東洋医学の治療で体質改善を図るという話がよく出てきますが、体質改善をするためには時間がかかります。

　体質は生まれてきたときの体質と生まれてきてから作られる体質があります。前者を先天的な体質、後者を後天的な体質と表現することが出来ますが、後者は生活習慣によって作られる物なので、生活習慣を改善していけば、体質を改善していくことが出来ます。

　生活習慣の改善と言っても、人によっても違うでしょうが、数日～数年かけて作られた体質なので、最大で同じ年月かけての治療を考える必要があります。もちろん、劇的に改善をすることもありますが、ほとんどの場合は、作られた期間の半分か四分の一の期間で考えた方がいいですね。

　治療効果については人によっても大きく変わってしまうので、一例として出すことは難しいですが、体質を変えるのには時間がかかるというのは、どんな人でも同じになっていきます。

　例えば、肥満が生じた場合は、運動をしない生活・食べ過ぎる生活を続けたために、肥満になってしまっているので、急激にダイエットをしてしまえば、すぐにリバウンドをしてしまい、ダイエットを始める前よりもひどくなってしまいます。

　肥満から脱却するのであれば、生活習慣を改善して、運動をして食生活に気をつける生活をしなければいけないので、長い期間を使って改善をしていくしかないです。

　先天的な要素も関係をしますが、糖尿病などの生活習慣病は後天的な生活習慣に作られていくものなのですが、酷くなってしまうと、元に戻ることもできなくなってしまうので、後天的な体質でも身体に取っては大きな問題になることがあります。

　先天的な体質を改善するのであれば、本当に腰をすえて長い期間をかけて改善をしていかないといけないですし、場合によっては、気をつけるだけではなく、治療をずっとし続ける必要も出てきます。

　例えば、車は壊れないように作っていますが、時間が経つと劣化をするので、壊れないようにメンテナンスを行いますが、先天的な体質を改善するのであれば、手をかけ続ける必要がありますね。

　もちろん、治療を使わなくても自身で注意をしていれば改善をしていくこともありますが、医者の不養生と言われるように、どんなに知識や経験があっても、継続することは非常に難しいので、ある程度は外部の力を借りる方が楽ですし、続くことが多いですね。

　体質改善に関しては治療の頻度はその方の目指したい状態や身体の状態によっても大きく変わってくるので、治療者と相談をして、しっかりとした計画の立案と実行、改善が重要になっていきます。

　一人で体質改善を行っていくのは本当に大変なことなので、誰かの手を借りる方が成功する確率もあがります。

　鍼灸の勉強を始めて、私も体質が変わってきていると感じていますが、自分で継続して行うのは難しいというのも実感しています。

　年を取ると、身体の持っている力も低下をしていくので、改善をしていく力が弱くなるので、より手がかかるのも分かります。先ほどの車の例でも、長い期間で使用している車は手がかかるようになり、修理費用が高くなってしまうので、買い換えることが多いでしょうが、人の身体は買い換えることが出来ないので、手をかけ続けるのが当然とも言えますね。

　たまに全く手をかけないでも問題がないという人もいますが、そういう人はかなり少ないと思います。問題がないという人は、もともと持っている力が強いというのもあるでしょうし、日々の生活を徹底的に注意しているという人もいますね。

　日々の生活で注意をした生活をしている人の場合は、ちょっとした不調も感じやすくなっているので、治療なども積極的に使う人が多いという印象がありますね。

　全く気をつけないと言う人は本当に身体が丈夫な人もいるので、その場合は本当に凄いなと感心をしてしまいますね。

　私はそこまで強い身体ではないので、身体が低下をしないようにと、治療の実験として日々、鍼灸を行っていくのは今後も変わらないと思いますね。

　体質改善の治療を行うのであれば、先天的な体質、後天的な体質を見極めておくことが大切だと感じています。