鍼灸を受けるとおならをしたくなる

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 鍼灸治療を受けると、おならをしたくなることがありますが、そういった反応は異常な反応ではなく、正常な反応になります。

 正常な反応だとしても、人前でおならをするというのはためらわれることがあるので、どうしてもおならが出そうでお腹が痛くなるようであれば、治療中でもトイレに行きたいということで、トイレにいくのもありです。

 

 治療中は、トイレを躊躇する人もいるでしょうが、身体の生理的な働きになるので、おならだけではなく、排尿・排便をしたくなったら、治療者に遠慮なく話した方がいいですよ。こちらとしては、悪い反応ではなく、いい反応として捉えるので、トイレに行きたくなりましたと言えば、快く対応してくれると思います。

 

 東洋医学の特に鍼灸治療ではお腹の圧痛や硬結を診て治療することがあるのですが、おならや排尿、排便が行われると、圧痛や硬結も変化をすることが多いので、治療の判定にも役立つので、治療中にお腹が動いて出したい場合は、出した方がいいです。

 

 鍼の治療では刺入をすることもありますが、体表部に刺激を加えていくことによって、身体の知覚神経が刺激を受けて、それが脊髄・脳に伝わることによって、内臓の働きを調整することになります。

 

 これが東洋医学の治療メカニズムを現代医学で考えた治療効果の発現の仕方になり、体性内臓反射とも言われています。

 

 鍼灸だけではなく、手技療法でも治療を行うと、お腹がゴロゴロと動き出すことがあるのですが、体性内臓反射がしっかりと働いて、身体の機能が変わるきっかけになるので、治療中にお腹がゴロゴロと鳴ったとしても、こちらとしては嬉しい反応になります。

 

 あまりにもゴロゴロ鳴るようだと恥ずかしがる人もいますが、もし治療を受けてお腹がゴロゴロと鳴り、恥ずかしいような気持ちになったら、「鳴りすぎて恥ずかしいですね」という発言をすると、「正常な反応なので、いいことですよ」と言われることが多いと思います。

 

 東洋医学ではお腹は重要なところと考えていますし、経絡がつながってくるところなので、鍼灸治療で刺激をすると、お腹の状況が変化することが多いです。日常生活でも食事を取らないという日がほぼないように、お腹は毎日何度も働いているところなので、日々の疲れも出やすいと考えていきます。

 

 食事での疲労だけではなく、ストレスや忙しさなどがあると食欲の増減もしやすいように、ちょっとしたことでもお腹の調子は大きく変わるので、身体の体調を判断するのに適した場所になります。

 

 そういったお腹の調子が悪くなった状態として、圧痛と硬結が発生していき、その状況を診ていくのが東洋医学になるので、お腹がゴロゴロと動いてくれたときには、治療効果が出ると感じられるので、治療者に取っては非常に嬉しい音でもあります。

 

 普段から何もないときにお腹がゴロゴロ鳴りやすいという人は、お腹の調子が悪いと考えていくのですが、治療を継続していくと、お腹が鳴る状態が減っていくことが多いです。

 

 調子が悪いと、お腹の動きが悪くなるのがよくあることで、気血の停滞が生じていると考えていくのですが、治療を行うと、気血の流れがスムーズになるので、お腹の調子がよくなっていくと考えています。

 

 お腹の気血の停滞が多い方は、普段からお腹が張りやすいという傾向がある人も多いのですが、こういった方はお腹の動きが悪くなっていて、ガスがたまりやすい状態にもなっているので、治療中・後におならが出やすい状態になることが多いです。

 

 ストレスがたまっている人は、お腹にガスが貯まることが多いので、お腹が張って苦しいなと感じたら、ストレスが過大にかかっていると考えるといいですし、ストレスが過大になってきているので、ストレス発散を考えた方がいいですね。

 

 女性だと月経前にお腹が張ることが多いですが、月経前は気血の動きが停滞してしまうことが多いので、お腹の張りが生じてしまっています。月経がくると、出血とともに気血の動きが活発になるので、月経後にお腹の張りが改善することが多いですね。

 

 お腹が張っているときに治療を受けると、お腹がゴロゴロ鳴ることはもちろんですが、ガスが抜けようとしておならがしたくなることは非常に多いので、治療中におならがしたくなったらトイレですぐに出すようが、身体も楽だし、治療効果が高まることが多いです。

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