鍼灸って怖い

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 鍼灸治療を受けたことがない人が思うことは、鍼灸って怖いし効果があるのかという疑問になるのではないでしょうか。

 何故、怖いのかというと、“分からない”から怖いのですよね。では、この“分からない”ということを考えていくと、2点の理由があります。一つ目は“痛い・熱い”というマイナスの感情で、二つ目は鍼灸ってどういうものだかが全く“分からない”ということです。

 

1.痛い・熱い

 鍼灸というと、鍼という金属を身体に刺すし、お灸は皮膚の上で燃やすから、痛い・熱いだろうというイメージがあるのは当然ですよね。皮膚に鍼を刺す、皮膚の上で燃やすと言われて、気持ち良さそうと思う人は皆無なのではないでしょうかね。

 

 普通は、鍼と言われて想像するのは、注射針ですし、注射針は太いし痛いことが多いですよね。他にも、縫い針など尖ったものが身体に刺さった経験は誰しもあると思うので、鍼が刺さったら痛いと思うのはやはり当たり前ですよね。鍼の構造と痛みに関してはこちらのブログに書いています。

「鍼治療は痛いか?」

 

 鍼治療では治療する先生にもよりますが、何か所に鍼をすることが多いのです。本数では10~20本が一般的なのではないかと思いますが、基本的には鍼灸で使う鍼は髪の毛と同じ程度の太さですし、痛みが出にくいように工夫をされていますし、鍼灸師も痛くないように練習をしているので痛いと感じることは少ないです。

 

 少ないと言われてもどのぐらいかと言われると非常に難しいのですが、チクッと感じたという程度のことが多いと思います。本当に我慢できないような痛みが出ることはありますが、非常にまれなことです。そういう状況は避けられないのかと思うでしょうが、身体には無数に神経が走行しているので、痛みが出る頻度と痛みの強さは減らせても神経は減らせないので、仕方がないとも言えます。

 

 強い痛みが出る頻度はどのぐらいかと考えてみると、敏感な人は感じ易い傾向にはありますが、100回鍼を刺して、1回あるかどうかで、チクッと感じるのが2割程度なのかなという感じもします。もちろん、正確な数字ではないのであくまでイメージですが痛みとして感じるのはこの程度だと思います。

 

 ただ、人によっては、治療という行為で1回なので、100回鍼をされていたけど、初めての時に、1/100に当たれば、鍼灸治療は痛かったと思う人もいるのではないかと思います。

 

 鍼は身体に刺していくので、刺していってから感じるものを“響き”と我々は表現をしていますが、指で中の方を押されてズーンと感じるのが近いですね。これが好きという人もいるし、嫌いという人もいるので、好みの問題にもなると思います。

 

 お灸の熱さは、そのままお灸をすれば確かに熱いのですが、熱く感じないお灸を使っているところも多いですし、火傷をさせないように行っているところも多いので、感じとしては温かい程度のことが多いです。

 

2.分からない

 一般の人からしてみたら、鍼灸の道具のことが分からなくて怖いという思いもあるでしょうが、何をしているのか分からないというのもあるので、疑問は解決をする必要があります。一般的には気と言われても分からないというのは当然なので、そういった点は過去のブログでも取り上げています。

「鍼灸は怪しい」「鍼灸はうさんくさいか?」

 

 人は自分が知らないことは不安に感じるのは生理的には正常なことです。例えば、知らない土地に行こうと思ったら、その土地では犯罪が多いのではないかという不安が生じることがありますよね。

 

 この考え方は、自分の生命を守るためには重要なことなので、分からないということは正常なことですね。

 

 知らない土地に行こうと思ったら、その土地の食べ物、交通などを少し調べてみますよね。では、鍼灸はどうかと考えた場合、はるか昔から現在まであります。

 

 これだけ長い間、受け入れられている物はどうなのでしょうか?

 

 先人の方たちが多く受けているので、その点では安心できるのではないでしょうか。治療内容が分からないというのは、専門的に学習をしているので、理解できないのは当然ですよね。例えば、パソコンやソフトを作る側の人達はパソコンに詳しいですが、一般の人が何をやっているのか、何を話しているのかが分からないというのは当然ですし、理解するためには自分が勉強をしないと分からないですよね。

 

 なので、こんなものなのかなという印象でいいです。痛みがあるところを治療するし、経絡を考えて、全身からバランスを整えることがあるので、他のところから治療をすることもありますが、それはその時々の状況によって使い分けているということです。

 

 鍼灸に対してネガティブな体験をしたという人もいるでしょうが、体質的に合わないという人もいるでしょうし、こればっかりは受ける前から全てが分かる訳ではないので、何とも言えないですね。

 

 鍼灸を受けて辛かった、嫌な思いをした方がいたら、鍼灸師としては申し訳ないなという気持ちになりますね。これは旅行や飲食店に行ったときに、たまたまその人、その店、行き違いで生じている場合があるので、身体のためになるのであれば、鍼灸という物とそれ以外をあまり合わせ過ぎない方が、プラスになることはあるのではないかなと思います。

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