お腹にガスがたまる原因と対処法―お腹のガスとツボ

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 なんとなくお腹が張るような感じがあって、ウエストもきつくなってしまうという症状が起きることはありませんか?お腹の中にあるものが出たらすっきりしそうな感じがあると思いますが、原因と対処法をまとめました。

 朝はウエストがきつくなかったのに、午後になったらウエストがきつくなった!食事前は快調だったのに、食事をしてからずっとお腹が張る状態が続いている!ダイエットもしているのにお腹がぽっこり。そんな経験があるのであれば、お腹にたまったガスが原因のことがあります。

 

 お腹が張って苦しいというのは膨満感(ぼうまんかん)と呼ばれる症状で、病気が原因で発生する場合があります。有名な病気はIBS(過敏性腸症候群)と呼ばれているものですが、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、がんなどが原因でも発生することがあります。

 

※過敏性腸症候群:ストレスによって発症しやすく、腹痛、腹部膨満感、便秘と下痢が交替で生じ、酷い場合には家から出ることもできない状態です。思い当たる場合は医療機関を受診することも必要だと思います。

 

1.お腹にガスがたまっているかもしれない症状

  • お腹がはって苦しい
  • 便秘がち
  • おならがよく出る

 思い当たる原因がないのに、気付くとお腹がはっている。食事は軽く済ませたはずなのに、ウエストもきつい気がする。薬を飲むほどの痛みではないので、そのままにしているけど、ウエストを緩めたくなったり、座っているのが辛くなったり、何となくイライラしてしまう。お腹が張って苦しいし、トイレに行きたい気がするけど、便が出ない。おならだけがよく出て、出したくて苦しくなってしまう。

 お腹の中にガスがたまると、どんどんと風船が膨らんでいくような状態のようになってしまうので、お腹がとにかく張って苦しくなってしまいやすいです。便が出ればいいのでしょうけど、お腹の働きが低下をしてしまっているので、便はでないけど、ガスだけ出ることも多いです。

 

2.お腹にガスがたまる原因

①口から飲みこむ空気

 食事をしているときや話しをしているときに、一緒に空気も飲みこんでしまうことがお腹にガスがたまる原因として考えられていて、おならの原因となるガスは飲みこんだ空気が中心だとも考えられています。酷くなってしまった場合は、呑気症(どんきしょう)、空気嚥下症(症状)と言われます。

 

 無意識で飲みこんでしまっている物なので飲みこむなと言われても改善をしにくいでしょうが、食事をしているときにゆっくりと噛んで食べるようにすると、意識をすることができるので食事中での空気の飲みこみを減らしていけます。

 

②自律神経の乱れ

 お腹の働きは自律神経によって調節されているのですが、疲れ、生活リズムの乱れ、ストレスにより、自律神経の働きが乱れ、お腹の働きをコントロールできないために発生をしてしまうこともあります。

 

 自律神経の乱れは自分が意識をしていない状態で積み重なっていってしまうので、ガスがたまるというような不快な症状が出てきてしまって気付くことも多いです。加齢によって神経の働きが低下をして生じることもあるので、生活リズムは整えておかないといけないですね。

 

③お腹の調子が悪い(腸内環境の乱れ)

 昔からお腹の調子を崩しやすい人は腸内環境が整っていない可能性もあるので、その場合は、成長してからもお腹の不調を感じることも多いですね。腸は「第二の脳」とも言われていますが、精神的なストレスがかかると、腸の働きは鈍くなるとも言われています。

 

 上司や取引先と話をしようとするとお腹が痛くなる。納期や締め切りが近くなるとお腹が痛くなるという話はよく効きますが、お腹の働きが鈍くなってしまうと、腸内にガスがたまりやすくなります。

 

 腸内には腸内細菌があり、食べ物を消化するために腐敗をさせていきますが、老廃物が増えてくると、ガスが大量に発生すると考えられているので、腸内の環境を整えておくことが大切になります。この場合のおならは匂いがキツイ傾向にあります。

 

 健康な人でも飲食によって、おならや排泄物がいつもより匂いがキツイと感じる場合は一時的に腸内環境が乱れている可能性があります。

 

④食事

 健康な人でも飲食によってお腹の調子が悪くなってしまうこともあるので、暴飲暴食はお腹のもっている力以上の負担をかけてしまうので、ガスが余計にたまってしまうこともあります。

 

 他には遅延型フードアレルギーというのもあります。アレルギーは即時型と言われる物が急激な症状も強くでて危険性も高いので、アナフィラキシーショックが有名です。即時型では卵、乳製品、小麦、そば、甲殻類(こうかくるい)アレルギーなどが有名ですよね。

 

 アナフィラキシーショックは、血圧が急激に低下をしたり、意識を失ったりしてしまい、最悪な場合、死に至ることがあるので、注意が必要なものです。

 

 遅延型は言葉の通り、アレルギー反応が遅く、症状も強く出てこないので、発見しにくく、加齢や疲労のせいではないかと思ってしまうことがあります。アレルギーというのは原因を摂取して生じるので、例えば、卵を食べるとしばらく調子が悪いというような場合は遅延型の可能性も考えることができます。

 

 遅延型などのアレルギーの場合には医療機関を受診して自分のアレルギーを知っておくことも必要になりますね。

 

 遅延型アレルギーに似たものだと、食物不耐症もあります。食物不耐症は、牛乳やヨーグルトなどの乳製品に含まれる乳糖を消化するラクダーゼの不足・欠乏があることで、下痢が生じてしまいます。

 

 普段は胃の調子がいいし、ストレスもない、特定の食事でお腹にガスがたまるようだと、遅延型アレルギーや食物不耐症を疑ってみることも必要かもしれないですね。

 

