国家試験で覚えないといけないことは非常に多いですが、八会穴は国家試験で覚えないといけないものですが、治療としても便利なので覚えておくのがいいですね。
八会穴の八は、臓・腑・気・血・筋・脈・骨・髄の8つのことであり、“会は会合”という意味があるので、臓腑気血筋脈骨髄という8つと関係をする経穴ということになります。
- 臓会:章門
- 腑会:中脘
- 気会:膻中
- 血会:膈兪
- 筋会:陽陵泉
- 脈会:太淵
- 骨会:大杼
- 髄会:懸鍾
この8つの物は東洋医学で考える身体に取って重要なものになるので、治療する頻度も高かったためか、効果的なところということで『難経』四十五難に記載があります。『難経』での記載では、熱病にかかってしまったときに、治療として用いるものとして紹介をしているので、発熱・鬱熱から発生したものには非常に効果が高いと考えられます。
基本的な用語も多いので、疑問に思う人は、下記のブログを参考にしてください。
「気の種類」「気の作用」「血」「筋(五体)」「臓器と臓腑の違い」「髄(奇恒の腑)」
学校の教科書には、原文の記載もないですし、こういった話しを授業で聞いたかさっぱり忘れてしまったので分かりませんが、治療としての使い方よりも国家試験用として覚えたような気がしていますね。
臓腑の治療として考えたときに、中脘で全部対応できそうな気がするのですが、章門が入れられているのが面白いですね。腹部疾患に対して使って章門を使ってみると、お腹全体が緩み、腹部疾患も改善することが多いので、効果的だなと感じました。ただ、章門は第11肋骨の先端部分にあり、側腹部にあるので、触るのもくすぐったくて触りにくいし、治療として用いるのは結構大変ですね。
臓の治療は背部側、腑の治療は腹部側という考え方もあるので、お腹側が中脘で腑会というのは納得がいくのですが、臓会は側方でいいのかなと思ってしまうところなのですが、治療効果からしたら納得できますね。
気が不足をすると、原気がなくなり、背中が丸まったような状態になってしまうことがあるので、腹部だけではなく胸部も丸まった感じになってしまうので、膻中を使うと背筋も伸びやすくて私としてはイメージがしやすいです。
膈兪は腹部の調子が悪い人では反応が見られやすい場所でもあり、お腹の調子が整うと気血の生成がスムーズになるので、これもイメージがしやすいですが、臨床で患者さんを触っていないとイメージがつきにくいですね。
陽陵泉は自分で筋疾患に使ってみた実感があるので今はイメージしやすいですね。筋疾患なので運動器が関わる疾患には対処がしやすいので、日々の臨床の中で使いやすいものですね。
脈会である太淵は、橈骨動脈上に存在している経穴なので、鍼を刺入していくと、橈骨動脈に鍼が触れて、動脈拍動に従って鍼が動くので、脈との関係では分かりやすいですね。
骨会の大杼はイメージがつきにくいのですが、骨折があった人の大杼を触れてみると、硬結が存在していることが多いので、骨との関係があるのだなという印象と治療効果は体験しているのですが、何故、大杼なのかというのは疑問のままですね。
髄会は懸鍾と言われていますが、髄だけだと非常にイメージがしにくいと思うのですが、髄の問題は、すねのだるさや健忘につながるので、足がだるい人や忘れっぽくなった人に効果があります。下腿の胆経に鍼をすると下肢のだるさが改善することが多いので、これはイメージがつきやすいものです。
自分の中のイメージと一致するものとしない物がありますが、使っていると効果を実感できるものもあるので、そういった点では昔の人達はよく考えてきたし、しっかりとまとめているのだなと感じます。
臨床で身体を触っていると効果が高いだけではなく、硬結や痛みが出やすいところにも八会穴が一致をしているなという印象があるので、そういった点では、痛みや症状という現象から八会穴を考えたのか、治療効果から考えたのか、知識から考えたのかが非常に興味があるところですが、八会穴を決定した人達に会える訳ではないので、考え続けてみようと考えています。