鍼灸師は食べていけない

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 鍼灸師は食べていけないという話しが出てくることも多いですが、鍼灸師は食べていくのに楽だと言う考え方をすることもできるので、どちらの説も正しいと言えます。

 両方の説があるのは意味が分からないと感じるでしょうが、やる気とやり方を知っていれば食べていくのは簡単になるでしょうし、やる気とやり方が無いのであれば、食べていくのは難しいと言えます。

 

 食べていくために難しいと言われるのは就職をしても給料が上がりにくいということがまずあげられると思います。鍼灸師の仕事の仕方は、一人で一人を相手にするので、自分の時間と収入はイコールの関係になりやすいので、収入の限界が販売業と比べて早い傾向があります。

 

 1時間に一人の治療を行うと考えたら、6時間働くよりも10時間働いた方が収入はいいでしょうが、10時間よりも収入を増やそうと考えると12時間働くしかなくなってしまいますし、休日返上して時間を増やすことで収入を増やすのであれば、休日という概念が無くなってしまいます。

 

 鍼灸師が食べていけないという話しの中では前提が必要になるので、食べていけるというのはどれぐらいの年収が必要なのかを知っておくことが必要だと思います。食べていけない状態はワーキングプアと言えるので、その年収は200万円代と言われるので、300万以下と考えていくことができます。

 

 では食べていけると言われる一般的なサラリーマンの年収が2013年の調査だと414万円になりますが、鍼灸師の平均年収は資格・転職サイトだと350~400万円だと言われていますが、実態として考えると、300~350万円ではないのかなと思います。

 

 そう考えると、サラリーマンとの差は300万円からすると大きいですが、350万円から考えると差はそれほど大きくないですね。しかも、サラリーマンは転職をするときに、キャリアを上手く生かす状態でなければ、年収は下がることが多いですし、雇用される年齢にも制限があるので、一度、キャリアを失ってしまうと、元の年収に戻るのは難しいことも出てくると思います。

 

 鍼灸師はサラリーマン程の年収はないですが、転職をしたとしても、仕事は共通していることが多いですし、技術は年数によっても向上しやすいので、年齢がいってからの方が信頼もされやすい傾向があるので、収入はあげやすい部分も出てくると思います。

 

 もちろん、鍼灸師も雇われの立場になるのであれば年齢制限にひっかかってしまうことがありますが、それでも小規模のところが多いので、どこかで働けるという状況だと思います。

 

 年収から考えても、ぜいたくをしなければ食べていけるでしょうが、結婚をして子育てをしようとすると年収は低いと言えますね。ただ、サラリーマンでも平均年収は414万円になるので、多くの家庭では、共働きという状況になると思いますし、鍼灸師も結婚して子育てをするのであれば、共働きという選択をすれば食べていけると思います。

 

 2016年の世帯平均所得は542万円になるので、サラリーマン一人で414万円、パートナーの収入を合わせると、まあそんなものなのかなと思いますね。

 

 鍼灸師の男性であれば、少しはいい収入まで頑張って350万円と過程をして、パートナーに年間100万円でも稼いでもらえば、450万円なので、他の世帯よりは低いですが、やっていけないことはなさそうですね。

 

 鍼灸師の女性であれば、妊娠・子育てを考える場合も多いので、男性に働いてもらったとして400万円程度を稼いでもらって、自分は知り合いなどの治療をすれば、それが収入になるので、数十万は世帯を助けることになるのではないかと思います。

 

 もちろん、男性・女性のどちらがメインに働くかというのは、世帯によっても違うので、上に示した例だけではなく、いろいろなパターンがあると思いますが、鍼灸師という仕事を選んだからと言って、食べていけないということはないでしょうね。

 

 ただ、平均年収はサラリーマンと比較をすると低い傾向があるので、どこまでの生活水準をしたいかによって、食べていける・食べていけないというのは決まるのだろうと思います。

 

 毎回、外食をして、好きな物を買うというのであれば、どれだけ年収があっても足らないでしょうし、1000万円の年収があったとしても、1000万円の年収になると税金が一気に高くなるので、手元に残るお金は650~720万円ぐらいです。

 

 例えば先程の例で、400万円の年収であれば手元に残るのは280~320万円、500万円の年収であれば360~400万円です。年収が高い人の方が手元に残るのが多いと感じるのは当然ですが、1000万円以上の年収を得られるのは、日本では100人中4人程度ですよ。

 

 1000万円以上は、経営者、役員、スポーツ選手、医師(全てではない)、上場企業の中でも上位で、役職付などと考えると、どれだけ仕事も大変なのかを理解できますかね。それだけの苦労をして晴れて1000万円を超えたとしても10%の税金だった税金が倍の20%になるので、働いても税金の割合が大きくなるので、実入りとしては少なくなります。

 

 人よりも広い家に住みたい、いっぱい買物がしたいというのであれば、経営者になる、役員になる、医師を目指す、プロスポーツ選手になるのが近道ですが、誰にでも出来ることではないというのは理解できるのかなと思います。

 

 鍼灸師は平均としては低いですが、それ以下というのはなりにくいですし、自分の努力次第では、上は経営者まで目指すことは可能なので、サラリーマンよりも伸びる可能性が大きいと夢を見ることは可能です。ただ、それが夢であるのならば、実現するためには、それ相応の努力は必要になってきますね。

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