マネーショートとブラックスワン

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 最近、公開された映画のマネーショートを見に行きたいと思っています。この先の文章はネタばれが入るので、気になる人は見ないようにしてください。ブラックスワンは書籍の名前ですが、こちらもネタばれが入るので、気になる人は見ない方がいいですね。

 

 

 ブラックスワンは、黒い白鳥という意味になり、もともとは書籍の名前としても存在しているものになります。白鳥は白いという当たり前の学説が、オセアニアで発見をされた黒い白鳥によって、それまでの“白”という概念が覆されてしまいます。

 

人の考えや理論というものは、理論で固めたとしても、全く違う理論が存在する可能性があるので、ふとしたことで全て崩壊をしてしまうことがあるために、“理論とは何か?”について考えるきっかけにもなりますね。最初に書籍を見たときにはよく分からないと思っていたのですが、読んでみて、自分の中で感動も生まれた書籍です。難しいことを書いてあるようですが、意外と簡単に読めてしまいますよ。

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 マネーショートはリーマンショックで勝利をした人達の話なのですが、世間一般ではリーマンショックなんて起こる訳がないという思い込みがあり、誰も気づかなかったところに気づいた人の話です。

 

 誰も気づいていないことに気づくなんて天才かもしれないと思うところですが、実際にはふとした疑問から調べて、金融ショックが来るというのに気付き、周囲の人に話しをしながら協力をしてもらおうとしても誰にも相手にされずに、時間だけが過ぎていくので、自分の考えに疑心暗鬼になっていきます。

 

 自分が信じたことが駄目かもしれないというのは、精神的に辛いものでもあるので、どういった演技をするのかも気になるところです。

 

 まだ見てもいない映画なのになぜ、内容を知っているかというと、原作の翻訳を読んだことがあります。少し読みにくい文章だったし、金融の専門用語が多くて分からないことも多数ありましたが、自分を信じることの大変さが身にしみましたね。もちろん、信じられるだけの勉強は必要ですけどね。

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 マネーショートでは、金融ショックなどが起こるわけがないと考えていたのに、実際に起きてしまったので、ブラックスワンが居たという状況が発生をしていますね。アメリカだけではなく、世界中の歴史を見ても、金融ショックは何度も生じているので、人はブラックスワンに気づかないで生活をするクセがあるのではないのでしょうか。

 

 日々の生活の中では、自分が正しいと考えて行動することが多いですが、その中にもブラックスワンが存在するのではないかと考えると、自分の考え方が大きく変化をすることがあると思うので、考え方の多様性は捨てないようにしていきたいと思いますね。

 

 ただ、考えた内容の反対や予想外のことまで考えたら、キリがないですし、行動することが出来なくなってしまうこともあるので、どこかで区切りをつけないといけないですね。

 

 世界中で金融に関わる人たちは、優秀な人が多いと思いますが、それでも凡人の私などと同じようにブラックスワンに気づかないことは多いのだなと思うと、人間は大きな違いってないものなのかなと感じますね。

 

 自分の分野と違う本を読むのは時間の無駄になると考える人もいるのでしょうが、自分が考えられない範囲のことを知るきっかけにもなるので、私自身は分野を決めずに、気になった書籍や映画を見るようにしています。

 

 と言っても、映画は年間で1回見るかどうかなので、知識を深めたり、広げたりする効果としては少ないですね。

 

 映画好きな患者さんと話をしていて、マネーショートは既に見たということですが、信じた通りに物事が進まない辛い状況をうまく演じていたので、金融の用語は分からなかったけど、いい映画だったと言っていましたね。

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