関元は同性同士の治療では使うことができますが、異性だと治療で使うのに躊躇をするツボの一つですが、治療効果も高いので、セルフケアとしても重要なツボです。
関元は、小腸の募穴で足の三陰経が交わる経穴になるので、三陰交と関元を使えば、脾・腎・肝経に対しての治療効果も期待できます。関元は丹田とも言われることがあり、生命力と大きく関係する部位になるので、先天の精が変化して出来る元気があるところだと言われます。
元気・精と関係をすることから、生殖器の疾患においても使えるところになるので、不妊治療や月経異常に効果を発揮しやすい経穴になります。男性においては精、女性においては血があるところとも言われるので、生殖器の働きでは重要な部位になります。生殖器の疾患では三陰交・関元を合わせて使うのが効果的だと言えますね。
膀胱にもつながるところになるので、排尿障害があるときにも治療効果が高いところです。排尿障害として使うのであれば、三焦の下合穴である委陽を加えると治療効果が高いですが、その場合は膀胱の募穴である中極を使った方が治療効果は高くなりますね。
名前の由来は「気が始まる元に関わる」ということから関元になったと言われています。元気と繋がっていくだけではなく、衛気が下焦に出てくるところなので、身体に取っては非常に重要なツボですね。
ここまで書いていくと、異性に使いにくいということ以外は全て良さそうじゃないかとなりますが、ほとんどのツボは長い歴史の中で使われてきているので、いろいろな効果があったというのが分かっているので、ツボの効果は多いですね。
ツボの効果を知って、治療に使っていくためには、上記にも出てきたように気の話しや精についても知っておくことが大切で、臓腑の働きに対する知識も必要になるので、復習として知っておいた方がいい内容はこちらを参考にしてください。
「気の種類」
「蔵象とは何か?」
「腑の働き」
関元は鍼での治療もいいのですが、お灸を行うとお腹が温まるだけではなく、下半身が温まる感じも出て、冷え症の人に対する治療としてもいいですね。ただ、異性に対しては治療として使いにくいのもあるので、そういった場合には、気海や神闕に代えることがあります。生活指導として、低温火傷に注意をしてカイロを貼ってもらったり、腹巻をしてもらったりするのは効果的なので、勧めることが多いです。男性が女性を治療する場合には注意するべきことについてはこちらを参考にして下さい。
お腹の調子が悪いときや下痢があるときには関元に透熱灸を10~20壮行うと、効果があることが多いので、治療のときだけではなく、自分のセルフケアにも使っています。透熱灸がいいのですが、火傷が心配になる場合には、こちらのブログを参考にしてください。
関元に透熱灸を行うだけではなく、透熱灸に自信がない場合は、棒灸や灸頭鍼も効果的なので、棒灸や灸頭鍼を使うのもいいですよ。棒灸や灸頭鍼に関してはこちらのブログを参考にしてみて下さい。
鍼を刺入していくと響きは局所に出ることが多いのですが、右足なら右足の方向に向けて斜刺で刺入をすると右足に響きが出ることがあります。刺入深度としては1~2㎝程度で感じることが多いので、寸3か寸6の鍼を使うことが多いですね。鍼の響きなどに関してはこちらを参考にしてください。
「鍼のひびきとは」
「斜刺の治療効果」
腹部に吸角を使うのは美容では行っても鍼灸師の人がやることは少ないのではないかと思いますが、腹部に吸角を行うと、お腹がすっきりするだけではなく、呼吸もしやすくなることが多いですよ。吸角の効果などについてはこちらを参考にして下さい。
「吸角の効果」
いろいろな道具も使えると、どういう使い分けをするのかが気になるところですが、お腹が冷えているときや下痢があるときにはお灸が効果的だと思います。鍼を使う場合は、火傷をさせられないときや腹部の硬結を緩めたいときに効果的だと思います。
息切れや吸いこむ力が弱い人は、吸角を用いた方がお腹全体の動きが変わることが多いのでお勧めの方法です。棒灸は置いたままでも治療ができ、気持ちがいいのでセルフケアを含めてお勧めなのですが、煙が多いのと時間がかかるのが難点ですかね。
お腹は鍼をした後に内出血をすることがありますが、内出血の後は大きく広がることも多いので、内出血をしたときには患者さんに大き目の物が出来る可能性をしっかりと伝えておくことが大切です。内出血に対する対処法に関してはこちらを参考にしてください。