことを行うためには、最初に使う鍼の本数を決めることが重要になってきますが、いつも同じ鍼の本数を出すようにしておくと、鍼を廃棄するときに数え間違いがしにくくて鍼がなくなってしまったかもという勘違いがなくなります。
鍼管をだしておけば、鍼管と同じ数だけ使ったのが分かって便利なことはありますが、シャーレには置かない方がいいですね。
本当にちょっとしたことなのですが、ミスを起こさないためには準備が重要になるので、治療をするに当たり、準備をしっかりと考えておくのが重要だと思っています。何事も準備が大切だと言われますが、その通りだと思います。
部屋でも脱いだもの、買ったものをそのまま置いておいて、さらに洗濯したものをそのまま置いていくと、部屋の中が散らかってしまいますが、散らかったままだと、何かの物を探すのに時間がかかるし、分からなくなることが多いですよね。散らかっていても、其の人に法則性がある場合は、すぐに出てくることもあると思いますが、鍼灸で使う鍼は、非常に細くて短い物が多いので、散らかった状態だとすぐにどこかにいってしまいます。
私は家で自分に鍼をすることが多いのですが、ちょっと落ちたりすると、どこかにひっかかったりしてしまって、探すのが非常に大変だというのもよく経験をしています。家で自分に鍼をしているときは、患者さんをやるときのように注意をしていないし、パソコンや携帯、書籍を読みながら行うことが多いので、何本の鍼を使ったのか数えていないことが多いので、すぐに分からなくなってしまうことが多いです。
頭部の鍼だと、そのまま歩いて作業が出来るので、気づいたら鍼が落ちていたというのもよくあります。鍼を頭顔面部に刺したまま宅配便を受け取ろうとして慌てて抜いたこともあります。
そのまま出てもいいのかもしれないですが、頭顔面部から鍼が沢山出ている人が、家の中から急に出てきたら、びっくりするでしょうし、鍼のイメージにもつながってしまうので、気をつけています。
自分に鍼をしていて、一番危険なのはそのまま寝てしまうことですね。鍼をしたまま心地よくなって、ちょっと寝てしまうことがあるのですが、その時に宅配便が来ると、呼び鈴で目が覚めて、出ようということに気を取られて、鍼が入っていたのをすっかりと忘れてしまうのですよね。これで、何度か鍼が曲がってなかなか抜けなくなってしまったり、痛くなってしまったりという思いをしたことが度々あります。
大分、話がそれてしまいましたが、集中していない状況や雑然とした状態ではミスが起こりやすいので、治療院の中は清潔にしておいて、整えておくことがミスを防ぐ上で重要なことになります。
安全性を考えるのであれば、鍼管が1本で何本か鍼がまとまっているパックの鍼は何本使ったのかということを考える必要もないですし、ゴミも少なくなるので、シャーレ周りが綺麗な状態を保てるのでお勧めですね。
数本の鍼を無駄にしてしまうことがあるかもしれませんが、リスク管理をするための経費と考えれば安い買い物になります。鍼がパックになっているものは、1本1本の個別包装の物よりも安価なものが多いので、普段に使う鍼が大体決まっているような人は、パックタイプの鍼を使うことをお勧めします。
今はシャーレ付きのまとめパックもあるので、それであれば、一人の治療で開けて、そのまま廃棄できますし、他に使いたい鍼があれば、それだけ個別で出すようにしておけば、管理が非常にしやすくなります。