叩打法って何だろうなと調べていたのですが、柔道整復師の情報ページに叩打法があって、柔道整復師はあん摩マッサージ指圧師なのかという突っ込みが湧いてしまいました。

　まあ、手技療法の曖昧さを突っ込んだらキリがないですし、やっぱりなというところには叩打法の説明がありますね。

　叩打法は学生の頃から何のためにやるのか全く分からない手技の一つですが、手技には叩打法が付いてくるというのは誰でも思っていることなので、この普及率は凄いなと思いますね。

　叩打法は仕上げに使われることが多いので、調整という意味が付けられることが多いですし、リズミカルに叩くことで筋肉、神経の興奮性を高めるので、治療後に使うという話しをされることが多いですね。

　叩打法の種類はいくつかあります。

• 手拳打法：握りこぶしで叩く方法で一般的
• 合掌打法：合掌の手をしたまま小指側で叩く
• 切打法：合掌打を片手で行う方法
• 拍打法：手を丸めて叩く方法
• 含気打法：宿気打法とも言われ、両手を合わせて膨らませ手背で叩く
• 指頭叩打法：指頭を使う方法で頭部に使う

　叩打法はそれほど意味を持って使っている人は多くないのかもしれないですが、患者さんで叩打法の刺激が非常に好きな人もいますね。手技をしっかりと出来ない人の叩打法は、ただ強く叩くだけなので痛いだけに感じることが多いのですが、軽く叩打出来る人の叩打法は非常に心地よい刺激でもありますね。

　叩打法は仕上げに使う人が多いのですが、治療の最中に使っていくことも可能なので、私は、合掌、切打、含気打以外は、治療の最中に使っていくことも多いです。

　手拳叩打は、足底や踵に使っていくと、振動が伝わっていく感じが心地いいのと、治療効果も見られますね。拍打は、ストレッチをした状態で伸びている筋肉に行っていくと、緩んでくることも多いので、ストレッチと合わせて使っていくことが多いです。

　意味を持って言われることは少ないと感じていますが、治療で使ってみると効果が高いので、叩打法は特殊な効果があると考えていたのですが、何がいいのかをずっと考えていたのですが、どの叩打法も叩くという刺激以外に、他の指や空気を含んだ叩き方をするので、2重の刺激をしているのではないかと思います。

　例えば、手拳叩打だと、小指側面で一度叩き、ぶつかった衝撃で、母指が遅れて示指側面を叩くことで、手拳叩打独特の音が成るのですが、この親指が当った振動が入るので、強弱の叩く刺激を非常に短い時間で加えているのではないかと思いました。

　叩くという刺激だけだったら、身体に入ってくる刺激になるので、生体からしてみたら、有害だと認識をしやすそうなので、緊張をして拒絶をしそうなのに、叩打法では緩みが生じるので、微振動が緊張をほぐす効果があるので、緩みやすいのではないかと思いました。

　もちろん、想像の域を出ないので、推測のみですが、昔から使われていた方法でやられるとすっきりとするのであれば、効果があるはずです、通常の叩くのとは違うはずなので、微振動がポイントだと思った訳です。

　この推測が本当に正しいのかを自分の身体の感覚を使って試してみました。手拳叩打で叩くのではなく、親指を固定して小指側でただ叩くのを続けてみたところ、圧を強く感じやすいし、深部に到達するよりも、その部位から他が揺れるだけに感じて不快だったのですが、母指の動きを加えて手拳叩打にしたところ、圧は弱く感じるし、叩いているところに的確に感じるようになるので、叩打法は音が成ることが重要というよりは、微振動が重要なのではないかと感じました。

　綺麗な音が鳴る人の叩打法は痛くないし、気持ちがいいですが、音がよくない人の叩打法は痛いし、気持ちがよくないのは、力加減もあるでしょうが、微振動が入らないからではないかと思いますね。

　叩打法を使うイメージとしては、1点で深くまで使いたいのか、広い範囲に行いたいかで手法を分けて考えているので、手拳叩打は1点、拍打は広い範囲と考えて使うことが多いですね。

　両手を使う手技を治療途中で使うことが少ないのは、患者さんの体位を変化させて、片手はフォールドした状態で行うことが多いので、両手の叩打法は仕上げぐらいにしか使っていないです。

　両手の叩打法、切打は感覚的には表面への働きかけが強いと感じているので、基本は仕上げに持っていくことが多いですね。最初に持ってこないのは、いきなり刺激を入れようとしても身体が受けいれる体制になっていないので、最初は軽擦から行って身体を少しリラックスさせ、その後に通常の手技を入れて深部までほぐし、叩打法で届かないところに刺激を入れて、軽擦・他の叩打法で表面を刺激して身体に蓋を作るイメージが手技なのではないのかなと最近は思っています。