瘀血と血瘀の違い

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 似たような名前で混乱をしやすいのが瘀血と血瘀になりますが、考え方が違うので、しっかりと理解をしておくことが必要になる単語です。

 瘀血と血瘀の違いは、瘀血は病理産物で、血瘀は血行が悪い状態になっています。同じような症状になるのですが、病態は違うものです。瘀血をイメージするのには、ぶつけたところがアザになってしまいますが、色の違いが部分的にはっきりと出来ているので、ぶつけたところのアザは瘀血があると考えていくことができます。

 

 一般的に瘀血が出来やすい状況は、外傷、捻挫、打撲、手術で発生をするので、そういう状況のときには瘀血を取り除く治療が重要になっていきます。瘀血が発生する状況は、他にも沢山あるので、気血の働きが障害することによっても瘀血が生じるので、身体には瘀血が絶対にあると考えることができます。

 

 気の働きには血を動かす推動という働きがあるので、気の推動の働きが低下をしてしまえば、血の流れが悪くなる、血瘀の状態になり、瘀血が発生をすることになるので、気滞と気虚の病変でも瘀血が発生することになります。

 

 川は水が流れているので、ゴミが貯まりにくい状況になっていますが、流れが悪くなった場合は、ゴミが停滞をしてしまいますが、この関係は血瘀と瘀血の関係とも同じなので、血瘀になると瘀血が発生をすることになります。

 

 血虚は血が不足しているということなので、血が不足をすると流れも弱くなるので、血瘀の状況とも言え、瘀血が発生する原因となります。

 

 寒邪という寒の状態は、冷えによる凝滞性が生じてしまうので、気血の動きが悪くなることになるので、気滞血瘀が発生をしてしまいます。気滞血瘀が生じているということは、血の流れが悪いので、瘀血が発生をしてしまうので、こういった病態を寒凝血瘀といい、瘀血を発生させる原因の一つになります。

 

 身体が寒の状態には、実寒・虚寒証があり、外邪の寒邪による場合と陽虚の場合があるので、実寒・虚寒証でも、血瘀が発生した結果、瘀血が生じるといえます。

 

 中医学の中では、ここまでが瘀血が発生する原因として重要視をしていますが、身体の活動が悪くなれば、気血津液の働きが低下をしてしまうので、どういった原因でも、少なからず血瘀が発生すると言えるので、どんな状況でも瘀血があると考えていくことができますね。

 

 血の生成には、水穀の精微と津液が必要になってくるので、身体の中に熱が影響をしていると、津液を不足させてしまう状況になり、血に影響をすると、血燥になり、血の不足が発生をしてしまうので、血瘀になり瘀血が生じると考えていくことができます。

 

 寒邪以外の外邪では瘀血が発生をしないと考えることが通常は多いのですが、このように熱によっても結果的に瘀血が生じることがありますし、その他の外邪でも身体の気血津液に影響を及ぼしてしまうことになるので、血瘀が発生して瘀血が生じると言えます。

 

 最初の段階では、血瘀は血行が悪い、瘀血は病理産物としてしっかりと分けて理解をしていくことが大切ですね。瘀血の発生原因に血瘀が含まれるので、混乱をしやすいので、瘀血が血の中にあるゴミとして認識をしておくといいでしょうし、最初の段階では、怪我と関係をすると覚えておくのがいいのではないかと思います。

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