外邪の勉強をしているときに、一緒に学ばないといけないのが内生五邪ですが、最初のうちは何を言っているのかさっぱりわからないのではないかと思います。
外邪の特徴を覚えていくだけで手一杯な状態なのに、内生五邪って何だよという状況になることが多いのではないでしょうか。国家試験の対策で考えれば、内生五邪は外邪であり六気、六淫から暑を除いただけになるのですが、どういった状況で発生をするのかということになると混乱をしてしまいやすいのではないかと思います。
内生五邪は身体の働きが異常になってしまったときに発生をする物なので、例えば、風の症状が出ているのではないかというときに、外風・内風のどちらかを考えていくのに必要になります。
外風は外邪によって生じているという意味になるので、環境の影響が大きかったのだと言うことが分かるし、一時的な状態なのではないかと考えることが出来ますが、内風の場合は、風を発生させている原因を取り除かない限り、症状が軽減をしないのではないかと考えていくことができます。
1.内風
内風は、様々な原因によって発生をしてくるのですが、代表的なところは、血虚生風、熱極生風になります。血が不足をすると、その部位が空虚になってしまうことにより、風が発生をして隙間を埋めてしまうようなイメージになるのではないかと思います。
熱極生風の発生は、火は周囲の酸素を使用していくことで、さらに酸素を取り込もうと言う働きがあるので、旋風が生じてしまうので、内風が生じる原因となります。熱が発生している状態は、実熱、陰虚の状態があるので、実熱、陰虚が発生をしている場合は、内風が発生をしてしまうのではないかと考えていくことができます。
風によって生じる症状は、頭顔面部の症状や痙攣が代表的なので、急激な痙攣が生じていて、頭顔面部に発生をしているときには風を疑う必要があります。
肝の症状や血虚の症状の中にも痙攣が入っていますが、内風が生じている状態だと言うこともできますね。
2.内寒
内寒も様々な原因によって発生をしてくるものですが、基本的には身体を温める陽気が不足をしてしまうと、身体が冷えてきてしまうので、寒に傷つけられた状態になってしまうので、内寒と言われていきます。
例えば、寒く感じやすいというのが、外寒か内寒なのかを判断することによって、環境を変えた方がいいのか、体調を変えた方がいいのかが分かります。気血の障害が発生をしてしまったときには、身体を温める働きが低下をしてしまうので、気血の障害によっても内寒が発生するとも言えるのですが、通常は陽虚で考えていいと思います。
3.内湿
内湿と関係をしていくのに代表的なのは、脾の働きが低下をしてしまっていると、水を上手く管理できなくなってしまうので、痰湿という状態が発生をしてしまうので、内湿の場合は脾と関わることが多いです。
肺と腎も水の管理調節に関係をしていくので、肺・腎の障害によっても内湿が発生をすることも多いのですが、基本的には脾で考えていくことが多いと思います。
例えば、浮腫みが生じている場合は内湿があるという状態として考えることが出来ますが、脾なのか、肺なのか、腎なのかを考えるのが大切なので、その考えは内湿の発生原因を考えているということになります。
4.内燥
内燥は単体で発生をするというよりは、他の状態と混合して発生をしてくることが多く、熱と関わっていきます。熱が身体の中にある状態は、身体の水である津液の不足を生じてしまうので、熱によって津液が損傷してしまった状態は内燥と言えます。
水分の摂取が不足をして、喉の渇きが生じているようであれば、これも身体の津液が使われて失ってしまっているので、内燥の状態になり、内燥があるということは、燥は熱でもあるので、より乾燥を生じてしまいます。
津液は血を構成する成分でもあるので、津液の損傷が血への不足までをきたしてしまえば、血燥とも言われます。
5.火邪
内火は様々な原因で発生をしてくるのですが、陰虚の状態は冷やす力を失ってしまった状態になるので、身体が熱の状態になりますが、この場合は、内火と表現をすることができ、この場合は虚火とも言われますね。
東洋医学では停滞をしてしまうと、熱を帯びてくると考えてくるので、気血の停滞、痰湿の停滞があると、熱化をしてしまうので、内火が発生をしてくると考えることが出来ます。
火は水を乾燥させ、風を生み出してしまうことがあるので、内火はさらに内燥と内風を発生させてしまう可能性があります。
6.まとめ
内生五邪は病能と外邪の働きを理解していれば繋げていくことが出来るのですが、どちらも中途半端にしか入っていないと理解をしにくい物の一つなので、一度、学習をしたからと言って理解を出来るのではなく、再度の学習が必要な物だと思います。