経絡は経脈と絡脈からできているものですが、経絡説の考え方の中では、他にも構成するものがあり、経筋と皮部という概念があります。
経筋と皮部は運動と感覚に関係するものであり、経筋の異常は運動器疾患と考えていくことができ、皮部の異常は感覚と考えていくことができるので、しびれなどがある場合には皮部の問題として考えていくことになります。
経絡の概念では経脈という本流があり、そこから枝分かれするのが絡脈で浮絡・孫絡と分岐をして身体の全身をカバーしていくことになります。東洋医学では、この経絡というのが重要な概念であり、経絡が全身くまなくめぐっていることで成立っているので、経絡、絡脈だけではなく、さらに細かい浮絡・孫絡という概念が必要になってくるのだろと思います。
絡脈は、経脈から分岐をして表裏経の働きを協調させる機能と連絡する働きがあるので、連絡する働きがあるので、絡脈という名前になっていると言えます。
経脈は本流であり、身体にとっては重要な器官になるのですが、働きとしては大きく割り振られている訳ではないので、身体の機能は他の器官によって成り立っていると分けていくので、運動と感覚という働きを持つ器官を経筋と皮部としていきます。
運動と感覚は身体の深部と関係をするものというよりは、体表に近いという考え方をしていくと、経脈は深く、絡脈が浅くなり、表層は浮絡・孫絡にしていくのであれば、経筋・皮部は深部ではなくなるので、絡脈から分岐をすると考えていくことができます。
浮絡・孫絡から分岐ということになると、表層になりすぎてしまうし、川が分岐をすると小さい小川になってしまうので、運動や感覚という身体に取って重要なものを働かせるのには不十分になってしまいます。
経筋や皮部がどこから出てくるのかと考えたことがないのですが、新しい東洋医学概論の教科書では絡脈から分岐ということになっていますね。
臓腑の病は経脈に伝わり、絡脈、経筋、皮部に向っていくので、病が進行をしてくる順番と考えていくこともできますし、経筋・皮部の問題が長期化してしまえば、絡脈・経脈に影響が出てしまい、臓腑の機能低下につながる可能性があると考えていくことも出来ます。
経筋や皮部は単純に運動と感覚と考えていくだけではなく、病能の進行という考え方も合わせていくと、いろいろな状況を想定することが出来るので楽しそうだなと思いました。
例えば、怪我をしてしまって、経筋・皮部に影響が生じてしまえば、その影響は絡脈・経脈を介して、臓腑に向っていくと考えると、傷口に対する治療が、身体を大きく改善させる可能性があるのも納得できるかなと思いました。他にもまだまだ考えられそうなことが多いので、日々の中で考えていってみたいと思いますね。