東洋医学を使った足背のしびれに対する治療の仕方

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普段、何気なく治療をしているのですが、当たり前ですが、頭の中では何かを考えていることもありますが、自然と治療を行っていることもあります。今回は、そういう時に、自分は何を考えて治療をしているのかを書いてみたいと思います。

 何故、そんなことを書くのかと言うと、治療をしているときは集中しているので、いろいろ考えているのですが、ちょっと時間を経つと、何故、そう考えたのかという理由が分からなくなっていることがあるので、文章として一度、書き起こしてみようと思ったのです。

 

 前提としては、弁証としての治療というよりは局所から東洋医学の考えを使っていくというものですので、時間がないときや最後の仕上げなどに有効ではないかと思います。

 

 足背のしびれがあったということだと、まずは現代医学的には第4腰神経と関係をするので、腰部や坐骨神経の走行での異常がないのかなと考えます。これは、東洋医学だけではなく、現代医学的にも大きな問題がないかを考えるのに大切なので、現代医学的な病態把握も入れるようにしています。

 

 経絡としては、胃経になるので、胃の問題がないのかと考えることになります。胃は脾と表裏関係になるので、脾から治療が出来るのではないかと考えておきます。

 

 状態の把握も必要なので、胃経上のしびれなので、下腿の胃経上で違いがないのかを確認します。確認する内容は、皮膚の色の違い、怪我、動かしたときの皮膚の動きに違いがないかなどで、慣れてきたら、他の経絡との違いも見ていきます。胃経ということで、腹部、顔面部などまでしっかり見られればいいのですが、それは状況によって使い分けています。

 

 見た次は、触って違いがないのかを確認するので、胃経を何度もこするように触っていきます。こするように触ると、表面の問題を感じることが出来るので、発汗、かさつき、凹凸を診ていくことができますね。

 

 胃経の感覚が手に入ったら、他の経絡をこするように触ってみて、何が違うのかという確認をすると、胃経が違うかもという感覚が得られることがあります。慣れてくると、ここまでかかる時間は10~20秒程度ですね。今はこれぐらいのスピードですが、悩んでしまうと時間がかかるので、触った第一印象で考えるようにしています。もっと早くなるのでしょうが、今はこれぐらいが平均だと思いますね。

 

 こすることをしたら、今度は中の状態の確認になるので、そこで初めて、胃経を押していきます。押す時には、こすることで、どの辺りが気になるという情報があるので、気になったところを中心に押して中の状態を確認します。この場合も押す力も小・中・大というように分けて考えていくと、どの辺りの深さの問題があるのかを考えていくことができます。

 

 もちろん、他の経絡もこすって触っていっているので、他の経絡の中の状態と触り比べることも必要になるので、どんどんと触っていきます。慣れてくると、反対側と比較をするとどうなのかを考えていくこともできるでしょうし、下肢と上肢では違いがあるのかを診ていくことが出来るのですが、情報量が多くなると処理が大変になるので、その時の時間や力量に合わせてやってきました。

 

 こうやって触るところまでで気になったポイントを決めたらそこに指を当て、少しだけ圧迫をして変化が出るかどうかの確認をすることが多いです。状況によってはそのまま鍼をすることがあるのですが、最初の内は、指で変化が出たら鍼をするという順番で行っていました。

 

 ここで選んだ場所だけで変化が出るときはあるのですが、臨床では完全に同じ状態に出合うことはないので、全く変わらないということもあります。

 

 変わらないということは、ここで選んだ場所は治療点としては誤っている可能性があるので、今までの考えを捨てて、他のことを考えていきます。簡単な方法は巨刺(こし)という方法があり、反対側の同じ部位に対して治療をするという方法があるので、反対側で同じように治療をしてみます。

 

 これで変わらなかったときは、経絡として考えていくのに、脾経から治療を加えると表裏の働きが活発になり、よくなることが出来るのではないかと考えられるので、公孫から治療をしてみることができますね。

 

 公孫で全く効果がなかったということは、経絡の選択が間違っていないのかを再度、確認をして、最初と同じように皮膚や動きに変化が出ていないのかも確認をしていくといいですね。

 

 皮膚や動きはよくなっているけど、しびれが改善をしないということはあります。その場合は、身体の状態が変化をしていると、時間とともに変化として感じることもあるので、ここで患者さんに説明をして治療を止めることもあります。

 

 身体の状態(圧痛を取っておくと分かりやすい)ではかなりの変化があるので、このまま消えることもあるので、一度、治療を終えて、次の日にどうなるのかを見てみたいという提案をします。もちろん、完全に取って欲しいという方もいるでしょうが、一回で完璧に無くすというのは稀なことですし、やり過ぎて次の日に悪化をしてしまう恐れもあるのですよね。

 

 治療の現場に出て最初の頃は加減も読みにくいので、止めるというのも重要な選択肢になっていきます。

 

 治療の話を続けます。胃経・脾経で変化が出なかった場合、反対側で治療をするというのは先ほども話した通りですが、それ以外には、局所に鍼をして変化がでるのではないかということで局所の治療を考えていくこともできます。局所の鍼を最初に持ってきていないので、鍼治療をすると、治療をする前に戻すことは出来ないので、悪化した場合は、取り戻すのがきついからですね。

 

 もちろん、局所の凄さもあるので使うことは多いのですが、局所以外からも考えられるようになっておいた方が、治療の幅が広がるので、局所以外を考える癖は付けた方がいいと思います。

 

 局所の治療はたくさん、経験をしておくと、他でダメでも局所でよくなるという保険を持てることになりますし、局所以外から治療が出来れば、局所から治療をしても局所以外から治療を出来るという保険があるので、どちらの治療も大切です。

 

 局所以外で考えるのであれば、経絡の走行を考えて範囲を広げていくことが可能なので、腹部や顔面部の胃経上から変化がでないかを確認をしていくのもいいですね。

 

 または、同名経配穴という考え方があり、足陽明胃経の問題は同じ名前の手陽明大腸経で治療が出来るということになるので、最初に気になった点と同じような位置の陽明大腸経を見ていきます。例えば、膝関節付近に気になる点があったのであれば、肘関節付近で捜すということになります。

 

 こうやって治療するポイントを増やしていくと、下腿で変化が出るようになったから、次は反対側、その次は前腕というように治療で使えるポイントを増やしていくと経絡の存在も意識するようになるのではないかと思います。

 

 治療中に何を考えているのかを一気に書いてみましたが、結構な文書量になってしまいました。治療中にいろいろと考えているのだなという復習になりましたが、文章で起こしてみると冷静になるので、治療中で忘れていることも出てきましたね。文章として書いてみてよかったです。

 

 脾や治療の仕方に関しては、こちらのブログを参考にしてみてください。

「脾の働き」「簡単な病気の治し方」

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