二間と言えば、ものもらい(麦粒腫:ばくりゅうしゅ)に対する特効穴として有名です。
ものもらいに二間というのは「澤田流太極療法」の中で書かれている内容になります。ただし、通常の時間と場所が違うので注意が必要なのですが、澤田流二間は、PIP関節橈側で横紋の端になります。この部位にお灸を加えていくと、ものもらいの腫れによる痛みと痒みがお灸をしている時から軽減をしていって、何壮か行っていくと少しの発赤と腫脹が残っても、かなり軽減をするのでお勧めの場所になります。
通常の二間はMP関節遠位橈側になるのですが、こちらの二間でも、ものもらいは軽減することが多いです。例えば、ものもらいの患者さんがいたら、澤田流二間と通常の二間を交互に触れていき、その時毎に、患者さん自身のものもらいを触れてもらって、どちらの二間を圧迫したときに痛みが軽減するかを教えてもらうと、治療効果が高い方が分かります。
二間の意味は、二は第2節という意味で、間は場所や隙間という意味があります。そのため、二間は陥凹部に存在しているということが分かるので、二間付近を擦ってみて、可能している場所が二間になります。
二間は大腸経の流注に対しての治療効果があるのはもちろんなので、手関節橈側、前腕橈側、上腕外側にかけての痛みを軽減させる働きがあります。大腸経は顔面部にも流注しているので、顔面疾患に対しても効果的なツボとも言えます。顔面部の治療に関しては、「顔面は合谷」の方が有名ですし、治療効果が高いと言われているので、顔面部の疾患に対しては合谷を用いることが多いと思いますが、腫れや熱があるときには二間の方が効果的なことがあります。
大腸経は排便とも大きく関係をするので、体内に停滞したものがあるときには積極的に用いていくと、停滞したものを体外に排出させる働きがあり、体内の状態を正常に保つことが出来ます。
ものもらいも、発赤・腫脹が発生しているので、熱が阻滞していると考えることが出来るので、二間を用いることによって、体内に阻滞している熱を便として排出することによって治療効果を発揮します。
二間を使うことによって、速やかな効果が得られるときもあるのですが、体内で起きていることを考えると、何度か排便を繰り返すことによって、身体の中に停滞しているものを排出させることが出来るので、症状が出なくなるまでには、早くても数日は必要になっていきます。
二間に鍼を刺入しようとしても、皮下の下がすぐに骨になってしまうので、刺入すること自体が難しいのですが、水平刺であれば、少しは刺入することが出来ます。二間から三間にかけて刺入をしようとすると、関節部を超えないといけないので難しいです。そうなると二間に水平刺を用いるのであれば、二間から指先に向けて刺入する方がやりやすいと思います。水平刺のやり方などについてはこちらを参考にしてください。
他の体表部位よりは若干ですが、火傷をしにくいので、お灸の方が使いやすいと言えます。火傷をしにくいと言っても、火傷をしないという意味ではないので、もちろんお灸を使うときには注意が必要なのは、他のツボと同じです。お灸と火傷についてはこちらも参考にしてください。
指揉みで対応する場合は、二間をしっかりと押さえて、手背側・手掌側に、こりこりと動かすようにすると、非常に細かい繊維を触れることが出来るので、その細かい繊維を骨からはがすようにしていくと効果がみられることがあります。
指のマッサージを行うのであれば、二間などの部位までも細かく行っていくと、肩こりも改善することが多いので、治療の最初の段階では末端部から施術に入っていく方が、その後の治療が楽にいくことが多いです。