電子温灸器と透熱灸の違い

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 お灸は艾を使って行うのが基本ですが、機械で温める電子温灸器というのがあるのですね。そういえば、昔に電子温灸器を受けたことがありましたが、違いについては考えていなかったので、今回は電子温灸器と透熱灸の違いについて書いてみます。

 お灸療法は様々なやり方がある中で透熱灸にしたのは、全部のお灸療法と電子温灸器を比較すると煩雑になり、内容も分かりにくくなってしまうので、今回は、透熱灸を中心に比較をしてみたいと思います。

 

 電子温灸器にはいろいろなタイプがあるようですが、電機のお灸なので手間がかからないというのは電子温灸器の利点だと思います。透熱灸は、艾、線香、火、灰皿を用意して、火傷をさせるかさせないか治療者の考え方次第ですが、治療中も火の管理を行って、透熱灸が終わったら、灰を取り除くというのが一連の動作なので、電池などの消耗品を取り換えれば使い続けられる電子温灸器はやはり手間がかからないですよね。

 

 指先を怪我してしまえば、艾を捻ることができなくなってしまうので、透熱灸が出来なくなってしまいますが、電子温灸器であれば、多少の怪我をしたとしても使うことが可能ですしね。

 

 電子温灸器はいろいろな物を設定できるので、温めるだけではなく、リズムも考えることが出来るので、よく出来たものだと思いますね。治療院用の物だと大きくて高価になることが多いですが、最近は手軽に出来るものがあるので、訪問でも自分にでも使いやすいのでしょうね。

 

 透熱灸だと、基本的には火傷をさせて、皮膚の再生を図って免疫力を上げるという方法なので、火傷という点に関して透熱灸は効果的だと言えるかもしれないですね。他には、熱さの微調節が出来るので、技術が上達をすれば、火傷をしないギリギリで、我慢が出来るギリギリまでを狙って行うことができますね。

 

 そんなことが治療効果に影響するのかというところなのですが、治療の中では心地よい程度を狙って行う場合や熱いと感じる程度を狙って行う場合もあるので、理由は言葉で上手く説明できないのですが、治療効果への影響はあると思います。

 

 ただ、私の今までを考えてみると、こういった微調節で効果が変わるという実感が出てきたのは最近になるので、やり続けていく中で出来るようになり、理解できるようになることだと思うので、効果として実感をするまでは時間がかかるのだろうなと思います。

 

 こういった点を理解できるようになると電子温灸器を使うという選択肢は激減をすると思うのですが、お灸は入れたいけど、他の患者さんの対応をしないといけないというような状況が発生した場合には、電子温灸器があると自分の治療のサポートをしてもらえるでしょうね。

 

 電子温灸器は使った経験が少なすぎるので、はっきりとは言えないのですが、透熱灸では熱の調節を行うことによって、深部に到達する感覚や広がる感覚が生じることがあるので、こういった微調節を使って行う方法は電子温灸器では難しいのではないのかなと思いますね。

 

 熱いお灸よりもズン、ジワーと感じるような熱さで行うと、中に入っていくような感じになることが多いので、深部に冷えがあるときや、治療後も効果を期待するときには使っています。

 

 チクッと感じるような熱さのお灸は表面に感じることが多いですし、表層に感じやすいので、熱を広がるようにしたいときには、チクッとした感じで行うこともありますね。

 

 もちろん、どちらのお灸を使ったとしても、深部への浸透、周囲への拡散という感覚はあるのですが、私自身の個人的な感覚としては、深さと広がりという2点でお灸の使い分けをしている状態ですね。

 

 棒灸を使って温めるときは範囲も広く一定の温度で行うことがあるので、こういった場合には、電子温灸器で代用してもいいのかもしれないですね。ただ、棒灸で感じる感覚と比較をしてみても、電子温灸器は乾いた感じの熱になるので、効果としては違いがあるのではないのかなと思います。棒灸に関しては過去のブログでも書いていますので参考にしてみてください。

「棒灸の使い方と効果」

 

 もし、昔に電子温灸器が存在していたのであれば、東洋医学の治療の中に入ってきたのかもしれないですが、そんなことはありえないので、これからどういう形で東洋医学の治療の中に入ってくるのかという思いはあります。

 

 電子温灸器であれば、自宅でも出来るので、家でお灸をしようとしても火を扱うので危険性がありますが、電子温灸器であれば、火を使わないので、リスクは軽減するので、セルフお灸には最適なものだと思います。

 

 治療者が使う場合は、それぞれのやり方の中で考えていかなければいけないので、人によって使い方は変わってくるのでしょうね。

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