⑤生活習慣

 生活習慣として食事を取る時間が一定ではない場合は、お腹も働く時間が一定ではなくなるので、お腹のリズムを整えることができないので、お腹にガスがたまってしまうことがあります。

 

 みなさんの仕事や生活でもリズムがあると作業や生活をしやすいでしょうが、毎回、違う時間やタイミングでやるべきことや仕事が出てくると対応するのが大変ですよね。休みになるなと思って、帰ろうとしたら仕事を急に振られたら、精神的ストレスにもなるし、身体にも負担になりますよね。

 

 腸内は寝ている時に回復をするのですが、寝る前の食事によって寝ているときも回復ではなく消化をしなければいけない。寝る時間が一定でないので、身体の回復するリズムを作れない。たまにならいいのですが、連続するとお腹にガスがたまる原因になってしまいます。

 

 パソコンの画面を覗き込むように仕事をしている。足を組みながら仕事をしている。背中を丸めた姿勢が多い。こういった姿勢は腹部を丸めたままにしてしまうことで、腸内の血流が巡りにくい状態になってしまうので、お腹の調子を落としてしまうことがあります。

 

 運動は血液の流れに取って大切になりますが、運動不足、運動のし過ぎも腸内に血流を保つことができなくなってしまうので、お腹の調子が低下しやすいです。

 

⑥病気

 何かの病気によってもお腹にガスがたまってしまうことがあるので、お腹のはり以外にも、吐き気、微熱、倦怠感などの全身に何らかしらの異常が発生しているようであれば、医療機関を受診した方がいいです。

 

3.お腹のガスに対する対処法

①薬を飲む

 できることなら、お腹のガスがたまる原因を解消していく方がいいのですが、苦しい場合、我慢できない場合、用事がある場合は、薬を使うのも必要になります。

 

 お腹にガスがたまっているときには、整腸剤(腸を整えるもの)や消泡剤(腸内に発生したガスをなくす)が効果的だと考えられますが、必ず薬局で相談をしてみてから服用するようにしてください。

 

②体操

 身体がリラックスをした状態で仰向けに寝て、膝を両手身体の前で抱えるとガス抜きをしやすくなるので、寝る前の体操として取り入れていくのもいいですよ。簡単に出来ることなので、毎日の生活の中に取りいれやすいですし、便秘にも効く場合があるので、便利ですね。

 

③マッサージ

 お腹の調子を整えるのによくいわれるのは、お腹を「の」の字のようにさする方法もあります。最初はヘソの上に手をおいて、下腹部までさすっていき、右側の下腹部へ進み、右下腹部から上に進み、肋骨にふれるところからミゾオチを通って左にいき、左側を下にむかってさすっていきます。

 

 この動きは腸の走行と同じなので、お腹に入ってきたものを身体の外側からなぞって、外へ出そうというやり方です。他にはお腹を膨らませる腹式呼吸を行う方法もあります。

 

 スポーツ選手が試合前にお腹や背中を自分で叩くことがありますが、あれよりも軽い力でポンポンと叩くのも、お腹の中に振動を与える方法で、お腹のガス抜きに効果があるときもあります。

 

④食事に注意をする

 暴飲暴食をやめて、ゆっくりと食べることで、空気を飲み込む量を減らし、お腹に食べ物がいくのを遅くするので、お腹の調子を落とさないで済むので、お腹にガスがたまるのを防ぐことになります。

 

 冷たい物は身体の中に取り入れると、びっくりしてしまい、冷えて血流が悪くなると考えられるので、温かいものを取るようにした方がいいですね。東洋医学では身体の調子を整えるのに根菜を食べる方がいいとも言われているので、日々の食事の中で意識をするのもいいですね。

 

⑤お腹を温める

 お腹や手足が冷えやすい人は、お腹や腰、仙骨のところにカイロを貼っておくと、お腹にガスがたまるのが軽減することがありますし、不快感も軽減することがあるのでお勧めですが、貼ったままになるので低温火傷に注意をする必要があります。

 

 カイロは火傷のリスクもあるし、お金もかかるので、昔から使われている腹巻を使っていくと、安くていいですよ。

 

4.お腹のガスと東洋医学

 東洋医学ではお腹の調子は脾の働きとも関係をしやすく、ストレスがあるときには肝の働きが低下をして、脾の調子を落としてしまうと考えています。脾の調子が悪い時だと、食後にお腹が張ることが多く、肝の場合だと食事と関係なくお腹にガスがたまる感じが生じることがあります。

 

 脾の働きが低下をしている方であれば、脛の前で膝下の足三里、内くるぶしの上10cm程度で脛の骨際の三陰交を使うことが多いです。自分で押したり、マッサージをしたりしても効果的ですし、食事のたびにお腹にガスがたまりやすいのであれば、お灸やシール状になっている鍼が出ていない円皮鍼(「円皮鍼の使い方」)を使うのもいいですね。

 

 肝の働きが低下をしている方であれば、足の甲で鼻緒が当る場所付近の太衝というツボがいいですね。太衝は足の第1・2の骨の間を足首の方になぞっていくと、大きな骨にぶつかるので、そこより少し前になります。

 

 肝の経絡は胸脇部にも関係をしやすいので、腰に両手を当てるのではなく、もう少し上の肋骨のところに手を置いて、左右に身体を倒していくと、肝経を刺激することが出来ます。

 

 大きな病気がないけど、お腹の調子が悪くなりやすいという方は鍼灸で対応することが多いので、お腹にガスがたまって苦しいという場合などがある方はお近くの鍼灸院に相談してみるといいと思いますよ。鍼灸は東洋医学ですが、同じ東洋医学の漢方でも対応することが多いので、漢方もいいでしょうね。

 

 鍼灸と漢方を使うと身体の外側・内側の両方から治療できるというのが東洋医学の考え方にもなります。

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