経穴の復習をしていたのですが、要穴は臓の要穴なのか、経絡の要穴なのかという疑問を持ちました。
要穴は国家試験の学習のために覚えないといけないもので、臨床の中でも使いやすいものになるので、覚え続けておかないといけないのですが、日々、治療だけをしている状態だと、どんどんと抜けていってしまうものなのですよね。
復習をしていて思ったのは、要穴についての説明では、臓の要穴、経絡の要穴の記載になってくるので、一体、何のことなのだろうと思ってしまいました。
例えば、臓腑は肺、経絡では肺経になるのですが、肺の原穴、肺の募穴、肺の背部兪穴になっていて、肺経の郄穴・絡穴・五行穴になっています。意味が分かりますかね。とりあえず、まとめて書いてみますね。
- 肺の原穴
- 肺の募穴
- 肺の背部兪穴
- 肺経の郄穴
- 肺経の絡穴
- 肺経の井木穴
こうやって見ると、肺と肺経を分けているので、何かの意味があるのかと考えてみました。原穴は経絡に対する治療であると同時に、臓腑への働きかけが強い場所になるので、肺経ではなく、肺の原穴という記載になっているのですかね。
兪募穴は臓腑を前後で挟むように存在している物だと言えるので、募穴・背部兪穴は経絡ではなく、臓の対する治療として重要だという意味と、東洋医学的な解剖学の考え方から付けられているのでしょうか。
五行穴は、経絡の流れの中で、水が涌き出て流れていくというのを説明しているところもあるので、臓腑ではなく、経絡の五行穴というのはイメージがしやすいですね。
絡穴は絡脈に通じてくるものであり、経脈から分かれ出ていくものになるので、経脈の絡穴というのはイメージがしやすいのですね。慢性の病、臓腑の病に使えるという点からすると、肺の絡穴でもいいのではないかと思ってしまいました
郄穴は絡脈と違って違うルートに行くものではないので、経脈の郄穴というよりは、臓腑の郄穴の方が理解をしやすいのですが、何故なのでしょうか。
郄穴は急性期に用いやすいので、急性期は臓腑の病ではなく、経絡の病であるという認識なのでしょうか。それとも、経絡の急性・慢性の治療ということで、郄穴・絡穴があって、原穴が臓腑の治療なのでしょうか。
経絡は臓腑につながっているので、どちらでもいいという気持ちもあるのですが、何故なのだろうかやっぱり気になってしまいますね。
下合穴も同様に、臓腑ではなく経絡の下合穴ということになるので、経脈病を治療する経穴になってくるのでしょうか。どこかに答えがあるのかもしれないですし、答えは無い物なのかもしれませんが、今後は気を付けて見てみたいと思います。
個人的な仮説で考えるのであれば、臓腑に対する治療は原穴・募穴・背部兪穴で行って、経絡走行上の病であれば、急性・慢性を郄穴・絡穴で分けての治療、五行穴を使った治療とするのがいいのですかね。
そうなると『難経』六十九難での配穴は臓腑の治療ではなく、経絡を整える治療になってしまいますね。経絡は臓腑に接続をするので、結果的には臓腑の治療ということになりますが、あまり考え続けると迷走してしまいそうです。