ストレスフリーの治療

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 労働安全衛生法に基づいてストレスチェック制度が平成27年の12月1日に施行され、職場におけるメンタルヘルス対策が行われるようになりましたね。

 

 東洋医学ではストレスなどの精神的刺激が身体に問題が生じたり、肉体的苦痛が精神的な問題を引き起こしたりするという心身一元論という考え方があるので、ストレスを調べるという制度が出来てよかったと思います。

 

 仕事をしていれば、自分の意見だけでは物事が進まないことも多いですし、ストレスがかかるのは当たり前でもあるのですが、ストレス管理をするというのは、健康に取っても大切ですね。

 

 ストレスが多大にかかってしまうと、メンタルヘルスの問題が生じるだけではなく、身体や行動にも影響が出てしまうので、企業の生産活動が低下をしてしまいます。酷くなってしまうと、過労死にもつながってしまうので、ストレスを管理するというのは非常に大切なことだと思います。

 

 鍼灸での治療は心身一元論という考え方がベースになっているので、精神的な問題が生じた場合でも身体に治療をほどこすことで、心も健康になると考えます。例えば、精神的な疲労がたまってしまうと、何もしたくないという気持ちになってしまうことがありますが、鍼灸で身体の治療をすることによって、身体が軽くなるので、身体を動かしたいという気持ちになっていくことがあります。実際の治療の中でも、何もしたくないと言っていた人が身体の状態が変化をしてくると動きたくなったりすることがあるので、やはり心身は一つのものだという感覚が強くなります。

 

 こういった内容に関しては、こちらのブログでも書いてありますので参考にしてみて下さい。

「鍼灸治療を受けると走りたくなる」

 

 治療を継続していくことによって身体の状態をよくしていくと、ストレスに対する抵抗力が高まり、ポジティブに物事を捉えるようになることが可能です。治療以外で、ストレスに対抗してポジティブに行動するようにできるのは、自己啓発と呼ばれる分野だと思います。

 

 例えば、「自分は成功する」「自分はできる」と信じることによって、物事が解決することがありますが、これは、精神に対して治療を加えることにもなります。自己啓発を使わないでも精神をメンテナンス出来ればいいのですが、なかなか難しいことなので、自己啓発の書籍が多く販売されているのでしょうね。

 

 企業の新人教育でも自己啓発を図るところがあるようですが、精神を強くすることによってストレスに対抗する力をつけて、結果を出すということですね。

 

 人とストレスということを考えたときには、ストレスを完全に取り除いてしまえばいいと言えるのですが、ストレスを完全に取り除いてしまうと、人は駄目になってしまいます。

 

 よく言われるのが雑草育ちと温室育ちという言葉がありますね。劣悪な環境で成長した場合は、何事にも負けないハングリー精神があり、ストレスをものともしない雑草育ちになります。ストレスもかけずに育った場合には、ちょっとしたストレスでも二度と立ち直れない状態になってしまいます。

 

 国にもよりますが、ハングリー精神があり、物事を諦めないし、多少のことは気にしないというお国柄もありますが、そういった人達はどこででもやっていける強さがあります。この代表的なのが華僑だと言えると思います。

 

 日本の現代の場合は、ほとんどの物が揃っていて、学校では教員が全て対応して、社会人になってからも、最初の使い物にならない数年は会社が面倒を見てくれることも多いので、温室育ちになりやすい環境だと言えるのかもしれないですね。

 

 ストレス耐性が高い人にしていくためには、子育て、教育、仕事を全て連携して考えていかないと難しいことではあるので、教育の現場の中にもストレス耐性を鍛えるものが入るといいのではないかと思います。

 

 コンクリートしかない場所でもちょっとした隙間を見つけて雑草が育つことがありますが、雑草はストレス耐性が高いので、どんな場所でも隙間さえあれば成長して子孫を残すことが出来るので、ストレス耐性が高くなっていくのは人の成長に取っては重要なことだと思います。

 

 学校教育では答えがあるものを教えていることが多いですが、社会に出て、一人の人として生活して仕事をすると、答えのあるものはないです。答えのあるものがないので、人それぞれが努力をして考えて生きているという場が社会になるので、分からない・不安・出来ないというストレスを抱えて生きていくことになります。

 

 ただ、こういったストレスがあることによって人は大きく成長もするので、ストレスがかかる状態は非常に大切になるので、ストレス耐性を上げるための工夫がそれぞれに必要になるのではないでしょうかね。

 

 答えがあるところで優秀だった人というのは、学歴においては優秀ですが、社会に出て優秀かと言うと、そういう訳ではないですよね。例えば、社長という肩書で考えてみると、大企業の社長は学歴があることが多いですが、1代で会社を築いた人達は学歴で言えば劣等生だったことが多いです。

 

 そういった点で言われるのは、社長になる人は大卒だった場合は、中程度の大学を出ている人が多いとも言われます。もちろん、研究分野に近い会社だと学業が重要なので、学歴が高い人が多いでしょうが、社会全体で見た時には学歴の優劣は変わります。

 

 これは、答えのないところで生活するのが中心だった人は、ストレス耐性がもともと高いとも言えるので、教育などで考えるときには、答えがあるものを学習するよりも、答えがないものに対して考え続けるというのを指導することが重要なのかなと思います。

 

 以前のブログの中でも書きましたが、ダーウィンは以下のことを言っています。

 

最も強い者が生き残るのではなく、

最も賢い者が生き延びる訳でもない。

唯一生き残るのは、変化できる者である。

 

 このことを考えると、新しいこと、未知なること、ストレスに対して対応できるものが生き残る者であると考えることが出来るのかなと思いました。変化を出来る者でありたいです。

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