足の裏のお灸

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 鍼灸学校でお灸を練習する場所は失眠が多いのではないでしょうか。

 実態は全く分からないのですが、周りに聞くと失眠で練習をしたと言う人が多いので、たまたまかもしれませんが、踵は皮が厚いところですし、お灸が下手なときに練習をしても火傷もしないし、熱くも感じにくいのでいい場所ですよね。

 

 学生時代は、当たり前のようにやっているので、気付かないことが多いのですが、卒業して数年経ってから、自分の足の裏にお灸をしてみたら、かなり効果の高いところだというのが分かりました。

 

 学生時代は毎週のようにやっているし、鍼の練習も受けているので、刺激に対する効果を感じにくくなっているところもあるのではないかと思います。卒業すると、人の治療をすることがあっても自分が治療を受ける機会は減ってしまうので、受けないのが当たり前の状況になるので、一般人の感覚と似てくると思います。

 

 鍼の練習をしていたとしても、お灸をしていなければ、卒業して1年、数年経ってから失眠にお灸をすると失眠は効果があるのだなという実感が出ると思います。私はそれから足底にお灸をすると効果が高いというのが理解できたので、いろいろな所にお灸をしてみたのですが、足底は身体を支えるところでもあり、血流も低下しやすく、疲労も貯まるからなのか効果が高い場所だなと考えるようになりました。

 

 手技であれば、足底を揉むというのは簡単なので、頻繁に使っていますし、足底に鍼灸を使うこともあります。足底のだるさが強いと言う人で、鍼でも刺してくれという人がいたので、足底に鍼を刺入したり、低周波鍼通電療法も行ったりしましたが、すっきりする感じはかなり強かったようですよ。

 

 足底のツボで有名なのは、裏内庭がありますが、食当りや食べ物が合わなくてお腹の調子が悪いときには非常に効果が高いところですね。

 

 実際に、貝類で当ってしまった人が数日後に落ち着いて治療に来られたことがあるのですが、まだお腹がすっきりしないということで、裏内庭にお灸をしたら、熱さを十分に感じるようになったらお腹のすっきりさが出てきたということがあります。

 

 足底のお灸は、皮が薄い中央部付近でなければ熱さを感じにくいので、お灸が下手な方でも利用しやすいですし、火傷もしにくいので、患者さんにも使いやすいと思います。ただ、あまりにも熱いものをしてしまうと、数日、違和感が残ってしまうことがあるので、熱量の調節は注意が必要になります。

 

 足の裏には経穴としては湧泉ぐらいになるのですが、奇穴を探すとかなりの数があるので、奇穴の効果を知るために、足の裏にお灸をしてみてもいいですし、リフレクソロジーの反射を考えて行うのも効果があるので、お勧めです。

 

 足裏の反射区は、調べればすぐに出てきますし、資料も豊富なので、一回は実験をしてみてもいいのではないかと思います。

 

 ただ、数日の間、行っていくと、血流も改善するからなのか効果が分かりにくくなってしまうので、数週間あけてから違うところを実験する方が分かりやすいと思います。

 

 私の場合は、一時期はまると継続してやってしまうことがあるのですが、やってみて分かることは沢山あるので、是非、試してもらいたいと思います。

 

 卒業してからお灸を使っていないという人は使うのに不安もあるでしょうし、それであれば火傷をしなくて熱さも感じない足底というのは練習にも適しているので、治療で使うためのウォーミングアップとしていいですしね。

 

 私は足底だけではなく、足指の根本、関節面、指先などを試して使っていますが、熱さの感じ方も違うので面白いですね。しびれが強い場合にもお灸が使えますし、患者さんはいろいろな所がしびれているので、治療で使うためには、いろいろな所の感じ方も体験しておくと、治療で使うときにも迷わないと思います。

 

 お灸に関しては過去のブログの中でもいろいろと書いているので興味があれば参考にしてみてください。

「お灸で火傷をさせない方法」

「お灸が上手になるコツ―お灸はリズム」

「お灸の熱さを感じない」「お灸は火傷をさせた方がいいのか?」

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